2023年ソーイングヒアー滞在製作日記
2023/6/7wed ——— 6.25 sun "sewinghere!" について
1.回収
リネンやコットン素材の古着古布ハギレを、来場者に寄付していただく籠が展示会場に設置されている。
2.縫製
展示会場に併設したアトリエにて、回収した素材をミシンで縫い合わせ、布のかけらをまた一枚の大きな布の作りなおす。
それを"永遠の布"と呼ぶ。
3.展示
滞在製作しながら、随時、縫い合わせた"永遠の布"を展示会場にて、全体を布で包み込むよう展示、販売を行う。
布の再生と循環、組み替えられ形の変容を表現する一連のインスタレーション施設としてノーウェアハジノサト使わせてもらっている。
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MMM MADE辻岡 @mmm_made_m.tsujioka
滞在製作&ポジャギ 展示販売 Sewing here!
ノーウェアハジノサト @nowherehajinosato
10-20h (月火休)
大阪府藤井寺市国府1丁目1-7 里庭の箱
近鉄南大阪線「土師ノ里」駅徒歩1分 🅿︎無し
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ソーイングヒアー滞在製作日記
2023.6.7(水)
朝イチ(と言っても10時過ぎ)台湾茶できめて、昨夜のポジャギの続きにとりかかる。
たもさんが焼き菓子にシール貼りしている横でミシン。
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お昼にランチにきていたマダムたちが展示を見に2階に上がって来てくださる。
今回パターンを置いて、その型紙を使った商品を全部カゴにいれるという商品まったく見えないスタイルなのですけど、
掘り起こして試着してもらえ、商品見えないのさすがに…と思ったが、要らぬ危惧でした◎
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ネスト柏原でしている、HUBPUBで沖縄料理の会のホストの方が来る。
沖縄といえばやはり黒糖みたい。
もずくの入った醤油みたいなん、どんな味かな(太陽、という社名)たしか商品名、ばんない、って名前だった
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パワーワード、
「ミシンってフォトジェニック」
日没前に"古墳休憩"
コフン休憩もパワーワード。
古室山〜鍋塚のコース。
美しい。もう何もいらないやんというくらい。草と土と花と樹木と。
気づいてなかったブラシの木(ネムノキ?)みたいなのを発見。
ヒルザキ月見草だか赤花夕化粧だったかどっちだったか。
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展示が完成した、と思いきや、
いやいやまだまだ微調整でパソコン作業。
紙タグを全てはずし、ギャラリーコーナーの簡略図をつくる。
展示販売会としたらめちゃくちゃゆったりまったりな1日目でした。
はじめての試みは時間かかるし、これであってんのか?ってなるけれど、
試みてる自体で大成功(と思うしかないよね〜
2023.6.9(金)
滞在製作2日目
本日は(も?)昼前に社長出勤。
白いシャツが回収籠にあり、喜ぶ。
ナカガワクチガネさんが来て、トークが弾む。長野のクラフトフェアの話など。
作家業とは、いやはや。
そして古着のリネンシャツを寄付していただく。
入り口すぐのギャラリーは布が垂れ下がっていて、キッチン&レジに声かけするには避けなくてはならず、
布をかわすように進むお客様や郵便局のひとを見てフフフとおもう。
ポジャギ製作のインスタライブを試みるが、携帯がミシンの振動で揺れるは倒れるわでさすがにアーカイブには残さず。
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おやつはいただいた3時のクッキー。
晩御飯はカフェのビーフストロガノフにする。
言わずもがな美味しい。
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自主企画の展示は作家として、これから10年の種まきみたいな感じ。
去年も同じことを言っていたような〜、蒔くだけで終わらないようにしたい。
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2023.6.10(土)
駅に着いてから、鍋塚古墳で一旦寝そべって、営業開始の10時にノーウェアハジノサトに出勤。
コーヒーを淹れてミシンスタート。
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マーシー&チアキさん
画家の高田ミユキさん
はないっちゃんのいちいみきさん
などなど、
見知った顔のお客様がちらほら2階奥アトリエに上がって来てくださる。
ひとの作業風景を見るのは楽しいですね、という話になり、滞在製作やって良かったかも、となる。
