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【卒研進捗:みかみ】「ごちそうさまカード」と「ごちそうさまブローチ」【後編】
みかみと申します。
2度にわたって、ゆる〜く卒研関係で洞爺湖に行ってきたので、その経緯と、そこで感じたことをメモする意味も含め、このnoteをしたためています。後編です。
コバンザメのごとく、洞爺湖行ってきた
はい!今まで前編でした!ここから本編なんだがな?!
そんな理由と経緯で、洞爺湖に焦点を当てた卒業研究を考えている同じゼミの男が先生と洞爺湖いくで🎶というので、オ!じゃ私もついてくか!と、洞爺湖に訪れました。あとでもまた説明が入るのですが、結局洞爺湖には2度訪問して、1度目は5/27(金)、2度目は6/11(土)でした。
まず1度目の訪問の時についてですが、軽い気持ちで同乗したらどうやらたまたま強風雨がせまって来てたみたいで、シャワー室の如くビッショビショになりながら洞爺湖周辺を散策しました。
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おかげで、これ以降どんな雨風を浴びても「この時と比べたら大したことねえ…」と思えるようになれました。強い精神とはこのように作られるんだと実感しました。押忍!
1度目の洞爺湖訪問で私がやったことは主に3つです。
洞爺湖周辺を気軽な気持ちで探索し、そこで感じたことを省察メモ
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見事に雨だったのでノートがびしょびしょになるなどしましたが、洞爺湖なんかいいな〜という気持ちは持って帰れるくらいの自然の雄大さがありました。
洞爺湖芸術館の学芸員の方(以下Mさん)に紹介していただいた美味しいご飯屋さんで昼食
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みかみはもう正直ここの記憶しか残っていないです。「MITTSU」さんというカフェ&バーのお店でいただきました。中でも「豆腐の油淋鶏」「長芋と大葉の春巻き」は本当に美味しくて、「これなんとかお家でも作れないかな…!?」と、食べた感じで材料これ?と思ったものをメモするなどしていました。
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Mさんに洞爺湖芸術館内を案内していただく
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お昼ご飯の後は洞爺湖美術館に移動し、洞爺湖を望める素敵な館内で、Mさんに常設展や企画展を案内していただきました。一通り展示を見た後、休憩スペースの一角をお借りして、今日を振り返りつつ各々の制作や思考を以て作業して過ごしました。
1度目の洞爺湖訪問で気づいたこと
気づいたことは2つです。
私はやっぱり美味しいご飯を食べるのが好き。美味しいものを食べると、純粋な気持ちが湧き上がってくる。
美味しいご飯を食べると、全身で美味しいという気持ちになるな〜改めて感じました。私の場合かも知れませんが、美味しいものを食べると脳がジャックされて、他のことがどうでも良くなります。目の前の美味しいご飯と私だけの、外界から切り離された個別世界が出来上がるようなイメージさえ湧きます。
この時「なんで美味しいものを食べるのが好きなのか?」の自分なりの答えが出た気がします。それは「極限に純粋な想いが湧き上がるから」だと思います。
食事は主に自分のための行為であって、食事時の「私」と「ご飯」の関係性は外部や他人からの影響を受けにくく、ただ「食べる」ー「食べられる」というシンプルなものだと思います。シンプルゆえに私は「食べる」という行為に没頭でき、それによって受け取った美味しさに、心からの嬉しさと、提供してもらった人に対してこんな美味しいもの食べさせていただいてありがとうございます、という感謝を感じるんだと思います。
みんなが「よく生きる」「よい状態」を目指しているかはわからないけど、大半の人間にとっての関心ごとになりうるのではないだろうか。
MITTSUさんでご飯を食べながら、私は先生の呼びかけで、Mさんに卒研(よく生きるとはよい状態とはなんだろうを考えてます〜というように)について話させていただきました。その際Mさんは(突然重い話題を振る私に多少戸惑っていらっしゃったような気はするが)自分の考える「よく生きる」「よい状態」について話してくれました。
この時、そういえば合同ゼミの時も、同級生のみんなが「よく生きる」「よい状態」についてなんらかの言及をしようとしてくれていた(実際してくれた)し、なんなら簡単な議論も生まれていたな〜ということを思い出しました。
私は日頃生きている中で「よく生きたい、立派に生きたい、よりよい自分でありたい」と考えている節があったんですが、周囲はそれに関して深く考えずにいるかもしれないし、私がそんなことを日々考えてることが知れたら引かれてしまうかもしれないという可能性を考えて、あえて口には出さずにおりました。
しかし今回「卒研」という名目で周囲の人々に問いをポツリとこぼすことで、自分が思っていたより、みんなも「よく生きる」「よい状態」というキーワードに関してなんらかの想いがあるんだと実感することができました。(まだ2回しか経験していないから断定するのは怖いけど)
みんな生きていることに当事者だから、当たり前といえば当たり前なのかも知れなけど、みんなの「答えのない問い」に対する姿勢が、それが強い言葉であってもフワッとした言葉であっても、それぞれの生きた経験から漏れ出した誠実な気持ちなんだと感じ、それに触れることができたのが感動でした。
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「美味しかったな〜」を形にしてみた
1度目の洞爺湖から帰宅し、その半月後、同じゼミ生の影響で再び洞爺湖を訪れる機会が発生しました。案の定「オ!そしたらついてくか🎶」の気持ちでついていくことにしたのですが、以上の気づきをもとに、私は何ができるかな〜〜と考え、思いついたのが以下でした。
「MITTSU」さんに「美味しかったです!ご馳走様です!」という気持ちを表す何かを持っていきたい!
