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ファミリア〜役所広司という孤塁


父親として息子に対し心を鬼にしたこともあったが、たいてい自分の感情が優先してカッとなっただけであり、やるだけのことはやったと思っているのは自己満足の詭弁に過ぎない

自分は親になれなかった、子育てに失敗した、もはや取り返しがつかない、ちがう人間なのだから息子には息子の人生がある、これまた現実逃避、責任回避というものだ

そういった意味も含めて、役所広司の背中を追いかけていた

我が子の命を思い、赤の他人の人生迄背負おうとする

同じ真似ができるかといえばもちろんできない、他の役者でもたぶんできない独擅場だ

『PERFECTDAYS』は際たるものだったが、役所広司にしかできないことが多すぎる

ほかにも素晴らしい役者はたくさんいるが、役所広司しかムリというゾーンが確実にある

失礼ながらこの作品は脚本も演出も失敗だと思う

親子関係、ヘイトの描写があまりにも一面的で、とてもチープな人道主義に見えてしまう

たとえば吉田が去り山本が去り山崎福が去ったオリックス以下の窮状を、役所広司が一人で支えていた

どうすればポスト役所広司を育てられるのか門外漢にはわからないが、かなり急務な気がする

粗ばかり目立つのはオンデマンドのせいかもしれず、劇場で観るべきだったと悔やんでいる




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