8月19日

彼女は、僕にないものを持っている。
まっすぐに向き合い、必死に打ち込み、心から喜び、本気で悔しがる。
斜に構えた十代の僕が、恥ずかしいと切り捨てて、置きざりにしてしまったものを、これでもかと見せつけられた。彼女の姿は、流す汗とともに輝いていた。
同じ時代に生まれたのに、なぜこうも違ってしまったのか。自責の念に駆られるほどに、僕は彼女の姿が心底うらやましかった。そして彼女を心底好きになっていた。

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