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【夢日記】アキ

子どもが集まる施設にいる。私はビルの4階くらいの、大きなガラス面のある部屋で、友人のアキとD(名前を覚えていない)とカードゲームか何かをしている。
アキは5歳くらいにも、15歳くらいにも見える。小柄で天真爛漫で怖がり。感情の表現がとても自由な女の子だ。
Dは高校生くらいの男の子。お調子者で面倒見がいい。私とDは、アキを妹のように可愛がっている。

窓の外で、何分かに一度、人が落ちていくのが見える。
尻にジェットエンジンをつけて直接空を飛ぶスポーツ(パラグライダーのような、ポピュラーなもの)だと思って特に気にしていなかった。私があまり気にして、ゲームが終わってしまうことの方が嫌だった。
それまで視界の端で捉えているだけだったのが、落ちていく人をもろに見てしまい「うわ」と声を漏らしたので、一緒にいた2人にどうしたのか尋ねられた。

2人と一緒に外を見た。窓の外で騒ぎが起こっている。
正面のビルが解体作業をしているようだが、なにかトラブルがあったらしい。今から外に逃げるのも危険な気がするので、その場に留まることにする。
資材を吊ったクレーンがかなり揺れている。揺れた資材が、こちらのビルにも当たりそうになっている。

アキが怖がりながら私の後方にある階段へ向かっていった。そちらならクレーンも落ちていく人も見えない。アキは眠たそうにしていたので、怖いながら寝に行くのだなと思った。とくに気にせず、目でも追わなかった。
「まあ3階までなら避難しなくて良いらしい」とDが言う。しかし「ここ3階より高いはずやで」と私が言い、えっ、と空気が止まった次の瞬間、轟音と衝撃が響いた。脚くらいは折れるかも、と私は言った。死ぬかもしれなかった。
ビルの下層を押しつぶして崩壊は止まった。まっすぐ落ちたので私たちに怪我はなかった。
すぐにアキのことが気にかかった。「アキ」と呼びかけると不安に襲われて、もう一度「アキ」と叫んだ。
Dが私の様子に気づいて「アキ」と叫びながら廊下へ出ていった。他の部屋にいた子たちも、騒ぎを聞きつけて集まってきた。
アキは普段はとても臆病で、私やDの背中に隠れていることが多い。しかし、一大決心をすると1人でも危険を冒してしまう。以前、それでかなり遠くまで行ってしまったことがあった。
Dが私の後方にあった階段を降りながら「前回無事だったのは運がよかっただけなのに!」と言っている。私もそうだと思った。アキに、そのことをしっかりと言い聞かせておけばよかった。
スネアドラムのケースから泣き声がする、と他の人たちが開けていた。中にはアキの大切にしている赤ちゃん人形が、しっかりとタオルにくるまれて入っていた。そこにアキもいるかと期待したが、いなかった。
一体どこへ行ってしまったのか。下階へ行ったのなら押しつぶされてしまった可能性もある…と顔面蒼白になりながら、入り込んでいそうな収納のフタやドアを開けて回った。
反対側の階段から、目をこすりながらアキが歩いてきた。「みんな、そんなに騒いでどうしたの?」
探している皆に伝えなければと反射的に「いたーーーー!」と叫んだ。Dが走って戻ってきた。「漫画みたいなセリフで登場してきたわ…」とDに伝えて、協力してくれた他の子達にも見つかりました、と報告しに行った。他の子達は特に大喜びも迷惑そうにもせず、そっか、と解散していった。

アキが小学校低学年くらいの友だちと遊んでいる。ブロックを片付けながら、「○○ちゃんのネギの小口切り、すっごい上手だったね!」と言う。言われたアキの友だちはとても照れくさそうに礼を言った。こういうことがさらっと言えるのがアキのすごいところだよなあ、この子がいると雰囲気が変わるもんなあと私は思っている。
アキの友だちはブロックを片付けながら「川の流れのように」を歌っている。ところどころ歌詞が分からずハミングになりつつ、アキと一緒に歌っている。小さなこの子たちがこの歌に惹かれるバックグラウンドを思って、少し泣きそうになる。

(2020.8.4)

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