人込みを歩く 2012-04-09
レッスンで、生徒が、こんなことをアレクサンダーの見地から検証してみたい、と言って教師と一緒に検証していくのだが、これを「アクティビティ」と呼ぶのです。
先日のある一人のアクティビティは「人込みを歩く」
シチュエーションとしては大勢の人が歩いてくるのと、自分だけ反対に進む、というもの。
ぶつかって歩けない、というほどではないが歩きにくさがあり、これが何とかならないかということでした。
やってみよう、ということで全員が進んでくる中を、その人一人反対に歩いてみる。
もちろん最初に、「頭が繊細に自由に動き、それに体全体がついてくる」と言うことを考えたうえで歩くのですが。
「どう考えながら歩いている?」とジェレミー先生が尋ねました。
その人は「人にぶつからないように歩く」と答えました。
アレクサンダーの本で読んだところによると、人は、否定文での指令には対応ができにくい、肯定文でお願いすべし、とのこと。
「何かをしないように」というのは、まず「何かをする」ことを考えてから「それをしない」という2段階の手順を踏んだ指令になり、体は混乱しやすく対応しづらい。
「何かをするように」と指令を出したほうが単純で体が理解・実現しやすい、というのです。
そして先生の提案はこう
「”人がいない所に向かって歩く”と考えてみたらどう?」
結果、その人は人込みをスムーズに歩くことができました。
その時は、自分では「へぇ~」って思うくらいだったのですが。。。
翌日、お昼休みに商店街の端にある店まで行きたくて、駅と商店街の人込みを歩いていて昨日のアクティビティを思い出し「人がいない所に向かって歩く」をやってみたのです。
個人的には、人込みをすり抜けるのは結構得意だと思っていたのですが、そう考えて歩いてみると、今までよりかなり歩きやすくてびっくり。
自分ではいままでどう思って歩いてたのかよくわからないんだけれども、なんとなくやっていたこと、に対して明確に目的を持ったのでさらに歩きやすくなったのかなと思いました。
人がいない所を探すために、視野が広くなったのかな、という感じもした。
あと、気持ちもなんかゲーム感覚で楽しいような気がしたのが以外だった。
たぶん、なんとなく人の間をすりぬけていたけど、人を避ける、っていう思考だった気がする。
そのマイナスなイメージがなくなったのかもね。
単純であたりまえな話、という気がしたんだけど、やってみたらあらびっくり。
「できる」と思い込んでいたものでも、なめちゃあかんな~と思ったのでした。