四つ目編み盛り皿
オリジナルデザインでざるを作ろうとすると、仕上げるところまで行くかどうかが微妙となる。今回は確実に素早く仕上げたかったので「竹工芸『編組工芸』図面集」から作品をチョイス。
直径250ミリ。四つ目編みの編み地、縁は3ミリの皮籐で流し巻き。
四つ目編みは大体ひごの幅がが広いものだけれど、これは8ミリ。
竹ひごの幅があると、竹の生えていた元の姿が想像しやすい感じがする。
編み目もシンプルだから、素朴さも醸し出されて、それはさじ加減一つで野暮ったさともなりえるなぁと思ったりする。
ちょっとした竹ひごの幅やひご同士の空きや、全体のサイズや皮籐の太さなど、コンマ何ミリのことで雰囲気はガラッと変わってしまう。
編み目をどう揃えるか?
四つ目はひごの隙間が正方形になるし、その正方形が結構目立つ。
なのでできるだけ真っ直ぐなひごを作る、と言うのはもちろんなのだが、竹って真っ直ぐだと思いきや、意外と曲がっているのだ。
それを真っ直ぐに切り出すわけでもない。
繊維に沿って裂いていくのだ。
繊維に沿っているから、どうしても曲がったなりのひごができるのは当然なわけで。
そんな竹ひごをいくら正確にガイドを使って並行に、垂直に並べたとしても、ガイド通りにはいかない箇所が出現してくる。
これが、幅が均一なクラフトテープなどとは違うところで、竹ひごのその線の揺らぎが、竹らしさであり、難しさでも面白さでもある。
そんな竹ひごをどう組んでいくか。
つまりは、できるだけ揃った四つ目に「見えるように」見えるところ見えないところ気にならないところで隙間を調整していくしかない。
網み目を揃えるには、ひごとひごが組み合わさってできる隙間の方の形が揃うようにひごの位置を調整していくとキレイに仕上がりやすい。
今回の四つ目ならば、ひごの間の正方形の隙間。それが同じ大きさの四角になるように、そしてもちろんひご同士も。
いくら隙間が正方形になるからといって、他のひごに対して斜めだとはっきりわかるようならばそれはNGとなる。
部分の完璧さではなく、全体のバランスをとっていくこと。
こういう自然物で何かを作り上げる時には結構大事かもしれない。
縁作り
縁竹の幅は7ミリ。個人的にはちょっと頼りなげな感じがしてて、本当はこの倍くらいのしっかりした縁が好き。
ひとまず図案集の指定通りに作ったけれど、使っていて壊れやすかったりしないかなぁとちょっと心配になる。
今回の縁の皮籐の巻き方は、流し巻き。
流し巻きのやり方の説明図などをみると、左から右に巻いていくようになっている。
右利きで巻いていくとそれがやりやすいからかな?とは思うのだが、今回はあえて左巻きとした。
その理由は…
編み地のを上と下から挟み込んでいる「飾り竹」「ささら」「柾」と呼ばれるパーツ。
丸い縁の内側に沿わせやすいよう8ミリの幅の竹ひごを8本に裂くのだが、全部を裂いてしまわずに根本部分はくっつけたままにしておくように作る。
丸く沿わせていく時には、根本部分を先に固定し、右の方へと丸みに沿わせつつ止めつけていく。
その飾り竹は、編み地を表と裏で挟むために2本必要で、右回りで止めつけていけるように作ったはずだったのだが、沿わせてみたらどうしても表が上手く沿わせることができず、表裏を取り替えて沿わせたところ、上手く行った!
つまり、習ったのとは逆に右から左に止めつけていかねばならなくなり、籐の巻き方も右から左へ!という状態になってしまったのである。
初めは、籐の巻き方も、大和結び、と言うのにしようとしていた。
流し巻きの斜め部分がないやつ、と思ってもらえればいい。
しかし、この籐を巻いていく部分でまた悩みどころが出てきたのだ。
止めつけていく場所は、16箇所と決めた。
それを、円周の中に等間隔に配置すると、編み地に穴を開けねば止めつけられないところが出てきてしまう。
これだけの穴があるのに、穴を開けるのは忍びない。編み地の穴を利用して巻いていきたい、となると等間隔に巻いていくわけにはいかなくなる。
等間隔でないことがマイナス面にならない選択。
それが、今回は流し巻きにすること、となった。
流し巻きのデザイン性で、等間隔でないことに気づきにくいと踏んだのだ。
これが上手く働いているかどうかは見る人の判断に任せられるわけだが、流し巻きにしたことで、少し軽快さが出たように感じるのだが、どうかなぁ。
盛り皿って
何を盛るんだろうね?
天ぷらとかが一番良さそう。
蕎麦やうどんは穴から漏れそうなのでちょっと向かないよね。
何かをちょっと干すのにもいいかも。
でもあまり、そういった日々の暮らしでガシガシ使うような雰囲気でもないのかなとも思う。この縁の幅から受ける繊細さからすると。
でも、手にした人がどう使うかは自由。
使われるかどうか、の方が大事だと自分の作ったものについては思う。
壊れるくらい、たくさん使われてほしいもんです。