この、美味しい!の気持ちから湧き上がった純粋な気持ちをもとに何かを制作し、それをお返しすることで、私の気持ちと、受け取っていただく方の気持ちに、何かいい循環が起こるんじゃないかな…という希望を持って、下のような「ご馳走様でしたカード(仮)」をこしらえました。
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Q.何か作るにしてもなんでカード作ったん?
A.なんでデジタル素材じゃないのかってところに関しては、シンプルにこのかすれや色の偏りが自然に出るアナログな雰囲気が好きなのと、
あと個人的に、札幌開催のポストカード展示・販売イベント「+P17」に向けて何かポストカードを作りたいという気持ちがあったことと、
このカードは私がプレゼミで制作した「市電の風景と思い出を切り取って持ち運べるブローチ」と同じような手法(消しゴムはんこ)で作られているので(以下写真参照)、道具としての意味や役割・作り方の系譜を継いでいるのと、
お店の方に渡すなら、ブローチみたいに持ち運べるんじゃなくてお店に置けるようなものがいいなというか、身につけて常に目に入るようなものよりも、特定の場所で(特定の条件下で)目に入る方が、思い出と場所の結びつきが強くていいな〜と思ったからです。
我ながら結構可愛いんじゃないかと思います。いやでも今見るともうちょっと発色強い方がかわいいし、なんならレジンでぷっくりさせたほうがやっぱいいな〜〜〜。次回の課題です。
【ごちそうさまカードこだわりポイント】※メモなので読まなくても支障ないです
まず、カードは木を使用しました。最初は厚手の紙にハンコを押してポストカードにしよう!と思っていたのですが、たまたま「木のはがき」が売っているのを見つけたときに、MITTSUさんでご飯を食べた時のテーブルは木目が綺麗だったことを思い出し、使うことを決めました。(どうせなら洞爺湖に馴染みのある木材を選びたいと思い、さくらの木のはがきを購入しました)
カードの左右両端にある黄色のリボンは、MITTSUさんで食事をとった時にお店の方にいただいたものです。お店の中には素敵な手芸用品や絵本など、きっとお店の方のご趣味なんだろうな〜というものが置いてあって、その中にあったカットリボンを「ご自由にどうぞ」ということでいただいてきて、それをカードに使うことで、なんか…伏線回収のような演出をできた気がします。
消しゴムはんこは一つひとつ手作りして切り出しました。チェック柄も消しゴムはんこで作っています。黄色の円状のものはフェルトです。
材料はさくらの木のはがき、消しゴムはんこ、はんこのインク、フェルトなど…。道具はカッター板、彫刻刀など。制作時間は全て合わせて4〜5時間ほど。
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今度は目的があって、洞爺湖行ってきた
2度目の訪問当日は、1度目とは打って変わってめちゃめちゃ晴れていました(道中はすごい微妙な天気だったんですが、だんだん快晴に向かってくれました)。そのためか、1度目の訪問では一切見なかった観光客やお子さん連れの方々が洞爺湖周辺を歩いていました。だってそりゃ大雨だったからね…。
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「つながる市」というイベント旗をなびかせた洞爺湖芸術館に到着し、同級生が持ち込んだ洞爺湖ワークショップをセッティングし、私はそれを微妙に手伝いながら午前を過ごしていました。(彼のワークショップの記録はこちらです)
そうしていたら、お昼にはMITTSUさんのお弁当が…!!!!! 事前にMさんがお弁当の手配をしてくださって既に芸術館に届いていて、お金を払うだけでその場でもらって食べることができました。
美味しかった。特にお弁当左下にあった、カブとベーコンの香辛料炒め(過去に火鍋を食べたときの独特の香りと同じ味がしたので、漢方っぽいのを使ってるんだろうなあ)が好きでした。右上の人参は、レーズンが添えてあってびっくりしたけど、美味しい。お弁当特有の「ハズレのおかず」がひとつもない。どれも美味しい…。
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MITTSUさんの店員さん優しかったな
で、私はこの「お弁当も美味しかったです」という感想も兼ねて、洞爺湖に来た一番の目的を果たすべくMITTSUさんに「ごちそうさまでしたカード」を持って向かいました。忙しいところだったら申し訳ないな〜とか、一度きりの客がいきなり訪問してカードまで持ってきて、びっくりさせてしまうだろうな〜〜とか色々考えつつ、洞爺湖芸術館から徒歩5分なので簡単に着いてしまいました。
