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未婚パートナー証明書でドイツに入国①
未婚パートナー証明書は、国際遠距離恋愛中の方々は一度は考えたことがある選択肢かと思います。新型ウイルスの影響で国境を超えた移動がかなり制限されるなか、この制度は希望のひとつ。この度、日本人の私がこの未婚パートナー証明書を使って、ドイツに2021年2月中旬に入国しました。その際に、これはやっておいてよかったと思う箇所などまとめました。
この記事をまとめ終わるのに時間を要してしまい、公開までに2ヶ月ほど経ってしまいました。現在はベルリンでパートナーと一緒に過ごしています。
下記の情報は最新のものとは変わっている場合がありますので、ご了承ください。
未婚パートナーの条件
現在、在日ドイツ大使館のサイトには該当する情報がないです(2021年3月19日現在)。連邦内務省のページを見るように、と書かれています。
下記は在独日本大使館と連邦内務省のページからの抜粋です。
未婚パートナー証明書とは、
ドイツ人(orドイツでの居住権がある人)と、ドイツ以外の国籍のパートナーの関係を証明する書類。
婚姻関係になくても長期的な関係の持続が見込まれることを証明できると、第三国(日本など他の国)からドイツへの入国が90日以内の滞在期間であれば可能になる証明書。
〈条件〉
①パートナーとの関係がすでに長期間確立されていて、これからも長期的な持続が見込まれる。
②パートナーが以前に少なくとも1回は直接会ったことがある。(ドイツでもほかの場所でもいい)*
*この未婚パートナー制度が始まった当初は、「ドイツで会ったことがある」という条件だったのですが、その後、場所は関係なく一度でも直接会ったことがあるのであればOKになりました。
③関係を証明できる指定の書類を持っていること。
日本国籍の人はシェンゲン協定により、90日以内の滞在であればビザがなくても、この証明書だけで入国できる、ということになります。
ただし実際に入国できるかの審査は、ドイツ国境にて管轄する連邦警察が決定するので、証明書を揃えてもドイツ国境に行くまでは確約されるわけではないのです、、。これに関しては大使館は何もできない、とのこと。すべて連邦警察に委ねられています。
私は上記の条件を全て満たしていましたので、今回この制度を使ってドイツに行くことにしました。しかしこの新型ウィルスの状況では、情報が日々変わります。
(実は私は一度ドイツへの渡航を失敗し、飛行機に乗れず成田空港で泣きました。
詳しくは別記事でまとめます。)
今回は、飛行機に乗れない、ドイツ国境まで行って書類不備で入国できない、なんて不測の事態を避けたかったので、あらゆる事前にできる手立てを組みました。
航空会社も渡航条件全てを把握していない、ということを痛感した体験をしたこともあり、まずこの証明書で確実に飛行機に乗れるのか?という疑問潰しから始めました。
色々調べまくり何度も問い合わせ、電話できるところに電話しまくりました。webサイトに書かれている事は過去の情報がそのままになっている場合もありますので(特に今は新型ウィルスで状況が変わりやすい)、電話で最新の情報をつかむの大事です💪😤!
ドイツ入国までの流れ
私は以下の流れで進めていきました。当時の状況もあり、私の手順はかなり慎重バージョンです。
【ドイツ入国までの流れ】
1. 在日ドイツ大使館に確認
2. 利用予定の航空会社に確認
3. 必要書類を揃える
4. 航空会社に提出→航空会社からドイツ連邦警察へ書類提出
5. 在日ドイツ大使館に確認
6. PCR検査を受診
7. チェックイン
8. 渡航、ドイツ現地の入国審査で書類を提示
*ここでは1〜4までを記載します。5以降は次の記事で。
1. 在日ドイツ大使館に確認
私が渡航を計画したのは、2月初旬でした。ちょうどドイツが突然1月1日から日本に開いた国境を再び2月2日に閉じた直後でした。
そして、なぜか在日ドイツ大使館のサイトから「未婚パートナー証明書での入国」の項目がなくなっていました。かわりに渡航理由の一覧は連邦内務省のウェブサイト内を見てください、という記載に変わっていました。うーん、わかりずらい。
なので、未婚パートナー証明での入国が可能なのか一応確認しました。
大使館の回答は、
・未婚パートナー証明での渡航は可能
・90日以内の滞在であれば、日本国籍の人はビザが不要
・入国の際に未婚パートナー証明の書類を連邦警察に提出
との回答をもらいました。
前回渡航を失敗している私は、確実な「ドイツへ渡航できる」という証明がほしかったので、それについても聞いたところ、
「入国については、ドイツの連邦警察がその権限を持っています。
出来れば事前に確認を取り、航空会社には連邦警察からの返事を見せて頂ければと存じます。」という回答とともに、連邦警察の問い合わせメールアドレスをもらいました。ですが、次の2.に書きますが、航空会社が問い合わせしてくれることになりましたので、今回私は直接連絡は取りませんでした。
2. 利用予定の航空会社に確認
渡航に利用予定の航空会社に、まず予約する前に電話で問い合わせました。
私は確実に飛行機に乗れる、という確証が欲しかったのです。
私は今回カタール航空で渡航予定でしたので、日本支店に電話しました。
航空会社へは電話での問い合わせが、話が早くておすすめです。
「未婚パートナー証明でドイツに渡航する予定ですが、渡航は可能ですか?」
という問い合わせに対し、航空会社は最初あまり未婚パートナー証明について把握していないようでしたが、説明すると対応してくれました。
航空券を予約後に再度電話で連絡すると、専用メールアドレスを提示されるので、そこへ書類を全て送付すれば、カタール航空がドイツ連邦警察へ書類を送り、渡航前に確認をしてくれる、ということになりました!
