その日にしか、その本を読めないとしたら何を選んでどこまで読むか #12
今年の桜はなんだかかわいそうだ。
夜道、散歩する。
今、コロナの影響で散歩というだけでNGかもしれない。
けれど、家に引きこもっていると息が詰まりそうになる。
テレビをつけても嫌でも入ってくる情報の波。
何も考えずぼーっとしたいけど、コロナのせいで亡くなった志村けんさんを思うと怖くなるし、自分の親兄弟も心配になってくる。自分だっていつ死ぬかわからない。怖い、ただひたすらに怖いのだ。
ずっと情緒不安定で幸せと思うことがなくなった。
何かをしていても、頭の片隅にコロナの不安がある。
いてもったってもいれず、夜になってから散歩をした。
本を買ったり、買う場所も限られているし、店自体も閉まっていることもある。大好きな本屋さんが当たり前のようにいけない世界。
どうなってしまうんだろうという不安。
ただ漠然と恐怖が広がる。
そんな中、近所の桜が満開で散り始めていた。
今年の桜は見てもらえなかったんだなぁとしんみりした。
去年の桜先輩にお前たちも来年はいい花さかせろよ!きっと皆んな見てくれるよ!なんてアドバイスをもらって咲いた今年の桜。
びっくりしているに違いない。
まったく人がこないんだから。
桜の名所と言われる場所では人もたえなかった。
夜になっても、人は集まってきてたし、皆んな夜空に広がる桜を見上げていた。
そんな光景が当たり前じゃなくなった今、本当に落ち込む。
無力で何もできない自分が情けないし、動けない。
だから、いつもの日常をほのぼの描いたこの本にした。
三浦しをんさん 「のっけから失礼します」 集英社
コロナの脅威に晒されてない世の中がどんだけ幸せだったか。
なにもできないけど、この本を読むと少し落ち着いた。
何年かして振り返ったとき、あんな悲しい桜の時期もあったけど今幸せだよねってチューハイ片手にプルーム・テックすいたい。一刻も早く収束してほしい。