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牧場物語のこと

小さい頃「牧場物語」で遊んでいた。

可愛らしい動物に囲まれ、最初の乳牛には「ももちゃん」鶏には「ピーちゃん」羊には「めーちゃん」と名付け、毎日とても可愛がっていた。

しかし、当時は作物の季節や牧場の運営がいまいちわかっておらず、春に植えたカブは3日後に枯れ、夏になると乳牛がミルクを出さなくなり、私も動物も腹を空かせ、私はその辺に生えてる山菜をかじりながら日暮らしをする羽目になった。動物たちにはスキンシップをしたり話しかけたりして大切にしていたものの、私の牧場はどうにも、もの寂しいものであった。

十数年経ち、大人になった私は、Youtubeで牧場物語の実況プレイをたまたま見つけて、その進め方に驚いた。
まず乳牛と鶏を購入し、酪農もほどほどになった頃にそれぞれ種付し、生まれた子牛や雛を直ちに出荷する。子牛や雛は酪農より単価も高いため、そのお金を次々と設備投資に注ぎまた種類の違う乳牛を買い、種付をする。効率が高まった牧場では酪農の質も高まり、生活も潤い始めた。

そうして儲かったお金で、月に数日やってくる商い屋から安くない我が子の玩具を買ってあげているのを見て、私はハッと驚いた。可愛い子牛や雛を売ることに躊躇いがあった当時の自分には、辿り着けない場所であった。

結果、その人の牧場はみるみる発展し、質の高い生産物で収入は安定して、最後は立派に育った息子が牧場を継ぎ、エンディングを迎えた。

私は当時、なんとか結婚と出産までは進めたものの、子供は小さいままエンディングまでは辿り着けていない。あのゲームは動物の可愛らしさや自然の美しさだけではなく、何に時間をかけてお金にするかの一面も含まれていたのだと知った。

今年リメイクされたので、 今度こそエンディングまでやりこみたい。


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