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御刀さんがやってきた 12月 【2振りになった】

【12/3 金】

ご縁があって打刀を一振りお迎えした。昭和18年(1943)生まれ……両親より年上だけど祖父母(故人)よりだいぶ若いな……大学でお世話になった恩師と同世代か。去年喜寿だった?んですね?
あの時代なのでもちろんお生まれは軍刀で、戦後は居合用の刀として多くの先輩方の刃筋を整えてきたらしい。名教師ですね?試斬用にどうぞとお預かりした。

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普段道場で使っている模造刀よりやや短めだけど樋がないからかずっしりしている。地金とか刃紋があまりはっきりしない…研ぎ方違うっぽいかな…。傷も錆も多いけど、そこは承知の上でお迎えしたので全然おっけー。ていうかこれが点錆というやつ……初めて見た。地金の模様とか一切関係なく、四方にじわっと広がるような形。これは吉盛さんには無かったし博物館とか宝物殿とかでももちろん見たことなかった

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そのうち研ぎに出したらきれいになるよと聞いている。パジャマ(白鞘)も無いし、いろいろ今後要検討ですね

【12/4 土】

とりあえず手持ちの本で軍刀に関する項目探してみた

・現代日本刀の生成:2章、5章あたり。歴史的経緯とか当時の生産体制、美術面・実用面からの有識者の見解など。美術的には評価は高くないらしい…というかボロクソだな?実用面では一定の評価。参考文献がきちんと引かれててありがたい
・真説 戦う日本刀:組成とか作られた経緯とか耐久性試験についてとかいろいろ。主に性能面の話。こっちはとても褒めてる
・日本刀の教科書:明治から戦後まで2ページくらいでさらっと
・刀剣のすべて:これもさらっと…4ページで明治から戦後まで
・日本刀:岩波新書のやつ。ぼろくそーーー!!!wwwそこまで言う!?wwww

・刀剣ワールド 軍刀・サーベル https://www.touken-world.jp/tips/26131/

明治の廃刀令以降急激に刀がすたれた後、軍用に必要とされることになって急に需要が上がった。ので、今まで刀鍛冶じゃなかった人たちも作刀に参入して大量生産。さらに気候が大きく異なる地域にも持ち出されるため、新素材含めていろいろ試行錯誤を繰り返していた…みたいな時代のお生まれか。その後の経過も考えると、生き残ってくれてて良かったです。ようこそー!

【12/19 日】

先生よく斬れすぎて私の練習になってないのでは?www
でも大勢の先輩方に信頼されて使われてきたのも分かる気がする。気持ちよく切れてあと一本!て思わせるのも、課題を明確化するのも上手い。こう。腰を落として、腕を、こう。こうね。ポンポンの練習までお付き合いいただきありがとうございました。おつかれさまでした

重さがどうかなーと思ってたけど、実際振ってみると逆に重いのが良いというか安定しますですね。腕力なさすぎて力で無理やり切るってのが無理なので、こんくらい重力任せの方がスパッといけるっぽい。いつもより疲れるけど。
あとは刃筋を通すだけ。こう。こうです。

以下メモ

巻き藁切った後のお手入れの仕方。毎回水にぬらした雑巾で拭く→空拭き→油。ハバキの中に水が入らないよう刀身はしっかり下向けること。最後にポンポンも使って手入れ。ティッシュ使う時は少しくしゃっとさせる。使った後はおうちでも少し頻繁めに手入れすると良い

ステンレスの流し台でよく見かけるような、線状のピッとした傷が刃から峰の方に細かくガサガサ走ってる(写真に写らないくらい細かい)のはヒケキズ。巻き藁を切ってる証拠。

研ぎ減って地金が出ている刀を「よく斬れるから使い込まれ、大事に手入れされ続けてきた」と評価して信頼する評価軸がある。「きれい」という表現は少なくとも実戦刀にとっては賛辞にならない場合がある

【12/22 水】

直接関係あるわけではないんだけど、山城の動画があったので

https://www.youtube.com/watch?v=MPCCbdeQesA

足利城址めぐりの動画。中世山城の特色とか触れて下さっている。関東と九州ではまた地形事情が異なるかもしれないけど、山城ってこんな感じなんだなーと。宝満城もこんなんだったんかな
200mくらいの山でも結構登るの大変そう…堀切とか、急に崖になってるところとかある。敵が入って来られないように作ってあるので、考えてみればそれはそう。

ちゃんと準備して慎重に登らないと、景色に見とれてぷらぷら歩くと危ないんだな

【12/30 木】

年の瀬なので吉盛さんと先生のお手入れをした。まだ我が家では一年たってないけど一年お疲れさまでした。来年もよろしくお願いします

一年早っ!?!!?

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