無条件の愛
「愛って2種類あるの知ってる?」と、猫が外の景色を眺めながら尋ねてきた。
知らないので私は首を横に振った。
「まず1つ目が無条件の愛。これはね、具体的に言うと家族から受ける愛情のことかな。目に入れても痛くないほどの愛。自分の命を犠牲にしてでも相手を守ろうっていう気持ちね。」
そう言って目を細めて話を続けた。
「そして2つ目が条件付きの愛。これはね家族愛以外の愛情全てにおけることかな。仮にお前に好きな人ができたとするでしょ?顔が好みだからとか、優しいから好きとか理由がつくでしょ?つまり顔が好みじゃなかったら、意地悪だったら、愛は存在しなかったってこと。究極を言ってしまえば大体の生物は異性であるっていう条件が伴っているからもうすでに条件付きの愛だよね。」
その話を聞いてまず私が1番初めに感じた気持ちは絶望だった。
「私は無条件の愛をもらったことってあるのかな?」と馬鹿げているが猫に問いた。
猫は私の目をみつめて
「にゃあ」
とだけ鳴いた。
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