イラスト生成AIに反対する人が、AI推進派の「二次創作はどうなんだ」を相手にする必要がない本当の理由
イラスト生成AIに反対している人に対して、AI推進派はしばしば「○○はどうなんだ、あれだって~」というウザい論法で批判してきます。
※この「○○」には二次創作が一番よく入ると思うのでタイトルは二次創作としましたが、ネットミーム的に転載されるさまざまな商業漫画の一コマや各種コラ画像、それにmad動画などを代入しても良いでしょう。
しかもこの論法、くっそウザいだけではなく痛いところ突いたつもりでいる割に全然こっちの心に響かないし、酷い「話をズレされてる感」を抱くことはありませんか?
それは実際に話が大きくズレてるからなのです。イラスト生成AIに対して反対・規制を望む人たちが本当に問題視していること――それしばしば本人さえも意識していないが、本能的に感知している危機意識――を微塵も理解せずに推進派たちはこのような批判をしてきます。ぜひこの記事で解説する論理で、本質からズレた理屈で"ロジハラ"したつもりになってる推進派を黙らせてください。
さて、とにもかくにもこの記事を読んでください。
はい、読んでくれたらわかると思いますが、ここでもイラスト生成AIがこれほど強固に反対される理由を「技術のある人が評価される仕組みを破壊するから」だとしてみてください。すべてが矛盾なく解決します。
ちょっと考えればわかりますが、二次創作も漫画のコマの転載も、それをいくらやってもこの仕組みが損なわれることには毛頭繋がりませんね。
二次創作はキャラクターや設定は原作に依存していたとしても、具体的な作画は二次創作者の技術によって制作されるのですし、漫画等の一コマ転載やコラも、元々それを描いた人が転載者とは別に存在することは明白です。
二次創作の評価は二次創作者の技術次第であり、それに基づいて正当な評価が下されます。また漫画の一コマの転載者の技術が評価されることなどありません。
繰り返しますが、イラスト生成AIに反対している人は、本質的には「AIイラストが氾濫することは技術がある人が評価される仕組みを壊すことになる」から反対しているのです。
「技術がある人が評価される仕組みを壊すことにはならない」二次創作や一コマ転載などは、まぁそれはそれで著作権とかその他の諸問題があるかもしれませんが、仮にそうだとしてもイラストAIが創作の世界にもたらした特有の影響とは根本的に全く別の問題なのです。イラスト生成AIの問題点は、トレパクのそれの方がまだ近いのです。
別の問題は別の議論で検討すべきことですし、この世のすべての問題に対して同じ熱量で向き合ってる人間なんてどこにもいません。それを求めて関係ない話題で相手を消耗させることを狙うのは、whataboutismという立派な詭弁なのです。
なので、イラストAIに反対している人が二次創作をしていたりネットミーム画像を使用しているからといって「お前だって二次創作(や一コマ転載)を〜反AIのダブスタが~」みたいにAI推進派が論難してくるのは、根本的なところを理解していない的外れな追及だと言えるのです。
的外れな追及は当然こちらの心に響かないし、ひたすらウザいだけなんですね。こちらが本当の意味で問題視している影響とは全く別の影響を与える(かもしれない)問題は、それを議論したい人同士がやればいいでしょう。