航空会社への問い合わせは絶対に必要ではないと思いますが、確実性を求める方にはおすすめです。なによりチェックイン時にスムーズに行きます。
航空会社によって対応の仕方は違うと思いますので、そこはご領収ください。
3. 必要書類を揃える
下記の連邦内務省のサイトをもとに書類を揃えました。(英語、ドイツ語表記のみ)
*在日ドイツ大使館のサイト内では日本語での該当ページがありません。連邦内務省のページを見るようにと書かれています。(2021年3月当時)
上記リンク、個人的意見ですが見づらい。
Travel restriction / border controlをクリックしてから、さらにスクロールして、"Under what circumstances are unmarried partners permitted to enter Germany for short-term visits from third countries which are not on the safe list, and what special provisions apply?"のところをクリック。クリックすると詳細が開かれます。
こんな感じ↓
↑スクリーンショットです(2021年03月05日)
さて、揃える書類は、
① ドイツに住んでいるパートナーからの招待状、パートナーのIDカードのコピー
② a declaration of the existence of the relationship (関係を証明する書類)
上記リンクで青い文字をクリックすると、PDFがダウンロードできます。
③ 他に過去に会っていたことが証明できる証拠
飛行機のチケット、パートナーと一緒に写っている写真など
以上の3点です。
これらはパートナーと2人で揃える必要がありますが、私たちは今回、実際の書類を郵送などせず、全てをオンラインでやり取りしました。
ではひとつずつ詳しく解説していきます。
① ドイツに住んでいるパートナーからの招待状、パートナーのIDカードのコピー
私の場合は、彼が色々調べて必要事項を記載して送ってきてくれました。
書式は自由で構わないようですが、彼はインターネットで検索し、誰かが作ったテンプレートを引用した、とのことでした。パートナーに英語やドイツ語で情報を探してもらう方が確実だと思います。
送ってもらった手紙から記載必須事項を抜粋します。
必要事項:招待状を書いた日付、招待される人の名前&パスポート番号、招待される人の滞在期間、招待者の基本情報(名前、住所、職業、電話番号、仕事先の電話番号、E-mailアドレス、署名(直筆サイン*))
*直筆サインですが、彼は自分の直筆サインをスキャンしたデータを持っているので、それをそのまま貼り付けてPDFを送ってきました。スキャンしたものではありますが汚れなど取り除いた綺麗なデータなので、ぱっと見は本物と違いのない見かけでした。つまり正確に言うと直筆サインではないですが、今回これで審査通過できましたので、問題ないと思われます。オンラインでやり取りを完了した方が何より時間短縮できますので、私はこの方法をおすすめします。
IDカードのコピーは必ず必要なので、写真データを送ってもらいました。③にも関連しますが、パスポートのコピーもあったほうがいいです。
② a declaration of the existence of the relationship (関係を証明する書類)
ダウンロードしたPDFに必要事項を記入していく形式です。
3ページから構成されており、申請対象者の条件などが記載されたページ1枚、ドイツ語と英語バージョンの申請者の情報を記入するページが各1枚ずつあります。
招待する人とされる人の名前、誕生日、住所、電話番号を記入していきます。
ここでも、直筆のサインが必要になります。ここでも私の彼はサインをデータで貼り付けてきました。私はそのPDFをプリントアウトし、自分のところは直筆でサインしました。
*直筆サインをパスポートのものと一致させる
私はドイツに提出するものだから、とローマ字で書類にサインしたのですが、一度却下されました。理由は、パスポートのサインと一致しないから。私は漢字のサインをパスポートに使っていたので、不一致と判断されたわけです。そんなの当たり前だよ!とも思われそうですが、意外な落とし穴かとも思いましたので、ここに書いておきます。
そして航空会社などにPDFで書類を提出する際に注意なのが、ダウンロードしたPDFは編集可能な形式になっていますので、もしデータでの提出の際には、編集不可の状態にデータを書き換えてから提出しましょう。
私はプリントアウトしてから自分で直筆サインし、それをスキャンしたものをまたPDFにまとめました。
③ 他に過去に会っていたことが証明できる証拠
過去に会った時に撮った2人で写っている写真をいくつか、携帯の中でアルバムにまとめておきました。私は書類を一度航空会社に提出したので、日付がわかるようにPDFにも写真をまとめました。
一緒にタイに旅行にも行ったことがあったので、そのときの航空券の電子チケットのPDFも添付しておきました。
彼は留学生にとして日本に滞在していましたので、そのときの入国スタンプが押されているパスポートのページのコピーも入れました。
手元にあるものはできるだけ見せられる状態にしておくことをおすすめします。
4. 航空会社に提出→航空会社からドイツ連邦警察へ書類提出
3で揃えた書類+自分のパスポートのコピーを、カタール航空の専用アドレス宛に送りました。
実は事前に問い合わせた時に、「現在はドイツ連邦警察は渡航の3日前の案件にしか返事をくれない」という情報を伝えられていたのですが、実際には渡航5日前に返事をもらえました。
しかし、3に書いた通り、「パスポートと他の書類のサインが一致しないから却下」という返事でした ^^; でもここで発覚してよかった!
すぐにサインをパスポートと同じものに変更して再提出。
渡航の4日前には「passenger is OK to board.(この人搭乗させてもいいよ)」という返事を、カタール航空経由でもらいました。
この連邦警察からの文章には続きがあり、
「事前のデジタル入国登録(DEA)、PCR検査の陰性証明を提示する必要があるかもしれないから、気をつけてください」的な英文が来ました。
カタール航空からは「搭乗お待ちしてます」と返事が来ました。
さて、渡航ができる証明は出ました。
ここからは、PCR検査って渡航に絶対に必要なのか?というリサーチから、実際の入国までと続きますが、長くなったので次の記事にまとめます。