中日・高橋宏斗、防御率0.54で両リーグトップに

中日ドラゴンズの若きエース右腕、高橋宏斗が歴史的な快投を続けている。

高橋宏斗は8月6日、対DeNAベイスターズ戦に今季14度目の先発登板をすると、7回を投げ、被安打6、8奪三振、1失点(自責点1)に抑え、自身5連勝となる今季9勝目(1敗)を挙げた。

同時に、シーズン規定投球回数に達し、セ・リーグで防御率トップの大瀬良大地(広島東洋カープ)の0.85を抜き、1位に躍り出た。


高橋宏斗は今季、開幕こそ出遅れたが、4月28日にバンテリンドームでの対広島戦に今季初先発・初登板を果たすと、安定した投球を続けている。

今季は先発した14試合のうち、完投は7月5日、バンテリンドームでの対広島戦での完封勝利(いわゆる「マダックス」)の1度のみだが、7回以上を投げ、自責点2以内に抑えた登板が実に11試合、しかも7回以上を投げて無失点の試合が8試合と群を抜いている。

同一シーズンで「投球回100イニング以上で防御率0点台」の先発投手2人はNPB史上初か

NPBの公式戦でシーズン100イニング以上を投げて、防御率1.00以下、防御率0点台を記録したのは、1988年以降で、1988年の大野豊(広島)、1993年の伊藤智仁(ヤクルト)、2016年の菅野智之(巨人)、2024年の大瀬良大地(広島)に次いで、高橋宏斗が史上5人目の快挙となった。

今季のNPBは歴史上、稀に見る「投高打低」のシーズンと言われているが、NPBの公式戦で同一シーズンで100イニング以上を投げて、防御率0点台を維持している投手が2人もいるのは、少なくとも1988年以降は例がない。

NPBのシーズン防御率の最高記録は、1943年の藤本英雄(巨人)の0.73、2リーグ分立後は、1970年の村山実(阪神タイガース)の0.98であり、この記録は半永久的に破られないのではと言われてきたが、記録更新に現実味を帯びてきた。

高橋宏斗と大瀬良大地の防御率トップ争いはNPB史上、稀に見るハイレベルなものとなっている。

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