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スタッフの皆さまの白いブラウスやシャツの寄付がある。
嬉しい。素材があるという喜び。
可愛らしい刺繍入り、羽が飛んでる新しいポジャギができる(追加したから見てってね)
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2023.6.14(水)
#ソーイングヒアー2023滞在製作日記
午前、道明寺駅で降りてcoccoyaでパン、歩いてハジノサトに出勤。
2階奥アトリエ部屋にて、完成間近のポジャギの続きを縫う。
縫い上がって、糸切り。階段を登った窓辺に配置する。
昼の光、風で布がそよいできれい。
誰かの手を介し組み替えられ存在の仕方が変わる。美しい形になるのなら、布のかけらに勿体を見出したい。
一瞬ザッと雨が降りすぐ上がった。
今日はシズカゴハンの出張アペロの日。
しずかさん到着。
ボーメさんにアペロと日本酒サングリアを分けてもらう。
ノーウェア界隈の皆さまとスタッフさん、
作家の皆様と、ゆかりあるギャラリーやお店の方。飛び込んでくださったお客さまで、
ゆるく混ざり合う店内。
…
今いちばんオススメの芸人は?と問われ、しばし悩み白桃ピーチよぴぴ、と答える。
我ながらもっと正統派を推した方が良い気がするな。
…
今回上半期のDMのイメージイラストを描いてくれたいちろうくんが来て諸々褒めていただき嬉しくなる。
作品を誰に見せたいとかはあまりないけれど関わってくれた人が良きものであると認識してくれてやっと成立する気がしている。
この展示期間がいよいよ貴重なものに思えてならない。
トピックを上げようとすると多くて書ききれなそう。
食の二大巨頭、さちこさんとしずかさんがキッチンに立っている画を見れて、なんだか良いものを拝んだ心持ちになった。
よい宴をありがとうございました。
自転車を借りて帰る。
湿度を伴うしっとり夜道にクチナシの甘い匂い。
6月がやっぱり好きと再認識する
2023.6.15(木)
セブンでサラダチキンを買い、持ってきた食パンで即席サンドイッチ。
蒸し暑いけどバカンス(ノーウェア2階奥の小部屋のこと)、窓を開けるとめちゃくちゃ風が抜ける。
小さめ80角くらいのポジャギが2枚縫えた。さっそく軒先に飾る。旗のよう。
屋内にもタグをつけて1枚足す。
きのう寄付していただいたスカートが生成りと思ったら、うすーいピンク色に見え、縫いながらハッとする。
白い布が爆発気味な籠がなんだか格好良く見えて写真におさめた。
今日のトピック。
近所の小さいお子さんが来て、布の間を走り回っては、たいそう楽しそうにしていた。
そうそう、必要なのはこの感じ。
2023.6.17(土)
寄付いただいたハギレや古着、いろんな白い布を見ていると微細な違いに敏感になる。
白色の奥行き。
「白って200色あるねん」と脳内でアンミカが囁く。
滞在中に追加製作した、ポジャギ作品の半数は即日お持ち帰りいただけます。一部は会期終了後です。
めちゃくちゃ晴れ。暑いくらい。
いよいよクーラーを入れる。
ポジャギ製作スタート。80cm角くらいまでのは、約半日くらいかけて1枚できる。
12時過ぎ、作業風景のインスタライブ開始。
やっとアーカイブに残すのに成功した。
お弁当はタッパーにチャーハンを入れてきたやつ。
ノーウェアのチャリを借りて国府遺跡まで。
大きな木がなんともきれい。立派である。
原っぱの遠くで子供が野球をしていた。
タイムスリップしたみたいな気持ちになるのは、土地が古いからかな。
旧石器時代とかなんとか(歴史に詳しくはわからないけれど心地よい場所ですよ)
夏の日差し。
試作です、とチェリータルト。美味しい。
夜は持ってきたサンドイッチ。
床板の隙間に挟まる糸屑をリッパーの後ろで掘り起こす(たっぷり取れるとなんだか爽快で熱中)
ポジャギ製作は布が散らかりまくるので、ミシン→アイロン→糸切り→ホウキで掃くの無限ループ
2023.6.18(日)
あじさいの布花を気に入ってくださったお客さまに、ワイヤーをぷちんと切って一房持ち帰っていただく。
カフェにきた若者がダンスダンスダンスを読んでいて、
自分もあなたと同じ歳くらいで何度も読み込みましたと告げる。
片腕詩人のディックノース、ドルフィンホテル。ゆっくり進むエレベーター。
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辻岡さん(まさかの同氏)とおにきさんと界隈の遺跡や古墳や歴史の話。詳しく無いからこそ、聞くと面白い。
なんとなく通り過ぎていた古墳や神社の歴史的背景や名前を人から聞くのは、野花の名やなりたちを誰かから教えてもらうのに似ている。
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赤と白のしましまのバンビはシマウマではないか?(CHARAの曲について)
キッチンでの会話はコントみたい。
つい先日fuyafuyaで引いたおみくじ的な、モリーナの書を、壁に貼ってみた。左右対称の文字列に美意識をかんじる。
「べつのしかたでたちなおる」
滞在製作と展覧会としては大成功なんですが、販売会としてはなかなかどうしてなので、うっかり沁みてしまう。たおれとんのかいワシは。
