MAMALAID RAG BAND SUMMER CONCERT SAGA 2019

                                                                                                          All Photos : Kazuya Inoue

さて、2019年 この夏のライヴ・レポート、最後は
08/10(土)夜に行われた
佐賀県・佐賀市 ROCKRIDEでの演奏.
出演は、私とプラス、ママレイド ラグ 佐賀バンドの皆さん.
田中拡邦 : エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、 ヴォーカル
中園宏之 : エレクトリック・ギター、ハーモニー
橋本 芳 : キーボード
會田勝広 : エレクトリック・ベース
草野 肇 : ドラムス

セット・リストは

1 Postcard -previous version-
2 レイン
3 Apple Pie
4 きみに夢中
5 消えた恋
6 夢の夢
7 Cold Blues
8 Lazy Girl
9 いつでもどこでも(田中 Guitar alone)
10 祈りの言葉を知らなければ(田中 Guitar alone)
11 Wave(田中 Guitar alone)
12 春雨道中
13 ワトスン!
14 家具のない部屋
15 ふたりで目覚めたら
ENCORE
16 Day And Night Blues

の全16曲.

08/10(土)の夜、19:00過ぎ、通りのアスファルトが
昼の太陽のうだるような熱さをまだ少し含んでいる時間に、
コンサートはスタート.

先ずは、バンド・メンバー全員で、ステージに登場、
「Postcard -previous version-」を披露.佐賀バンドとしてはこれまで長くレパートリーとしてきた曲で、心地よいテンポの "16 notes feel"  に乗せて、爽やかなヴォーカルが特徴的なナンバー.16分音符のビートというのは、うまくいくと決して硬くならずに、ふわりとしたフィーリングが出るのですが、これはまさにそのような演奏、冒頭から今夜のコンサートの手応えを感じました.
壁際のチェアまできっちり埋まった、満員の会場のみなさんに、ご挨拶のMCを挟んで、次に演奏したのは2006年発表の「レイン」.エレクトリックのバンドでありながら、うるさくならずにしっかりとヴォーカルが聴こえる優しい演奏のバランスが見事に響いた演奏.私のヴォーカルもそれに応えるように伸びやかにしっとりと.エンディングの「C」の三和音が、綺麗に会場に響きました.

打って変わって、お次はロックなナンバー、「Apple Pie」.ミドル・テンポでありながら、独特の力強さのあるこの曲、ドラムス・草野肇さんの「タメ」が見事に決まり、会場からは大きな拍手が.メンバーもオーディエンスの皆さんも徐々に温まってきたようです.

ここで、バンドのメンバーを紹介.佐賀バンドの皆さんは基本的に正規のお仕事を別に持っていらっしゃる方々.広告デザイナー、”名医” と名高いお医者さん、整体師などなど.言い方によっては ”アマチュア” と言うことになりそうですが、そこがこのバンドの凄いところ.東京でのバンド・ライヴのメンバー、第一線で活躍するミュージシャンに決して負けない演奏力と、感性の持ち主たち.演奏の ”方向性" が違うのみで、全く優劣はつけがたいものがあります.未鑑賞の方は是非一度、足を運んで体感していただかなくてはいけませんネ.きっと驚かれることでしょう.

さて、メンバー紹介と、ちょっとふざけたオシャベリの後は、和やかな雰囲気の中で「きみに夢中」.この曲の持つピースフルな雰囲気が、佐賀の気心の知れたメンバーとの演奏で、より一層増幅されたようでした.続く、「消えた恋」「夢の夢」はブラック・ミュージックの要素が入ったナンバー.ここでは、ジャズメンのキーボーディスト・橋本芳さんのソロが、ともに光りました.そして、静かな盛り上がりを見せてきたところで、佐賀バンドの ”オハコ”、「Cold Blues」.なぜ、この土地の人たちは ”Blues” が得意なのでしょう.そう言う私も、ブルーズをルーツに持っていますが.何か、特別な繋がりがあるのでしょう.ギターの中園宏之さんと私のエレクトリック・ギターが唸りを上げ、続くアメリカン・ロックの「Lazy Girl」で最高潮に.このライヴのひとつのハイライトとなりました.

ここで、バンドのメンバーには休憩していただいて、会場は私とオーディエンスの皆さんだけに.ここ "ROCKRIDE” は昨年、大幅な改装がなされたばかり.その一環として、ステージのアップライト・ピアノが撤去されていました.それで、ピアノでの弾き歌いが定番の「いつでもどこでも」をアコースティック・ギターで.これは私にとっても新鮮で、いつも以上に歌に心がこもり、稀に見るほどいい演奏になりました.これこそ音楽、練習を積めば積むほど良い、と言うものではなく、ひらめきやその場の感覚というものが大きく作用するものということの証明となるでしょう.次の「祈りの言葉を知らなければ」も、静かに小さな音量で、歌詞を語りかけるように.そして、FM佐賀でパワープレイされていた「Wave」を昨年発売のニュー・アルバム「GOODBYE」から.やはり、耳馴染みのある方が多い感じがして、この曲を選んだことがウレシク感じられました.

再び、バンドのメンバーを呼び込んで演奏したのは、2002年のデビュー・ミニ・アルバムから「春雨道中」.その勢いを借りたまま、「ワトスン!」「家具のない部屋」と畳み掛け.冷房装置の効いた会場もヒートアップ、冒頭からすれば、実に大きな音が響き渡りました.この落差も "MAMALAID RAG BAND” の真骨頂、アコースティックありエレクトリックあり、バラッドありロックあり、ソフトありハードあり、でなければ、ママレイド ラグではないのです.

そして、気づけばすでに最後のナンバー「ふたりで目覚めたら」に.いつもにも増して、アッという間に感じたのは、佐賀バンドの演奏力のおかげでしょう.キラキラするようなポップスのこの曲で、本編は華やかに、滑らかに終了.

大きな拍手でお出迎えされたアンコールでは、定番の「Day And Night Blues」.やはり佐賀では、ブルーズで終えたくなります.これが全ての始まりで、全てが帰着する場所なのですから.現代の音楽が忘れていることの一つです.
ブルーズとはいえ、ジャンプ・ナンバーとも言えるこの曲で、会場は一体となり、もう一度大きな拍手をいただいて大団円となりました.

素晴らしい、佐賀バンドのメンバーの皆さん
佐賀のみならず、遠方からもお越しいただいたオーディエンスの皆さん、
ROCKRIDE のみなさん、有り難うございました!

またぜひ、この場所でお逢いしましょう.
それまでお元気で!

ママレイド ラグ
田中拡邦











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