人は変わるか

長く生きていると それなりの数の人に逢う

学生時代に同じクラスだというだけで
一緒に時間を過ごした

50を過ぎると同窓会が増えてくる
噂に聞いてはいたけれど
実際 本当に増えてきた

懐かしさとは裏腹の
怖いもの見たさのような気持ちで
同窓会に参加した

同じ歳というには あまりにも
バリエーションが多くて

学生時代という花火の玉の中にいた私達は
空で大きく弾けたのだと思った

そして みんな 変わったのだろうか?

40年ぶりに逢う人もいて
外見はそれぞれだけれど

驚くくらい あの頃のままの会話だ

一人一人 紆余曲折もあって
人生いろいろだったろうに

本質的には変わらない

人は沢山の顔を持つ
相手との関係で 見せる顔が異なる

きっと本能的に敵か味方か見分けるように
本能的に学生時代の顔を見せる

子供の頃 大人とは 気持ちも変わって行くものだと
漠然と思っていた

確かに 子供の頃の気持ちを
全て覚えているわけではないけれど

思っていたほど変わるものでもない

変わらない顔を見せているその裏で
人に見せない苦労も沢山あったろうに
そんな顔は 決して見せない

人は 沢山の顔を持つ

そして いくら歳を重ねても
若かりし頃の 顔も ずっと 持ち続けている

歳を重ねることは 何かを失うことでなく
様々な自分に出会って 自分が増えてゆくものだと
最近 そんな風に思う


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