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NHK札幌放送局・開発グループ「Neeeds」パンフレットをデザインしました。

NHK札幌放送局が2023年4月に新たに立ち上げたチーム「Neeeds(ニーズ)」のパンフレットをデザインさせていただきました。

(左)ロゴマーク、(右)パンフレット表紙

大隅 亮さんと昨年12月のmocteco Demodayで久しぶりに再会し、以前私がディレクションした冊子を見て良いなと思っていてくれたそうで、「いつかデザインをお願いしたいんですよね」と言ってくださっていて嬉しいなあと思っていた矢先、早速今年の1月にこんなご連絡をいただきました…!(一部抜粋)。

今度、NHK北海道で新しいグループを立ち上げるんですが、その理念がわかる紙媒体(パンフレット)を制作しようと考えています。そのアートディレクター/デザイナーをお願いできる方を探していまして、江川南さんに一度ご相談したいです。

新グループの名称が「Needs」となる予定で、これまで上から目線だったマスメディアから脱却し、市民のニーズに寄り添い、伴走するような、市民とメディアのあたらしい関係性を発信していこうとしています。そのパンフレットを考えたときに、江川さんのポリシー、作風がぴったりだと思い、お力をお貸しいただければと願っています。

ポリシーや作風がぴったりと思ってご依頼いただけるのは本当に嬉しいなと思います。1/12(木)、どんなことをする団体なのかをまず大隅さん&松丸さんにお伺いして、4月の立ち上げまでに配布できるパンフレットを作ろう!ということで制作がスタートしました。

デザインにあたり考えたこと:01
一線を引かれてしまわないパンフレット

そして2/2(木)、「Neeeds」のチームメンバーの皆さんが集まってくださって、パンフレットの打ち合わせを行いました。メンバーの皆さんが集まるのもこの日が初めてだったそうで、自己紹介&キックオフ的な打ち合わせにもなりました。

この時キーマンの皆さんが揃っていて、私一人が外部からの参加で少し緊張していたのですが、大隅さんが「江川さんも仲間の一員ですから」と言ってくださって、緊張がほぐれて凄くありがたかったのを覚えています。

パンフレットを制作する上でのミッションは「Neeedsが始まったこと・各種取り組みを知ってもらい、仲間になってくれる人を増やすこと」としました。

最初の打ち合わせで私が一番気になったのは、松丸さんがぽろっとおっしゃった「NHKと言うと、別世界の存在のように捉えられてしまって、一線を引かれしまうことがあるんだよね」という言葉でした。

確かに、私も「NHK」と聞くとすでにあるイメージが先入観となってしまうことがあるなとお話を聞いていて思いました。一方で、松丸さんや大隅さんは良い意味でゆるく、私の持っていたNHKのイメージとは全くと言っていいほど異なるものでした(きっとお二人を知っている方には共感していただけるはず…!)。

Neeedsの取り組みは、そんなある種の"NHKらしさ"のようなものからも脱却し、市民に寄り添い、伴走する新しい関係性を目指していました。寄り添おうとしている姿勢をまずは感じてもらい、「Neeeds」というチームを共につくっていくことを目指したいと考えました。

デザインにあたり考えたこと:02
コンセプトを伝えやすいカタチ

今までのメディアを脱却するということを踏まえ、一方的に伝えるものではなく、双方向的なやり取りができ、コミュニケーションを生み出せるようなパンフレットにできないだろうか?

