【オールスターゲーム2022ファン投票】大山悠輔が不憫でならない、web投票の仕様に問題あり
「マイナビオールスターゲーム2022」のファン投票の中間発表が発表された。
今年のオールスターゲームは7月26日に福岡PayPayドーム(福岡県福岡市)、翌27日に松山・坊っちゃんスタジアム(愛媛県松山市)で行われる。
だが、その中間発表の得票ランキングを見て、納得がいかない。
特にセ・リーグの各部門の得票数は明らかに歪んでいると言わざるを得ない。
まずセ・リーグの先発投手部門を見てみると、
リーグ2位タイの7勝、チームトップ・リーグ6位の防御率2.44の床田寛樹(広島)が10位にも入ってこない。
床田よりも成績が振るわない、同僚の森下暢仁(防御率リーグ10位)、大瀬良大地(同11位)のほうが上位にいる。
森下暢仁の人気もわかるが、床田がもっと票を得てもおかしくはない。
また、セ・リーグの中継ぎ投手部門のトップ5を見ると、
救援で27人連続アウトという記録をつくった伊勢大夢(DeNA)も、開幕から23試合連続無失点を継続している田口麗斗(ヤクルト)もランクインしていない。
これは人気の問題なのだろうか?
もっとひどいのは一塁手部門である。
出場67試合のうち、一塁手として49試合に出場して、リーグ2位の18本塁打、同じくリーグ2位の52打点をマークしいる大山悠輔が5位以内にもランクインしていないのである。
どうしてこんなことが起こるのだろうか?
問題は、「投票用紙」と「オンライン投票のインターフェース」にある。
まず、紙の投票用紙だが、このような仕様になっている。
あらかじめ、投票用紙には、各チームから「ノミネート選手」が記載されており、マークシートを塗りつぶすようになっている。
しかしながら、この顔ぶれを見て、各球団のファンはなんとも思わないだろうか?
問題点は、いくつかあるが、
①「先発投手」が各チームから3名に限定されている
②「中継ぎ投手」が各チームから1名に限定されている
③ そもそも、「ノミネート選手」のメンバーが投票開始時点のままになっている。
①、②は目をつぶるとしても、深刻なのは③である。
「ノミネート選手」の顔ぶれは、球団が提出したものであろう。
そして、紙の投票用紙で投票を受け付ける以上、投票用紙の印刷の都合もあるため、途中で「ノミネート選手」のメンバーを変更できないという事情はよく理解できる。
致しかたない部分もある。
一応、紙の投票用紙の下段では、「ノミネート選手」以外の選手も選択できるようにはなっている。
だが、さらなる問題は、PCやスマホ・タブレットからオンラインで受け付けている、"web投票"にある。
オンラインでweb投票するためには、NPBの公式サイトへ行き、メールアドレスの登録を伴う会員登録をする必要があり、1アカウント当り、1日1票を投じることができる。
紙の投票用紙と同様に、「ノミネート選手一覧」が掲載されている。
実は会員登録して、web投票のページに行くと、こんなインターフェイスになっている。
ここまで、紙の「投票用紙」と変わらない。
だが、隣のチームのロゴをクリックすると、そのチームの支配下登録の全選手が選択できるようになっているのである。
つまり、投票したいファンは「ノミネート選手」とは無関係に自由に好きな選手を選択することができるのである。
さらに言えば、そもそも、「ノミネート選手一覧」からでも、登録された守備位置ではない選手を選ぶこともできるのである。
例えば、「三塁手」に登録されている大山悠輔を「一塁手部門」で選択することができるのである。
NPBはどうしてこのようなweb投票のインターフェースにしてしまったのか。
もっとわかりやすいものにはできなかったのか。
誠に遺憾でならない。
しかし、中には、こういう仕様をものともせず、ノミネート選手「外」から多くの得票を得る「猛者」もいる。
オールスターゲームのファン投票は6月27日まで受け付けられ、最後の中間発表は6月28日まで。
最終結果発表は7月6日で、監督選抜含むメンバーの発表は7月13日となっている。
オールスターゲームのファン投票は、あくまで人気投票であるため、人気者が票を得ることを私はまったく否定しない。
だが、こうした紙の投票用紙やオンライン投票のインターフェースによって、ファンの投票行動が歪められているとすれば、それは早急に改善されるべきではないだろうか。
また、少なくとも阪神タイガースファンは、紙でもwebでもファン投票を投じるときには、一塁手部門で大山悠輔をちゃんと選択して投票できることを認識しておいていただきたい。