台風でMTGがなくなった。ひさしぶりに内省してみた—私を表す5つのキーワード
おかげで今日は少し時間ができたので、ひさしぶりに内省。自分の仕事や人生に深く影響を与えているものに立ち返り、自分を見つめ直す機会。今日はゆっくりと、自分を表す5つのキーワードについて考えてみました。
その5つのキーワードがこちら。
①在日コリアン
②高校中退
③デモ活動
④社会学研究
⑤リクルート
それぞれのキーワードが私にどんな影響を与えているか、少し詳しくお話しさせてください。
①在日コリアン—「反骨心」と「マイノリティへの興味や共感」
父は在日朝鮮人、母は在日韓国人。私は在日コリアン3世として神奈川県の川崎で育ちました。幼い頃から、祖父母から聞かされる差別の話、自分自身が経験した幼稚園や小学校でのイジメ。そうした経験が私の中に「反骨心」を育てたように思います。
こうして自身が在日コリアンとして、いわばマイノリティとしての自負を持ちながら生まれ育ったからこそ、さまざま「マイノリティへの興味や共感」が養われていったように感じます。これが後にお話する、デモ活動や社会学研究への原動力にもなりました。
②高校中退—「捨てる勇気」と「孤独耐性」
中学から進学したのは、明治大学付属の明大明治高校。地元の環境があまり良くなかったので、親の勧めで中学受験をして入学しました。そこでの成績は常にトップ5内で、首席表彰されたこともありました。
でも、ふと疑問に思ったのです。「どうして、成績がビリの生徒もトップの生徒も、同じ明治大学に進学しなければならないんだろう?」と。そこで私は考えました。「明大には進学せず、大学受験で東大を目指そう。そうすれば、誰にもバカにされない学歴が手に入るはずだ」と。
それからというもの、学校の授業を無視して一人で受験勉強を始めました。でも、教師たちには「目障りな存在」に映り、同級生たちからも理解を得られませんでした。それならいっそのこと、学校を辞めて受験勉強に専念しようと考え、自主退学を決意しました。
いずれにせよこの決断によって、約束された進学の道を捨て、高校を中退し、友人たちともすべての連絡を断ちました。以降、誰とも交流せず受験勉強に励みました(そうして全てを投げ捨てたにも関わらず、東大受験には失敗してしまったのですが…)。
その結果、良くも悪くも「捨てる勇気」や「孤独耐性」が養われたと思います。
③デモ活動—「異質な場所へ飛び込む勇気」
大学生の頃、東日本大震災が起こり、反原発デモが世の中を賑わせていました。ニュースやSNSでそれを見たとき、「自分の知らない世界がここにある」と感じ、どうしてもその「異様な熱気」に飛び込んでみたくなりました。
反原発というテーマに共感してというより、ただ純粋な好奇心から、ドキドキしながら参加しました。そこには、反原発というテーマの下、さまざまな痛みや生きづらさを抱えた人たちが集まっているように感じました。彼らとの交流を通じて、共感や連帯感を覚え、次第にデモにのめり込むようになりました。
特定秘密保護法反対デモ、憲法改正反対デモ、医療大麻合法化デモ(通称マリファナマーチ)、レインボーパレード(かつてはゲイ・パレードとも呼ばれました)。こうしたデモや社会運動は「異質なもの」と見られることもありますが、実際にその場に飛び込み、そこで起きていることを体感できたのは、今振り返っても貴重な経験でした。
以上の経験を通じ、「異質な場所へ飛び込む勇気」が培われていったように思います。
④社会学研究—「自分を肯定する力」と「やり切る力」
大学卒業後、就職せずにデモ活動を続けながらフリーターをしていました。そんな中、デモを通じて出会った人たちに勧められた本を読むうちに社会学に興味を持つようになりました。
そのとき思ったのです。「大学院で社会学を専攻すれば、好きなだけ本が読めるし、合法的にデモにも参加できるぞ」と。
もともと社会学専攻ではありませんでしたが、独学で社会学を学び、大学院に進学しました。社会学は「マイノリティを肯定する言葉」に溢れていて、私にとっては「救い」でもありました。
修士論文のテーマは「現代日本におけるLGBTの社会運動」。社会情勢と自身の問題意識が一致するこのテーマを選びました。
論文執筆は楽しくも地獄のような日々でした。期待通りの論文が書けず、何度も自暴自棄になりながらも、締め切りまでにどうにか仕上げる必要がありました。寝ても覚めても、夢の中でも論文のことを考えるほど追い込まれ、自分のすべてを絞り出す日々。それでもどうにか修士論文を書き上げたことで、「やり切る力」が磨かれたと感じます。
⑤リクルート—「社会的信用」
大学院修了後、リクルートに就職しました。デモ活動に参加し、博士課程に進んだ先輩たちの話を聞くうちに、自分が進むべきはビジネスの世界で「社会的信用」を得ることだと痛感したからです。
リクルートを選んだのは、その社会的信用や影響力に加え、私のような経歴の人間でも受け入れてくれると感じたからです。入社後は人材領域に配属されました。人事や採用の仕事は、業界や業種を超えて必要とされ続けるもので、配属されてよかったと思っています。
リクルートに在籍していたからこそ、私のようなワケのわからない経歴や思想を持つ人間でも「社会的信用」を得ることができ、さまざまな会社や人、仕事と出会うことができました。そのおかげで、こうして独立することもできたのです。
「在日コリアン」「高校中退」「デモ活動」「社会学研究」「リクルート」。これらが私の人生を形作ってきたキーワードです。
もっとサクッとアウトプットするつもりが、気づけば2500文字近くになってしまったので、ここまでとしておきます。
でも、こうして自分を見つめ直す時間を取るのも悪くないですね。“これまで”と“これから”を改めて見つめ直すことができました。すべては台風のおかげです。台風に感謝。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!