そういった発想から、市民の声を"聞く"ことを大切にしていることを表す「耳」の形をしたパンフレットを考えました。

最初にご提案した際のラフ画

ベーシックなものもご提案したのですが、打ち合わせの中で皆さんに色々とご意見をいただき、最終的にはこちらの耳の形で進めることになりました!耳の形にすることでパッと見た時の印象も強く、渡す時にコンセプトを伝えやすいため、個人的にも耳のカタチ案に決まったのはとても嬉しかったです。

デザインにあたり考えたこと:03
3つの取り組みが個別で見れる体裁

打抜(うちぬき)加工ならここしかない!と、家業イノベーション・ラボで出会った株式会社北海紙工社の梅田さんに印刷をお願いしました。

Neeedsは「ローカルフレンズ滞在期」「シラベルカ」「#これ防災なんで」の3つの取り組みが内包されており、1つ1つを説明する時に説明しやすい体裁にしたいということで、12ページの冊子を考えていました。

中綴じ冊子ほどのボリュームではないし、蛇腹折りだと見辛そうだし…何か良い方法はないかなと思い梅田さんに相談したところ、ホチキスを使わずにできる冊子の体裁案を提案してくれました・・・!私にはそんなアイデアはなかったので本当にありがたかったです。

「どういうこと?」と気になった方は、ぜひどこかでパンフレットをお手に取って製本方法を見てみてください👂

デザインにあたり考えたこと:04
双方向のコミュニケーションを生み出す

これは最初から意識していたことではありますが、皆さんとの打ち合わせの中で「ニーズ(みなさんの声)を集める仕組み」をこのパンフレットにも機能として持たせることになりました。裏表紙がニーズを書ける欄になっていて、その裏側がハガキの宛名になっています。

右側が表紙・左側が裏表紙
右側が宛名面。切り取り線で切り取ることができます!

また、耳の形のパンフレットなので、集合写真を撮影する時に耳にあてても可愛いのでは!?ということで、こちらも合わせてご提案しました!

先日の楽しかった打ち上げにて!まさにこんな使い方をしたかったので嬉しかった(TT)ぜひ皆様も!

デザインにあたり考えたこと:05
「ニーズ」を「ニュース」に変える

大隅さんが書いてくれた紹介文に「あなたのニーズをニュースに変えて、私たちの社会をよりよい場所へ」という言葉があり、その言葉をヒントに、Neeedsのロゴマークを考えました。

パンフレットのモチーフである「耳」をロゴマークに

Neeedsが大切にしているのは、一人一人の声に耳を傾けしっかり聞くこと。そして、その声に応えて発信していくこと。ニーズを聞き、ニュースに変える。きっとそのどちらも同じくらい大切なことなのだろうなと思い、左側の黄色い線3本がニーズを表し、右側の水色の線がニュースを表しています。

フォントはオープンであること・フラットであることを表すために、強弱のないフラットな線で、「e」「d」などもあえて空きをつくっています。

実は表紙にも仕掛けが。薄いピンク色で「w」が隠れていますが、左上から斜め読みすると…?

各プロジェクトの紹介ページにはメンバーの皆さんの似顔絵も入れさせていただきました!詳しくはぜひお手に取ってご覧いただけたらと思います◎

大隅さんの似顔絵☺️

今回は「Neeeds」というチームが4月から立ち上がるということで、その紹介をするパンフレットということでしたが、チームの皆さんと一緒に作り上げることができて本当に嬉しく幸せでしたし、メンバーの皆さんから「デザインの力って凄いですね」とおっしゃっていただけたのが印象的でした。

そして、メンバーのお一人が「あんまり仕事のものを家に持ち帰って家族に見せたりしないんですが、このパンフレットは家に持って帰って、子どもにも"お父さんこんな仕事してるんだよ"と見せました!」と言っていただいて、家族やお子さんにも誇れる仕事を表現できたのかなと思うと、とてもとても嬉しかったです🥲

つくってくださったビジュアル。早速素敵に展開してくださっていて嬉しい…!!!

ふだん、個人事業主で一人で仕事をしているという事もあり、チームの一員として迎えてくださったことや、皆さんと作りあげられたのがとても嬉しく楽しい経験でした。Neeedsはこれからどんどん動いていくと思いますので、ぜひ皆さん楽しみに&チェックしていただけると嬉しいです👂

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江川 南/RESUPPORT@フリーランスデザイナー
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