店員さんになるべく恐怖を与えてしまわないよう、「卒研で…大学の4年で…前回一度ご飯いただいていたんですけど…」と話していたら、「覚えてるよ!」と言ってくれて、ニコニコの笑顔でカード(封筒に入れて渡しました)を受け取ってくださいました。
「開けていい?」と言って開けてくれて、さくらの木のはがきのこととか、お店でいただいたリボンのこととかの話もうんうんと聞いてくれて、「かわいい〜!」「ありがとう!お店に飾るね」と笑ってくれました。「良かったらまたきてね、待ってるね」とまで言ってくれて、
結構私の方が呆然としながら芸術館の方に戻っている間、私は「あ…!なんかすごい優しくしてもらった!」と感動しました。
2度目の洞爺湖訪問で気づいたこと
これに関しては、箇条書きで書こうと思ってもちょっと難しかったので、思いついただけざっくばらんに書きます、
今の気持ちとしては、「あ、またお店にご飯食べに行きたいな…」です。私の作ったカードをお店に飾ってくれているところ(建前で言ってくれただけかもしれないけど)も見に行きたいし、また訪問した時のご飯も楽しみだし、お店の人ももしかしたら、その時まで私のこと覚えてくれてるかもしれないから、ちょっと期待してまた食べに行きたい気持ちがあります。
私、今回で小学生ぶりぐらいに洞爺湖に行ったんですけど、そうとは思えないほど、日帰りのたった2度の訪問で「ここにまたふらっと来てもいいんだな」感を得ました。晴れた日の洞爺湖綺麗だったし、MITTSUさんに行く道路で気づいたんですが、住宅街ぽいところには全然歩道がなくて、人間と車両の交通の境が全然ないのがなんかいいなと思ったし。
すんごい大袈裟に言いますけど、自分の居場所が広がったような気がします。
私の中から純粋に湧き出た気持ちに素直に従って、「そこまでやるのってキモくない?」「なんか恥ずかしくない?」「微妙な顔されたらどうする?困らせない?」という自己の制止を掻い潜って、結局物作りが好き [というか、それを受け取った人の喜びに少しもノイズ(ここほつれてる、ここ中途半端だな、この表現微妙だな、でも人からもらったんだから喜んでおくか…みたいなやつ)が混じらないでほしい、やるなら喜び以外の余地がないようなものを作りたい] だから、寝る間を惜しんでなるべくかわいく、私の気持ちを乗せたカードを作る。
私は「周囲から見られる自分」を結構気にする方だし、「周囲から見られる自分」というものに全部筋を通したいし、基本あんまり注目されたくないし、よく見られたいし、こんな、自分がどう思われるかかなり不安になることなんて今まで積極的にやってこなかったんですよね。
それを自分で企画してどんなの作ろうか考えて最後までやってしまって、最終的に「また来てね」って言ってもらえるのは、自分にとってはずっとドキドキものというか、私恋愛したことないんですけど、ラブレター渡すのってこんな感じ?と思いました。
今も、お店にきっと私のカードを飾ってくれてるんだろうな〜と思うと、MITTSUさんのことが気になるし、自然と「元気でやってるのかな」みたいな気持ちになるし、そういう意味で、自分の居場所が広がるというか、自分の分身が洞爺湖のMITTSUさんのところにもいるみたいな気持ちになりました。
これは、もしかしたら初めて、自分で用意した「やりがい」(他人が用意してくれた「やりがい」は多分享受したことがあるのですが)とかの実感を得ることができそうな予感がするなと、ちょっと怯えつつ驚いています。すごいな。同時に怖いな。
次やることの展望
次は、MITTSUさんのお弁当をブローチにしたいなと考えています。下の写真は私がプレゼミで制作した「市電の風景と思い出を切り取って持ち運べるブローチ」というコンセプトの、お弁当ブローチです。市電周辺をぶらぶらしていた時に見つけたお弁当屋さんで注文して食べたイカエビフライ弁当をブローチにしたやつなんですが、これと同じようなのを作って楽しみたいです。
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ブローチの他にも、ポストカードとかも消しゴムハンコで作ってみたいし、なんなら消しゴムはんこで私が表現したヴィジュアルと、その裏にお店の情報とかを掲載してあるようなポストカードを、いろんなところに持っていったり販売したりしてみたいです。それで得た売上を使って、またお店に食べに行ったり…。
全部「許可をもらえたら」の話なんで、何も進んでないやんけと言われてしまえばそれはそうなのですが…
あ あと、このあたりの記録をtwitterとかでも面白おかしく更新したいですね。きっと楽しいだろうから。なんか自分が楽しかったら周りにも楽しい思いしてほしいんですよね。多分、絶対、大変ですが…。
長かったよ〜〜これにて後編おしまいです。
今後も卒研頑張ります。