『現代思想』5月号(鷲田清一)

『現代思想』(鷲田清一特集)学生時代から好きで割とマメに追ってたし、しなやかなその文体に憧れもあったので、面白く読んでます。鷲田さんは(良い意味で)中心となる思想的な芯(キーワード)がないことが特徴だと思っていたので、『現代思想』で特集が組まれるのは個人的には意外な感じもしました。それはもちろん鷲田さんに思想がないという意味ではなくて、それは概念モデルでなく思索の実践(パフォーマンス)においてこそ現れるということですが。あえて言えばそれらを生み出す、世界と向き合う「姿勢」(偏差)こそ鷲田さんの思想の「らしさ」ではないか、という気がしています。「臨床哲学」もその親しみやすい入口から進んで、効果的に運用するのは相当に技術と鍛錬が必要なのではないかと思われますしね。そして、飄々としたいでたちでありながら、なかなか真似のできないそのスタイルを、私はひそかに「哲学界のタモリさん」と呼んでいます(笑)。


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