Orthumb39ビルドガイド
昨年作成した4行10列のいわば30%キーボードのOrthumb39のビルドガイドです。
この間天キーでお渡しした方、そして自分で基板を発注して組み立ててみたいという奇特な方向けのビルドガイドとなります。
そのため一部は省略させていただきます。
1.必要なもの
・トッププレート
・実装基板(以降基板と呼びます)
・ボトムプレート
・マイコンカバー
・ダイオード(1N4148 SMD)x39
・MXスイッチ用PCBソケット x39
・promicroもしくはRP2040 promicro x1
・コンスルーもしくはピンヘッダx2
・丸型M2スペーサー(7mm)x12
・M2ネジ(4mm)x24
・MXスイッチ x39
・MXスイッチ対応キーキャップ1U x39
・AZ1UBALL x1
・ピンソケット(FH-1x4SG/RH) x2
・ピンヘッダ (4ピン) x2
・タクトスイッチ x1(無くても可)
オプション
・WS2812B x11
・ミドルプレート(上下)x各1
・薄めのクッションシートなど
上記パーツは下記の店舗店頭もしくはwebショップ等から調達できると思います。
・遊舎工房さん
・TALPKEYBOARDさん
秋月電子通商さん
ヒロスギネットさん
必須のAZ1UBALLはパレットシステム よっぴ'さんのBOOTHで購入いただけます。
2.ファームウェアの書き込みと準備
promicro、RP2040 promicro共に対応しています。
以下は私の作業環境がwindowsのため同環境内での操作方法になります。
下記リポジトリからデータをクローン、もしくはダウンロードしてください。
・RP2040 promicroを利用する場合
RP2040 promicroにあるbootボタンを押しながらUSBケーブルを接続すると「RPI-RP2」という名前でUSBドライブとして認識されます。
そちらに先ほど手に入れたリポジトリ内のfirmware内の.uf2ファイルをコピーしてください。
自動的に再起動されてキーボードとして認識されます。
ファームウェアはvia対応のものとvial対応のものがありますのでremapを利用したい場合はvia対応のものを、vialを利用したい場合はvial用をご利用ください。
・promicroを利用する場合
サリチル酸さんの記事がわかりやすいためこちらを参照してください。
コンスルー等の取り付けは今回は省略させていただきます。
なおRP2040 promicroを利用する場合はUSB側の1ピンは開けて残りの12ピンを利用してください。
3.オプション(LED不要な場合は次へ)
おそらく今回の組み立てで一番大変な部分かと思います。
WS2812BはSK6812MINI-Eのように足がないためはんだ付けが慣れていないと少々難しく感じるかもしれません。ゆっくり行えば熱でLEDが痛むこともないので時間をかければきっと大丈夫です。とはいえ心配な方は余分に用意しておくと安心かと思います。
LEDには向きがあるので基板にあるマークと合わせます。
写真のような向きに取り付けてください。
すべてのLEDは同じ向きになっています。LEDの角が参画にへこんでいる部分が右下に来るように(縦棒があって直角になっているほう)取り付けます。
取り付ける際はまず一か所に予備はんだをしたうえではんだを溶かしているところにスライドするような形ではんだづけするとやりやすいかもしれません。
L1~11までありますが、そのうちL11のみ基板表側にあります。ソケット等のその他部品の実装前に取り付けを行うとはんだ付けの際にがたつきやすいため、L11だけは最後にはんだづけすることをお勧めします。
WS2812BのはんだづけについてはREVIUNGさんのREVIUNG41ビルドガイドがわかりやすいと思います(他力本願ですいません)のでよかったら読んでみてください。
私はこのREVIUNG41でLEDデビューし、苦労した思い出があります。
ただ出来上がったキーボードがめちゃくちゃかっこよくてこれがきっかけで本格的に自作キーボードにハマりました。今でも愛用しています。
LEDの取り付けが終わったら、もしくは最初の1つの取り付けが終わった段階で一度をマイコンを取り付けて通電させてみて、LEDが点灯すれば成功です。うまくつかない、動作がおかしい場合は該当のLEDもしくはその1つ前のLEDのはんだづけを確認してみてください。
4.ダイオードの取り付け
次にダイオードの取り付けを行います。
ダイオードはSMDタイプのため細かいです。向きに注意しながら取り付けてください。写真の向きが取り付け向きです。すべてのダイオードは同じ向きとなっています。
5.スイッチソケットの取り付け