自分にとって、インスタグラムは記憶の外部化かもしれないと思った。写真は視覚情報の記憶で。
(これ、一応ビジネスアカウントなのだけれど)
夜は貸し切りの来客でワイワイしていた。
いちばん忙しい時であろう時間、夕陽を布の背景に写真を撮りたくて無理を言いスタッフのまむちゃんーいや、まむさんーに鍋塚古墳での撮影を手伝ってもらう。
団体のお客さま、宴もたけなわ。
レストランのこのワイワイしてる時間好きなんですとさちこさんが言う。
ノーウェアの松川夫妻はおふたりともスーパー働き者で、頭上がりそうにない。
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展示販売もあと数日で閉幕です。
2023.6.24(土)
寝そべりたい、とお声があって、いいですねーと、交代ごうたいで、床に布を敷いて寝そべってみる。
ゆらゆらポジャギ—永遠の布—が揺れてほんのり床が冷たい。
お客さまのこんなkindnessな場所があるんですね、というワードが残る。
カインドネスは、ノーウェアの松川夫妻によるものが大きい。
MM辻岡の展示による、カフェやワークスペースの乗っ取りに、YES!と言っていただけるのもそれゆえでしょう。
ご来場いただく方々との会話は楽しい。
スタッフの皆さまとのお話も。
簡易移設したアトリエ部屋をやんわり片付けながら、卒業するみたいな気持ちになった。
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最終日は18時までの在店となります(営業は20時まで)
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SNSはすごい速度で更新されてどんどん流れていってしまう。なのに、だから?、たくさん投稿してしまうのはなぜかと言うと伝えたいからです。
肉声に近い文章。
永遠の布で包み込むのは、ぼく個人の、場所と人へ向けた愛情表現なので、言葉を残しています。
そう考えると、なんて暑苦しい展示なんだろう。
愛でもくらえ!だなぁ
2023.6.26(日)
#ソーイングヒアー2023滞在製作日記
風を浴びてゆらゆら動く布は眠気を誘うのか、滞在中はなんだか度々眠くなった。
さちこさんもそう言うので、催眠効果のある空間だったのか。
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よくねむる展があるといい。
ブランケット、マット、まくら、パジャマ、ナイトキャップ、眠りを誘う香り、眠りやすい飲み物、睡眠のためのライブ音楽etc
草の線ではなく星を描いてもらうのもいいねというアイデアも生まれた。
楽器を弾いていていちばんの楽しさはなんですかと訊いたら、
年齢性別国籍関係なく知らない人とでも演奏でコミュニケーションが取れるからと言った
自分の楽器はミシンかもと思う、裁ちばさみも縫い針も。
プレイトロニカという、野菜や果物に配線をつないで音出せる電子楽器について(まだ鳴らせていないけれど)
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陶芸の先生が来て、針灸の人が来て、文房具とベーグルの人が来て、シュッとしたミュージシャンが来て、芸大生が来て、カオナシみたいな人も来た
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SNSやスマートフォンやオンラインのデザイン、
画面の動き方や中身の構成そのものが、人力で作られていることをこの場所で初めて実感した、
コワーキングはパソコン仕事のプログラマーが出入りしたり滞在するので
ネットの世界はいくつもチャンネルがあって現実とほんのりリンクしながら並走している
いろんな人の仕事の在り方を知らずともなんとなくわかっていける場所としてコワーキングがあるなら、
どんな世代の人も訪れる価値はあるんだろうな
年若い方が来て布を面白がってくれ、聞き上手な方で、うっかり長話。
自分の20代ってどんなだったっけ。まぁまぁ薄暗かったので、こんなトンチンカンですっとこどっこいなのに、だから?フフフと笑い続けていられる日々があるとは想像できなかった。
スタッフを含むノーウェアを行き来する学生さんや若い人たちは、
それぞれがそれぞれの形で何かしらのクリエイティブ(生存)に取り組んでいるようにみえる。
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パクチーとバジルの苗をもらう。
カインドネスな場所は若い人にも赤子にも優しい。きっとおじさんおばさんにも。
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たとえば30年なんてあっという間だという
面白がれる人は優しいひとだとパートナーが言った
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最終日だというのに、ビスケットブラザーズの単独を観にNGKへと、早めにノーウェアを出る
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