なんの魔法の力もないけれど、なにかの役に立つかもしれない~ヘアドネーションした話~
ひとつ前の記事の続きです。
ディズニー版の髪長姫ラプンツェルは映画のラストで長く輝く魔法の髪をばっさりと切ります。(ネタバレ)
なので(?)、切りました。10月末のことです。
ラプンツェルの髪は魔女ゴーテルの若さを保ち、ユージーンやラプンツェルの命を救います。一方で私の長く伸ばした髪は魔法の力を持つどころか不幸の象徴として長い間肩にのしかかり続けてきました。
ラプンツェルの髪はユージーンが彼女の夢を守るために、自らの命と引き換えに切ります。一方で私の髪は長い間抱え込んできた夢を手放すために切りました。
髪を切ってから1か月ちょい。オーストラリアへのワーホリは正式にキャンセルしました。新しくバイトも始めました。就職を意識して情報を集め始めました。次の夢みたいなのはまだ見つかっていないけど、とりあえずは恙なく日々を過ごしています。
これだけ切りました。
ラプンツェルの魔法の髪は切った時点で魔法の力を失ってしまうが、初めから何の力もない不幸の髪はなにかの役には立たないだろうか。ずっと前から気になっていたものがあります。それはヘアドネーション。
ヘアドネーションとは、ざっくりというと病気等の理由により髪の毛を失ってしまった方のための医療用ウイッグを作るために髪を寄付する活動のことである。ご興味のある方は各自お手元の端末で検索してください。
・ヘアドネーション
私は今回JHD&C(ジャパンヘアドネーション&チャリティ)という団体に寄付しました。医療用ウィッグを必要としている子供たちに無償で届けている団体です。
「ヘアドネーション」と検索すると何故かサジェストに「意味ない」と出るのですが、やらない善よりやる偽善、国内にメジャーなヘアドネーション団体が3つも存在するためある程度の需要があると信じています。私同様、長い髪を持て余している方の背中を押すきっかけになればうれしいです。以下は、完全に私の体験に沿ってヘアドネーションの手順を記します。
・美容院予約
「ヘアドネーション賛同サロン」のお店があるようですが、私は普通に普通の美容院を予約しました。ホットペッパービューティで、予算と立地と口コミとを見ながら。オンライン予約の時に備考欄のところに「ヘアドネーションしたいので、束にして切ってください。」と添えました。
・美容院に行く
初めてのお店だったので、ちょっと迷いました(どうでもいい)。時間ギリギリになったんですが。普通に案内されて普通に席について、「どんな感じにしましょうか~」にみたいな会話をしました。
・切ります!!!
ヘアドネーションは髪の毛が完全に乾いた状態でないといけないので、シャンプーの前に切ります。まず。髪をいくつかの束にしてゴムで括ってもらいます。美容師のお兄さんが「自分で切ってみますか~?」って声をかけてくれたので、己の髪を己で切ります。美容師さん用のハサミ初めて触った。めっちゃよく切れる。ただあまりにもへたくそで断面ガッタガタになったので、初めの一束以外はきれいに切ってもらいました。気分は出家です。おんな城主直虎です。なんとも言えない気分です。あらゆる未練を断つために出家する気持ちめっちゃわかる。
・あとは普通に
そのあとは、普通の美容院の流れですね。シャンプーして(頭めっちゃ軽!!)、乾かして(乾くの早っ!!)、毛先整えて、染めて、美容師さんと他愛もない会話をして、、、って流れです。特筆することはないでしょう。
会計して、切った毛束をビニール袋に入れてもらいました。重い。くそ重い。え、ラプンツェルってこれの何倍も長いのぶら下げてたの??首の筋肉やべえな?って思いました。自分の肩が軽さに慣れなくて変に力はいっちゃって、肩凝ります。肩は凝るけど気分は軽いです。分離した自分の分身、不幸の髪は手元のビニール袋に収まり、秋の風に揺れている。不気味な人毛を抱えて帰宅しました。
・発送
美容院から持ち帰った髪は
自分でいうのもなんですが、まあまあ綺麗な髪だと思います。
長さはなんと60センチ!!(画像はインスタのストーリーにのせたもの)重いんです。重さは測ってないですが、1キロ超えてたんじゃないかと思います。郵便局でレターパックライトを買ってきました。
JHD&Cの発送手順に従って以下のものを同封しました。
・毛束
・ドナーカード(ウェブサイトからダウンロードできます)
・返信用封筒(82円切手貼付、宛先に自分の住所を記入)
そしてポストにポンです!さよなら不幸の髪よ。
・1か月後
JHD&Cさんから封書が届きました。中身はこちら。
私の髪は無事に届いたようです。
陰陽五行思想に基づくと、ケガレは転じてハレになるので、不幸の髪も流転先で幸運のウィッグになることを願います。
髪を切ってから約1か月、すでに伸びてきてもさっとしてきたのですが、またしばらく伸ばして、次回もヘアドネーションできるくらいまで育てていけたらいいなと思っています。