次にスイッチソケットの取り付けを行います。
取り付け方法は省略させていただきます。
この時点でマイコンを取り付けて動作確認を行ってください。
反応しないキーなどがあればダイオードとソケットのはんだづけを確認してみてください。
6.表面のパーツ取り付け
LEDの取り付けを行っている方はこの時点でL11のはんだづけを行うといいと思います。
次にリセットスイッチ(つけなくても可)の取り付けを行ってください。
表面から差し込んで裏面からはんだづけしてください。
7.AZ1UBALL用ピンソケットの取り付け
AZ1UBALLはコンスルー対応のため、コンスルーを用いて基板に直接取り付けることも可能です。
しかしながら周りはキースイッチに囲まれているため、高さがないと操作が困難かと思います。
そのためできればピンソケットを用いて高さを出していただくことをお勧めします。
私は先に挙げた8㎜前後のピンソケットを用いていますが、cherryプロファイルであればツライチに近い高さになります。
ピンソケットは表面から差し込み裏面からはんだ付けしてください。
最初に一か所だけはんだづけして垂直かどうか確認し、その後はんだ付けをすると曲がることを防げるのではと思います。
もしくはピンソケットをピンヘッダーを取り付けたAZ1UBALLに取り付けた状態で差し込んでもらってもよいかもしれません。
ここまでくればはんだづけは終了です。フラックス等が基板に付着している場合はこの時点で落としておいてください。
きれいにしておくとボトムプレートにアクリルプレートを利用する場合に見栄えが良くなります。
お疲れさまでした。
8.組み立て
と言いたいところですがあと組み立てが残っています。
組み立ては簡単です。トッププレートにスペーサーをネジ止めしたうえで組上げていきます。
上から順番に
トッププレート
ミドルプレート(オプション)
基板
ミドルプレート(オプション)
ボトムプレート(アクリルorFR4どちらでも)
いたって普通のサンドイッチマウントです。
オプションは取り付けても取り付けなくてもかまいません。
組み上げたところでボトムプレート側からネジ止めして固定すれば完成です。
最後にAZ1UBALLを取り付けてください。取り付けは向きがあります。
SDAがマイコン側に来るように取り付けてください。
お好みでマイコンカバーも取り付けてください。
お疲れさまでした。
9.キーマップの設定
ファームウェア書き込み時はかなり適当なキーマップになっています。
via、remap、vial等を用いて変更してください。
via、remapは登録していないため、都度via.jsonファイルを読み込ませてください。
vialを利用する場合はそのまま利用いただけます。
終わり
以上Orthumb39のビルドガイドでした。
つたない説明にお付き合いいただきありがとうございました!
※ここからは天キーにてお渡しした方向けです。
お渡しした中にトッププレート下用の黒のアクリルプレートをミドルプレートとして同梱してあります。
こちらのプレートですが、elecrowにて注文したものですが、3㎜で注文したところ、実際は2.7㎜程度の厚みのようです。
したがってスイッチ下以下5㎜のうち
トッププレート1.6㎜
ミドルプレート2.7㎜
と0.7㎜程度隙間ができてしまう形です。
一応ガタガタと動くことはないかとは思いますが、打鍵中の振動があるかもしれませんので私は以下の対策を行っています。
とはいえ個体差(というより厚みが均一ではないのかもしれません)があるのでうまく勘合すれば以下は不要かもしれません。なお私が作った2台のうち1台は隙間がひどく、もう一台は部分部分で隙間がありました。
ただ一応つけると気持ち打鍵感が柔らかくなる(気がする)というメリットも。
TALPKEYBOARDさんや遊舎工房さんで販売されているクッションフォームを利用しています。
(リンクは少しだけ安いTALPKEYBOARDさんのもの)
また親指クラスタ部分のスイッチはTecsee Medium Switchの利用をお勧めします。通常のスイッチだと打鍵方法によっては邪魔になってしまう可能性があります。そのため少しでも高さを低くするためにTecsee Mediumの利用と、その部分だけ背の低いキーキャップを利用してもらうといいのかなと思います。
ご参考になれば幸いです。
その他何か不備がありましたら、遠慮なくご連絡いただければと思います。
(おそらくお渡しした基板のうち、側面をマジックで塗ってしまっているものがあるのではないかと思います。ホントすいません。)
この記事は私が設計したOrthumb39を使って書きました。と言いたいところですが、半分はお気に入りのSilver Bullet Requiemで書きました。