DeNA伊勢大夢、救援投手初の事実上の「パーフェクトゲーム」なるか?


横浜DeNAベイスターズの伊勢大夢はプロ3年目の今季、開幕から中継ぎとして登板、好調な投球を続けている。
しかも、単なる好調という表現では足りない。無双状態といってもいい。

伊勢大夢は3月25日、地元・横浜スタジアムでの開幕戦である広島カープ戦に救援登板してから、5月20日の対東京ヤクルトスワローズ戦(横浜スタジアム)まで20試合に登板、この間に1勝無敗、10ホールドを挙げているが、開幕から20試合連続、19回1/3を投げて無失点を継続中である。

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NPBで救援投手による事実上の「ノーヒットノーラン」達成は3人

さらに、伊勢は4月24日の対広島戦(マツダスタジアム)での登板から5月15日の阪神タイガース戦(横浜スタジアム)まで9試合連続、9イニング連続で無安打に抑えた。
つまり、救援投手として、事実上の「ノーヒットノーラン」を達成した。
NPBで救援投手が9イニング連続で無安打を続けたのは、伊勢が3人目である。

さらに、5月18日の対中日戦(バンテリンドーム)も1回を無安打に抑えたため、10試合連続で1本も安打を許さず、無安打を続けた。

これで伊勢は、2020年、埼玉西武ライオンズの平良海馬が6月20日の開幕戦である北海道日本ハムファイターズ戦(メットライフドーム)から7月17日の東北楽天イーグルス戦(楽天生命パーク宮城)までの登板で達成した、「救援投手として9回2/3連続で無安打」を更新し、2014年に阪神のクローザーを務めた呉昇桓(オ・スンファン)がつくった「救援投手として10イニング連続無安打」と並んで、NPBタイ記録保持者となった。
連続試合無安打では、呉昇桓、平良海馬、伊勢大夢の3人がNPBタイ記録となる「10試合」で並んでいた。

そして、5月20日、横浜スタジアムでの対ヤクルト戦、7回表のマウンドに上がった伊勢は5番・中村悠平をセカンドゴロ、6番・青木宣親をセンターフライ、7番・ホセ・オスナをサードゴロに打ち取り、三者凡退。
伊勢はこの回でマウンドを降りたため、呉昇桓、平良海馬を抜いて、NPB新記録となる「11試合連続無安打」を樹立した。

伊勢大夢、救援投手初、事実上の「パーフェクトゲーム」達成まであと2アウト

しかも、伊勢は5月3日の対中日戦(横浜スタジアム)からはパーフェクトに抑えており、「8試合連続・8イニング連続パーフェクト」を継続中だ。
4月30日の対東京ヤクルトスワローズ戦(神宮球場)の7回2死、4番・村上宗隆を四球で歩かせた後、5番・塩見泰隆を三振に斬って取ってから25人連続でアウトを奪っている。
呉昇桓も、平良海馬も、10試合連続無安打の間、それぞれ四球を出していた。

今季、2022年のシーズンは、ロッテの佐々木朗希が4月10日の対オリックス・バファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発登板すると、NPB史上16人目となるパーフェクトゲームを達成した。
しかも、佐々木はその次の先発登板の4月17日の対日本ハム戦でも8回をパーフェクトに抑えたため、「17イニング連続パーフェクト」、4月3日の対西武戦(ZOZOマリンスタジアム)での登板から数えて「52人連続アウト」という前人未到、今後もおそらく破れられないであろうピッチングを披露した。

また、中日の大野雄大も、5月6日の対阪神戦(バンテリンドームナゴヤ)で、9回を投げ終えてパーフェクトに抑えたが、相手先発の青柳晃洋の好投の前に味方の援護がなく0-0のまま延長戦に突入、さらに10回2死に佐藤輝明に二塁打を打たれるまでパーフェクト、29人連続アウトという快投を見せた(結局、大野は10回を投げ切り、被安打1の完封勝利)。
そして、今季、救援投手として初となる、27人連続アウト、すなわち事実上の「パーフェクトゲーム」を狙うのは伊勢ということになる。

阪神の呉昇桓、事実上のノーヒットノーラン超え、10試合連続・10イニング連続無安打

2014年のシーズン、阪神の呉昇桓は、4月11日の対読売ジャイアンツ戦(甲子園球場)から、5月6日の対中日戦(ナゴヤドーム)まで登板した9試合連続、9イニング連続で無安打に抑えたため、事実上の「ノーヒットノーラン」を達成した。


しかも、呉昇桓は同じ阪神のリリーバーであった藤川球児が2009年に6月5日から7月11日までの登板で記録した「救援で8回2/3連続無安打」を超え、NPB記録を更新した。

呉昇桓はその後、5月10日の対巨人戦(甲子園)も1回を無安打・無失点に抑え、連続イニング無安打記録を「10」に伸ばした。

その後、阪神は5月13日、鳥取にある、どらドラパーク米子市民球場で対広島戦を迎えた。
広島の先発は、地元出身の大卒新人の九里亜蓮、阪神の先発は藤浪晋太郎。
九里亜蓮は3回に大和にタイムリー安打を浴びたが、粘り強く投球を続け、7回、112球を投げて1失点。一方、藤浪晋太郎は6回まで無失点に抑えてきたが、1-0で迎えた7回、無死2塁から松山竜平のセンター前に抜けるタイムリーで同点に追いつかれる。

そのまま、両チーム無得点のまま延長へ。
広島は10回裏に2死満塁、一打サヨナラのチャンスとし、4番・ブラッド・エルドレッド。阪神はここで4番手にクローザー・呉昇桓をマウンドへ送ると、エルドレッドを三振に仕留めた(エルドレッドはNPBタイ記録となる1試合5三振)。
これで呉昇桓は連続イニング無安打記録を「10回1/3」に伸ばした。

さらに、延長11回裏のマウンドにも呉昇桓が上がった。
ここで先頭のキラ・カアイフエは打ち取ったが、続く代打、新人の田中広輔に粘られる。その10球目、田中にセンターオーバーの大飛球を打たれ、田中は三塁に達した。
田中のプロ初となる三塁打で、ついに呉昇桓の連続イニング無安打は「10回1/3」でストップした
(この回のキラを打ち取った時点では、「10回2/3」だが、無安打のままイニングを終えることができなかったため)
結局、この回、広島は無得点に終わったが、12回裏、阪神5番手の二神一人から先頭の梵英心がレフトスタンドにソロホームランを放ち、劇的なサヨナラ勝ち。
広島が2-1で勝利した。

伊勢大夢は明日・明後日も、地元・横浜スタジアムで行われる東京ヤクルト戦の3連戦の残り2試合で、あと2アウトに迫った、救援投手として初の「完全試合」に挑む。

P.S.

伊勢大夢はその後、5月22日、対ヤクルト戦で、9試合連続・9イニング連続パーフェクトを達成した。







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