東浜巨、沖縄県出身の投手初のノーヒットノーラン達成
福岡ソフトバンクホークスの東浜巨がNPB史上95度目の偉業を達成した。
しかも、沖縄県出身の投手としては初の快挙となった。
5月11日、福岡PayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対西武ライオンズ戦に先発、四球2を与えたものの、無安打無得点、ノーヒットノーランに抑えた。
97球、奪三振は6。
四球で出した2人の走者はいずれも併殺打で打ち取ったため、打者27人での達成となった。
東浜巨のノーヒットノーランを振り返ってみよう。
①東浜巨の無安打無得点はNPB史上95度目、パ・リーグ31度目(完全試合16度を含む)。
②ホークスの投手としては3度目。
1943年の別所昭(南海ホークス)、2019年の千賀滉大(ソフトバンク)以来。
③沖縄県出身の投手としては初。
米国との沖縄返還協定が発効し、沖縄の施政権が返還されたのは1972年5月15日。
今年は50周年を迎え、前祝となる快挙となった。
④東浜は沖縄尚学のエースとして2008年春のセンバツで優勝投手。
甲子園で優勝投手となり、NPBでノーヒットノーランを達成したのは史上4人目。
・真田重蔵(重男)
1940年夏、海草中→1948年 大陽ロビンス・1952年 大阪タイガース
・中山義朗(俊丈)
1954年夏、中京商→1964年 中日ドラゴンズ
・八木沢荘六
1962年春、作新学院→1973年 ロッテオリオンズ(完全試合)
⑤打者27人、「残塁なし」の無安打無得点は、NPB史上4人目、パ・リーグ3人目。
1971年の藤本和宏(広島カープ)、1973年の高橋直樹(日拓ホームフライヤーズ)、1990年の柴田保光(日本ハムファイターズ)以来、32年ぶり。
⑥100球以内での無安打無得点の達成は、2006年9月16日の山本昌(中日)以来、16年ぶり。
⑦今季のNPBは4月10日に佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)が完全試合を達成しており、同一シーズンで2度目の無安打無得点は、2019年の千賀滉大(ソフトバンク)、大野雄大(中日ドラゴンズ)以来。
⑧パ・リーグの複数の投手が同一シーズンに無安打無得点を達成するのは1995年の佐藤義則(オリックス・ブルーウェーブ)と西崎幸広(日本ハム)以来、27年ぶり。
⑨福岡PayPayドームで無安打無得点の達成は初だが、福岡ドーム(1993年開場)から数えると4度目。
1994年の槙原寛己(読売ジャイアンツ)、2012年の西勇輝(オリックス・バファローズ)、2019年の千賀滉大(ソフトバンク)。
いずれも名称が異なる。
⑩2-0のスコアでの達成は史上15度目(うち完全試合が2度)。
⑪5月の達成は史上最多となる20度目(うち完全試合が3度)。
⑫西武ライオンズが無安打無得点に抑えられるのは、2000年6月20日、ナルシソ・エルビラ(近鉄バファローズ)に抑えられて以来、22年ぶり6度目(前身の西鉄ライオンズなどを含む。うち完全試合2度を含む)。
その試合、西武の4番を打ったのは松井稼頭央(現ヘッドコーチ)、先発投手は豊田清(現・一軍投手コーチ)であった。
⑬日本時間の今日、MLBでもロサンゼルス・エンゼルスのリード・デトマーズがタンパベイ・レイズ戦でノーヒットノーランを達成しており、日米で同日にノーヒットノーランが達成された。
しかも、この二つの試合を、NHKBS1が中継していた。
NPB・MLBで同日のノーヒットノーラン達成は、史上2度目。
前回は1957年8月21日で、NPBでは国鉄スワローズの左腕、金田正一が中日球場で行われた中日ドラゴンズとのダブルヘッダー第2戦で10奪三振の完全試合を達成。
MLBではシカゴ・ホワイトソックスの右腕、ボブ・キーガンが、本拠地のシカゴ・コミスキーパークで行われたワシントン・セネターズとのダブルヘッダー第2試合(現地同20日)で2四球、1三振でノーヒットノーランを達成した。