町田康『しらふで生きる』感想
普通、人生は楽しくない。
と書いてあった。
一度読んだときは「すごいこと書いてるな」と思った。次に読んだときは「じゃあ酒でも飲まなやってられないのではないか」と思った。この本に書いてあることはそういうことではないが、そのように思った。
俺は酒を飲まない。飲めば楽しくなれるだろうか、という誘惑に駆られる。人生なんて普通は楽しくないよ、ということが、慰めにもなるし、快楽へと突き進む言い訳にもなる。
生きていれば楽しい瞬間はある。
それは確かだ。
楽しいことは不意に、偶然にやってくる。それに、楽しいことと苦しいことはだいたいセットである。だから、楽しまないと!みたいなのはきっと思い込みなのだろう。だってそれは、苦しまないと!とほぼ同じ意味なのだから。別に楽しくないならないでいいのかもしれない。(適当に書いてます)
回転寿司を食べに行ったとき、隣の席に同年代の親子連れがいた。子供は小さかった。
そこで俺は羨ましいなと思ったけど、もし自分に子供がいたとしても、ずっと幸せなんてあるはずがなく、苦しいこともたくさんあるだろう。そう言い聞かせる。
比較は無意味。
そんなこともこの本には書いてあった。