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高尾山かりんとうが誕生してから地域商社モデルになるまで⑥

こんにちは、MNH広報部の阿部です。前回の話で、流通の問題を解決するために地域人材を活用したというお話をしましたが、地域人材の話についてさらに掘り下げたいと思います。


社会課題の解決とビジネスが両立することって、そう簡単なことではありません。社会課題を解決しようとすると儲からないし、儲けようとすると社会課題を解決できなくなってしまう。
そこで、MNHが考えたのは、「社会課題の解決がビジネスに有益に働く仕組みを作りたい」ということでした。具体的に何をしたかというと、福祉作業所の人たちに作業をお願いしたのです。


作業所間に生じる格差の問題

私たちが関わっているのはB型作業所ですが、作業所にはほかにもA型作業所や就労作業所などがあります。B型作業所は通所タイプで、作業所で作業する人と工賃がもらえるわけです。工賃は、全国平均月1万5千円くらいで、20年以上変わっていません。

10人から20人くらいの小規模の作業所が多いですが、その一方で300人くらいの規模の大きな作業所もあります。作業所のトップの人たちは、みんなでやればたくさん仕事をもらえるんじゃないかと共同受注・共同発注をするケースがほとんど

でも、小さな作業所には、到底こなせない仕事量もあるわけですよ。そうなると、結局大きな作業所が大きな仕事を持っていってしまうんです。小さな作業所では、通所する人たちが手持ち無沙汰にならないようにと、1円にも満たない仕事を引き受けてしまう。

必要なのはヘッドクォーターの存在

共同受注・共同発注と言いつつも、小さな作業所にちゃんとした仕事を回せないのは、ヘッドクォーターがいないからなんです。トップの人たちはどこかの福祉作業所の理事長をやっていることが多いから、自分の作業所を運営するだけでいっぱいいっぱい。すべての作業所に目が行き届くというのは、なかなか難しいことなんです。

でも、小さな作業所でもたくさん集まれば、大きなパワーになります。私たちMNHは、小さな作業所には売れ行きが鈍い方のかりんとうを、大きな作業所には売れ行きが良い方のかりんとうをつめる作業をお願いしました。小さな作業所にも適切な工賃を支払う仕組みづくりを、高尾山かりんとうを通して実現することができたと自負しています。

ただ、MNHが依頼した仕事のみで、福祉作業所に通う人たちに十分な仕事が確保できるわけではありません。こういう仕組みづくりを、ほかの人もやってほしいなというのが率直な思いです。お金を出すだけでなく仕組みを作ることで、小さな作業所にも仕事を平等に分配できるようになるのです。

次回も、引き続き、地域人材の話をしたいと思います。




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