本をどうやって見つけますか
こんばんは。諸々が片付かないので片隅にある思考をここに置き去りにしておきたいと思う。
表紙や装丁、帯に惹かれて買ったものの裏切られたなあという気分になったものを2冊紹介したい。そのうち1冊は、僕はもう読みたくないけど人にはときにおすすめしたいなって思ってるもの。
ごく一部をかいつまんだり、ネタバレしたり嫌な表現があるので嫌な人はブラウザバックで。
1冊目 本屋さんのダイアナ / 柚木麻子
平台に置かれていて、装丁がかわいらしかったので購入した。
この作品こそ、人におすすめこそすれど自分はもう読み返したくない小説。
全く違う環境で育ったダイアナと、その友達である彩子の二人の物語。
その中でも特にしんどかったこと。
彩子は中高を女子校で過ごしお嬢様のように育てられてきて、社会に蔓延る悪を知らない。大学に入ってサークルに入るものの、言葉巧みに騙されお酒が入って抵抗できないままレイプされてしまう。
僕は純粋な人に対して純粋なままであってほしいと願っているから、それが汚されてしまうのが何よりも嫌だ。彩子は、自分のされたことを正当化しようとレイプした人物と付き合ってしまうのだけれど、純白から汚されていく様は読んでいられなかった。割に合わなすぎるじゃん。真っ当に生きていたのにほんの少しの過ちで人生最大の後悔なんて。
でも、最後にダイアナとのかかわりで呪縛が解けるのは救いだった。
もうちょっと論理的に話したいけど、嫌悪感が先立ってしまう小説でした。
2冊目 青春のジョーカー / 奥田亜希子
帯に書いてあったこと。「すべての青春オタクへ」
読んだのは高校生の頃、三秋縋の小説を渇望していたときに平台に置いてあった記憶がある。
性に翻弄される主人公の基哉。AV出演経験のある大学生の二葉。などなど、この小説は一貫してセックスに振り回される人たちを描いていた。
正直なところ、三秋縋はあれだけ村上春樹(その大元はライ麦畑かな)に触れるのに、自分の小説ではセックスのセの字も使わないんだってふと、この小説を読みながら考えた。そういう文脈はあった気がするけど、そこが主題にはなってない。
『本屋さんのダイアナ』は被害者目線だけれど、『青春のジョーカー』は加害者目線が読める。様々な要因があって、『本屋さんのダイアナ』で語ったような大学生コミュニティの闇を知ってしまった基哉は性欲なんていらないからと、二葉に飼っている犬の去勢手術を依頼する。
セックスばっか語るしレイプも引き合いに出してきて結構読むのしんどかった憶えがある。被害者側の女性はどうにかなってるような描写もない。何もしてない巻き込まれただけの純粋な基哉の兄が、引きこもりから脱するあの場面に、加害者になり得る側の救いがあったのかもしれないけど、あまり好みではなかった。
そういう感想になってしまうのは、その時期に三秋縋のような青春小説を渇望していたからであって、そのバイアスがなければもっとフラットに読めたかもしれない。
探してみたら児玉雨子さんの書評があった。面白かった。
タイトル
この2冊、装丁や帯に惹かれて買ったのに、読めば読むほどしんどくなったものだった。本との出会いは一期一会だから後悔はしていなかったけれど、読むのに覚悟をする時間が欲しかった。
ふと気になったけれど、みんなどうやって本を見つけてるんだろうな。
ネットで見かけた、平積みされてた、装丁に惹かれた、などなど。どれが一番割合が多いんだろう。