絵描きの道具屋
時は2021年
私、生業の傍ら絵を描くものでございましてね。趣味でございますよ、趣味。ところがこれが案外好評でして、まあまあ「いいね」がいただけたり、ちょいとしたアンソロ本なんかにもお呼ばれしておりまして。そりゃ楽しいもんでございますよ、同人活動っちゅうやつは。
ところがまあ、私の相棒ってのがiPad第7世代。これがたった32GBのメモリしかない。クリスタで原稿をすりゃ、あっという間にクラッシュでございます。仕方なく冷却器に再起動、おまけに祈祷でもしてみるか、なんて調子でしてね。これじゃ限界だと思ってましたところに、春先ですかね、「M1チップ搭載のiPad Proが出るゾ!」なんて噂が飛び込んできた。こいつを手に入れりゃ、私も神絵師の仲間入りじゃねえかって、新作発表を正座して待っていましたよ。
ところがどっこい。値段を見てびっくり仰天!「12.9インチの1TBが21万円???パソコン買えるじゃねえか!」
そりゃまあね、容量を減らせばもっと安くなるし、無印iPadならさらにお手頃でしょう。でもね、私は大画面でゲームをして、クリスタでレイヤーを何千枚も重ねて、3D素材も自作する予定の神絵師ですから、12.9インチ1TBは譲れません!ここは譲れない。これだけはわかってほしい。
ならば液タブを買うまで
こう決意しまして、どうせならいいPCも買おう、ついでに良い椅子も、最高のモニターも、おしゃれな照明も!と勢いづきまして、あれもこれもと揃えておりましたら、総額が50万円を軽く超えまして。途中から怖くなって数えるのをやめました。いやあ、欲ってのは際限がないもんですな。
で、肝心の液タブはというと、憧れだったWacom Cintiq Proは予算オーバーで断念。代わりにYouTuberが絶賛していた海外液タブを購入しました。だって「Wacomに匹敵する性能!コスパ最強!」なんて言うもんですからね。勢いだけでポチっとやりましたよ。
液タブとの出会い
届いたその液タブ、さっそく描いてみましたがね、これがなかなかクセ者でして。初めてのデバイスですから、ツルツル滑って描きにくいわ、画面端の視差ずれがひどいわで、まぁストレスが溜まりましたよ。
それでも、いいPCのおかげで動作は快適なんで、ペーパーライクフィルムにフェルト芯、それから左手デバイスなんてものまで揃えてみたら、あら不思議。気づけば大画面で描く楽しさにいたく感激しておりました。
「これで私も神絵師になれる!」なんて思ったんですがね……。
PC買ったからついでにSteamも入れちゃおう
いやあ、この誘惑には勝てませんでしたね。ついついSteamをインストールしてしまい、ゲーム漬けの毎日。気づけば3年。最低月に3~4枚は描いてたイラストも、いまやほぼゼロ🌝ほんとゲームって面白いですよねえ~。いやぁ、参った参った🌝🌝🌝
iPad Pro 2021を今さら購入
「このままじゃダメだ!」と奮起して、2024年。ついにあの時諦めたiPad Pro 2021 1TBを中古で購入しました。勢いでマジックキーボードなんて高価な物まで揃えましたよ。それにしても、今やM3チップ搭載の最新モデルが30万円超え?円安の波がここまできたかって感じですね。
で、iPad Proですが、液タブよりも視差が少なく、120Hzの画面で描く滑らかさがたまりません。Procreateってアプリもまた最高でね。「素材?3D?そんなもんお前が描け!」という硬派なスタイルが非常に私好み。寝転がりながら描けるこの手軽さも魅力で、気づけば毎日触っております。
そして液タブも買い替える?
「これで満足」と思ったのもつかの間。また悪い癖が出まして。今なんと、Wacomが買い替えセール中なんです。あのとき欲しかった「Wacom Cintiq Pro」もお買い得とくれば、レビューを読み漁らずにはいられません。そして気づけば今日もまたネットで液タブを眺める1日……。
おあとがよろしいようで
そんな私をみて、かみさんが冷たく言いました。
「どうせあんた、三途の川を渡る前に『おすすめの船』で検索するんでしょ?」
かみさんの言葉が胸に刺さりながらも、今日もポチるタイミングを見計らってる私がいるのでございます……。