春が写るズマール
言わずと知れた迷玉に「ズマール」があります。
前玉が傷つきやすく、解像度も今ひとつ、背景は回りがち、といいことなしのようですが、私は「春が写るレンズ」として重宝していた時期があります。
早速作例を見ていきましょう。
春の淡い感じが写り込んでいると思います(ちなみに、この作品で某フォトコンの優秀賞を取っています)。
私が入手したズマールは恐ろしく状態が悪く、前玉の傷はそれほどでもないものの、クモリあり、コバ剥がれあり、しかもその剥がれたものが中玉の中に転がっているというもの。確か二万円台だったと思います。「こんなの写るのか?」と思って使ったら、見事に「春が写るレンズ」だったというわけです。
その後「もしかしたらレンズを整備に出したらもっと素晴らしいレンズに化けるのでは?」と思い整備に出した結果の作例がこちらです。
もう別物かと思うほど写りがシャープになっていますが、なにか大事なものを失ってしまった一抹の寂しさがありますね。このことにショックを受け、この「整備したズマール」は早々に売り払ってしまいました。
二万円台のズマールは「買い」ということが言いたいだけの記事でした。