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坂本勇人、遊撃手で2000試合出場

読売ジャイアンツの坂本勇人が自身、3つ目の「2000」のマイルストーンに達した。

坂本は5月31日、ZOZOマリンスタジアムで行われた対千葉ロッテマリーンズ戦に「2番・遊撃」で先発出場。
これで、遊撃手としての公式戦先発出場が前人未到の2000試合に達した。

ロッテ先発のC.C. メルセデスに対し、坂本は第1打席、第2打席と2打席連続で空振り三振に倒れたが、5回に迎えた第3打席、フルカウントで迎えた6球目、メルセデスのスライダーを捉え、打球は左中間スタンドへ飛び込む、今季7号ソロホームラン。
自らの偉業を祝う一発となった。


遊撃手としての出場試合数トップ10

同一守備位置での試合出場が2000を超えるのは、NPB史上16人目であるが、遊撃手ではNPB史上初の快挙である。


同時に坂本勇人は2020年11月8日に通算2000安打、2023年4月18日に通算2000試合出場を達成しており、さらに同一ポジションで通算2000試合出場という、NPB史上15人目となる「トリプル2000」を達成した。
しかも、1つのチームだけの所属で達成したのは坂本が7人目である。

同一守備位置での通算2000試合出場達成者

なお、外野手として通算2000試合以上出場した6人のうち、張本勲(東映・日拓・日本ハム、巨人、ロッテ)は左翼で2418試合、金本知憲(広島、阪神)は左翼で2400試合、福本豊(阪急)は中堅で2038試合に出場しているが、右翼で2000試合出場はまだいない。

遊撃手・坂本勇人の足跡


坂本勇人は2006年のドラフト会議で読売ジャイアンツから高校生ドラフト1巡目指名を受けて入団。
翌2007年、7月に初めて一軍に昇格すると、7月12日、東京ドームでの対阪神タイガース戦、延長12回裏に阿部慎之助の代走としてプロ初出場を果たし、二塁への盗塁を決めた。

その1か月半後、9月2日、横浜スタジアムでの横浜戦で「8番・遊撃」でプロ初先発出場。2打数ノーヒットで途中交代となった。
9月6日、ナゴヤドームでの対中日ドラゴンズ戦、延長12回表に代打で出場、高橋聡文からセンターオーバーの二塁打を放ち、プロ入り初安打・初打点も記録、しかもこれが決勝打となった。

2008年の開幕戦、対ヤクルト戦には「8番・二塁」で先発出場し、巨人では1994年の松井秀喜以来となる10代での開幕スタメン入りを果たした。
さらに、遊撃手の二岡智宏がこの試合で負傷欠場したため、坂本は翌日の試合から「8番・遊撃」で先発出場したことが、巨人の「不動のショート・坂本勇人」の本格的な誕生となった。
坂本はこのシーズンは結局、残り全試合(142試合)を遊撃手として先発出場した。
高卒プロ2年目で全試合出場(143試合)というのは、中西太(西鉄)、清原和博(西武)に次いでNPB史上3人目、セントラル・リーグでは初の快挙となった。

その後は押しも押されもせぬ、巨人のショートストップとして試合に出続けた。
2009年は3試合に欠場したが、2010年から2014年まで5年連続で全試合に出場を果たした。
坂本勇人がこれまで出場した2031試合のうち、遊撃以外の守備についたのは2013年に一塁手として出場した3試合だけである(他に指名打者での出場は3試合ある)。
2014年オフにはジャイアンツの歴史で戦後最年少でキャプテンに就任した。

2020年には、遊撃で13年連続でシーズン100試合以上を守り、吉田義男(阪神)と並び、2021年にはその記録を更新した。

2021年4月16日、対横浜DeNAベイスターズ4回戦(横浜スタジアム)で、鳥谷敬(阪神、ロッテ)が持つ遊撃手としての試合出場数「1777」を抜いて、トップに立った。

坂本勇人は2019年に全試合出場を果たして以来、2020年は113試合(全120試合)、2021年は117試合、2022年はプロ入りしてレギュラーを掴んで以来、最低となる83試合となり、ペースダウンしたが、ついに遊撃手として誰も到達したことがない領域に立った。
しかも、坂本勇人がショートのレギュラーを掴んだ2008年以降、巨人は7度のリーグ優勝、2度の日本一に輝いている。

坂本勇人が遊撃手として残した打撃記録

・2010年 遊撃手としてシーズン31本塁打(当時チーム最多)
・2016年 遊撃手として首位打者獲得(セ・リーグ史上初)
・2018年 遊撃手として打率.340以上、2度記録(NPB史上初)
・2019年 遊撃手としてシーズン40本塁打に到達
(1985年の宇野勝(当時中日ドラゴンズ)以来、NPB史上2人目)
・2019年 セ・リーグの遊撃手として史上初となるシーズンMVP(松井稼頭央(西武)に次いでNPB2人目)
・2021年6月19日、通算250本塁打を達成、同時に遊撃手として出場した試合では249本塁打(代打で1本)(池山隆寛(ヤクルト)に並び最多タイ)
・2021年 遊撃手として13年連続でシーズン2桁本塁打をクリア(豊田泰光の最長記録に並びタイ)

坂本勇人の今後はどうなる?

坂本勇人が今回、遊撃手として初めて2000試合出場を果たしたことで、「ショートストップ」という守備位置で試合に出続けることが如何に大変なことであるか分かる。
これまでショートの守備位置を長く張ってきた先輩たちも現役の晩年に差しかかると、本人の体力の衰えや世代交代を必要とするチーム事情によって、他の守備位置へのコンバートを余儀なくされている。
しかし、そのことにより選手寿命を延ばすことができたことも事実だ。

坂本勇人は今年12月で35歳を迎えるが、NPB史上7人しかいない、NPB通算2500安打まであと257本、立浪和義(中日)が持つNPB通算二塁打記録の487本まであと65本に迫るなど、長く現役を続ければ到達できそうな打撃記録が目白押しである(記録は2023年5月31日現在)。

・試合:2031(49位)
・打席:8750(25位)
・打数:7737(23位)
・安打:2243(18位)
・本塁打:273(57位)
・打点:963(史上49人目の1000打点まであと27)
・二塁打:426(6位)
・三振:1343(23位)
・四球:840(38位)
・打率:.290


坂本勇人がどこまでショートへのこだわりを持って現役を続けるのか、今後も注目されることになるだろう。

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