その日にしか、その本を読めないとしたら何を選んでどこまで読むか #01
本が好きだ。
最近はアルバイトの繁忙期でなかなか本を読めていなかった。文字を読んでも私の頭の中で本の文字が散逸していった。
人生で読める本は限りがあるなと感じていて、読みたい本を読んでいかないと、その時期に流行っている本など決して読みやしなかった。
本は無限の可能性があって、吸収できることしかない。
今の私には吸収が圧倒的に足りないし、必要な言葉が多すぎるくらいだ。
そのような経緯から、その日にしか、その本を読めないとしたら、どんな本を選んで、どのような本の読み方をするのだろうと思った。
もしかしたら、あらすじや本の後ろにある誰かの考察を読むだけかもしれない。時間は限られているから。
それでも何か自分の人生には意味のあることのように感じられた。幸い、会社帰りに駅前の大きな書店があるから、毎日本を1冊選んで読んでみようと思う。
最初は慎重に大事に選ぶかもしれないし、アルバイトで疲れて帰ってきたら適当に選ぶ日もあるかもしれない。けれど、その中でも人生を変える本に出会いはあるかもしれない。
今日は土曜日。アルバイトがお休みである。うつ病の私にとって一番心落ち着く時間のゆとりの中で駅前の書店へフラッと立ち寄った。
書店へ入ってすぐに目に止まった本があった。それにした。
最果タヒさん 「コンプレックスプリズム」 大和書房
正直、憙江さんの表紙のイラストに惹かれた。Twitter上で何度か見かけており、個性的なタッチで好みのイラストだったからだ。
最果タヒさん自体、全然知らない方だったが、本の後ろに掲載されている作者のプロフィールを読んでみた。いくつもの賞をとっていて詩人のようだった。
年齢は5歳も年上だ。
正直、40ページまで読んで若いなと感じる。
よく昔の頃の感情をそのままに書き出せるなぁと思った。私にも幼少期や青春期に屈折したものを感じ、いろんな想いをいだいてきたが今、ここにむきだしの感情を言葉にして表現できるほどの記憶は残っていない。
それにくらべて最果タヒさんはすごい。特に青春期に感じていた「天才だとおもっていた」というフレーズには強く納得した。
他にも私が昔抱いていた疑問や不満を埋めるかのように文章が書かれていて非常に読みやすい。
個性を持ちたかったけど、その個性を個性的とは決していわれたくなかった、あの頃に戻れた気がした。
初っ端から最良の本を選んでしまったのかもしれない。
書店で本ランキングで最果タヒさんの別の本が並んでいたから、そちらも気になっている。
今日は40ページしか読めなかったが、後日時間があれば読み進めていこうと思うくらい読んでて心地よかったり、当時の記憶を思い出させて闘争心に変えてくれる本だから。