
Photo by
shinobuwada
僕は平気です
この世界になってどんどん、「必要なかったこと」が浮き彫りになってきている。無駄な移動や会議、人によっては都心に住むことですら不要だったと。
僕が怖いのは、僕自身を「必要なかったこと」として捉えてしまわないかということ。今それにどんどん近づいているという感覚があってとても怖い。
今はいろんな意味で残酷な世界だ。あらゆることにおいて「勝者と敗者」が生まれ続ける。自宅の時間が増えたことで売り上げが増える企業もあれば、全く稼げなくなり閉店する店もある。
僕だってそう、仕事が来るイラストレーターと来ないイラストレータに振り分けられている。残念ながら後者なのかもしれない。本当はいつだってそのどちらかだけど、この世界になってそれが極端に表面化しはじめた気がする。
僕にとって「必要とされない=生活できなくなる」と、需要と生活が直結しているので、毎日のように「死ぬかもしれない‥」という不安が襲ってきて心が落ち着かない。
だから日々「何をするべきか」ばかり考えている。今日はよくわからなくなってずっと寝っ転がっていた。気分転換にどうでもいい絵を描いたけど、どうでもいい絵なのだから、完成しても何も感じることはなかったですけど。
僕は不要不急なものしか作れない。でも星野源が言うように「人間は余計な事をしががる生き物」なのだとしたら、その余計な部分を豊かにすることが、おそらく唯一できる事なんだろうと思う。それがかなり難しい。壁が高い。
自分がどれだけ必要とされるかは、結局これまでの積み重ねでしかない。作ってきた繋がりが全てだ。今急に必要な人間になれるわけでもない。有名人がバズらせてくれたりする以外、絵の在庫が急に無くなることはない。
でも他にできることもないし、出来るだけ平気なフリをして、描いたり書いたりするのです。
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