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僕はイエス様が嫌い〜みずみずしい凶器

母親のパート先の木工所一家がクリスチャンで、クリスマスパーティーに呼ばれて行ったら、自分が思い描いていたケーキや七面鳥やサンドウィッチの姿はどこにもなく、漬け物やのり巻きばかりが並んでいた気がする

約束の地との乖離に絶望して早々に退散したのだが、折しも当地には珍しい大雪の夜、膝下まで埋もれ、容易に進めず、思わずイエス様を呪ったのは口から出まかせの後づけだ

実家の近くにあるモルモンの教会へ通っていたときは、彼らの教祖様が巻き起こしたという奇蹟に違和感を覚え、中学生心にそんなヤツおるかいと思ってしまった

宗教というものはやはり古い時代からのそれでないといまひとつふたつありがたみがない、さりとて非科学的な超常現象を強調されると受け入れがたい、自分にとってイエス様はちょっとちがうと悟りを拓いたのだった

この映画はもちろんそんなヨタ話ではなく、主人公の聡明な少年の懐疑がとても悲しい現実となり、イエスに対し怒りのノーを突きつける

年端もいかぬうちに大切な友だちを喪う衝撃はその後の人生を左右することだろう

弔辞のシーンは忘れられないものとなった

この監督の長編を全て観たことになる(まだ全2作だが)

いずれもひときわ傷つきやすい世代の心を巧みに描く

さりとてジュブナイルとは異なり、子どもたちを通じて人間や世界の本質を抉るのに長けている

せつなさを語れる者は十中八九異性を惹きつけるはずだ

そうだとすると癇に障るがそれはまた別の話だ


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