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夢の涯てまでもディレクターズカット〜世界の終わりとメメント・モリ
初夏から冬へと逆戻りした日、一本の映画としては推定自己最長の288分間もスクリーンの前にいた
これじゃまるで短縮版だと監督が言ったそうだが、ひと粒でさらに二度おいしいディレクターズカット&4Kレストア版がいかなる変化か、劇場で観たいと思った
非批評家的な見方しかできないが、世紀末、核衛星爆発の危機、性悪女に男たちが振り回され、生々流転する話なのだが、むやみにカネを盗んだり使ったりするのは贈与やら蕩尽、経済人類学的視点で世界=資本主義の涯てに至ろうとしているにちがいない
『ミレニアムアムマンボ』の2001年に続き、舞台設定の1999年問題に悩む
自分がどのように過ごしていたのかまったく思い出せないし、夜ごと夜ごと数々の夢にうなされていたはずだが、雲と散り霧と消えてしまっている
他人の夢の話ほどつまらぬものはないとはいえ、丹念に走り書きしておけば、小説の一本ぐらい書くだけは書けたかもしれない
笠智衆や三宅邦子を起用した日本文化の取り上げ方に夢に関する思想が明らかで、まぼろしやらうかかたを徹底的に表現するために再編集したのだろうか
とにかく半日がかりの旅であった
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