「バグを憎んで人を憎まず」という考え方
「モノづくりというチーム戦で起きた問題は、個人ではなく、チームの問題として考える。」
2018年、僕はBeatFitという会社を共同創業しました。
肩書きはCPO(Chief Product Officer)というもので、製品を統括する役割。開発管理も役割の1つで、エンジニアの方々と一緒にソフトウェア開発を行っていました。
ソフトウェアっていうのは、本当に言葉の通り柔らかいナマモノ。思い通りにコントロールすることが難しく、バグつまり不具合がよく起こります。なので、開発に関わっている人たちは、このバグというものがある前提で開発に取り組んでいるのですが、開発に関わっていない人にとっては「誰かの過失」として受け止めてエンジニアを責めたりすることがあります。
僕はデザイナーとして製品開発に関わってきた時間が長かったので、このことに馴染みがあったのですが、会社の中でこの考え方を理解してもらうのは難しいなぁと感じていました。
そんなある日、取引のあった会社が、商談の時にこんな言葉が書かれたクリアファイルをくれました。
バグを作った人を「悪」と考え、個人を非難するのではなく、バグそのものを「悪」と考えて、チームとして再発防止するという考え方で、エンジニアの方々の中で浸透している言葉。
この会社はソフトウェア検証、つまり「バグ」を見つけることを専門とする会社なのですが、この言葉を社訓として、とても大切にしているそうです。
エンジニアの方々は、チームでものづくりをするためのカルチャーが成熟しているからこそ、このんな素敵な言葉が生まれるんだろうなぁと、とても感動したのを覚えています。 このクリアファイルは、オフィスのみんなの目につくところにそっと置いておきました(笑)
今では、この考え方が会社に浸透きていると感じています。
僕は家の鍵をかけ忘れるというバグを起こして、ワイフによく怒られているのですが、家族というチームで再発防止を考えていけるように、「バグを憎んで人を憎まず」の精神を、家庭にも浸透させていきたいと思う今日この頃です。
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