【2022年6月18日】山本由伸、ノーヒットノーラン達成
山本由伸、ノーヒットノーラン達成
オリックス・バファローズの山本由伸(23歳)が満を持して「ノー・ノ―」クラブ入りを果たした。
山本は6月18日の対埼玉西武ライオンズで、今季12試合目の先発登板をすると、5回2死から外崎修汰に四球を与えた以外、快投を続け、9回、最後の打者・川越誠司をファーストゴロに打ち取って、自身初のノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を達成した。
NPBでのノーヒットノーランは通算97度目、86人目となる快挙だが、今季は、ロッテ・佐々木朗希(完全試合)、ソフトバンク・東浜巨、DeNA・今永昇太に続き、早くも4人目となった。
さらに、佐々木朗希があわや2試合連続完全試合となる17イニング連続パーフェクト、中日・大野雄大は9回まで完全試合の参考記録、DeNA・伊勢大夢もリリーフで27人連続アウトを達成した。
ますます強まる「投高打低」傾向
特にパ・リーグでは先発投手の防御率0点台が続出したことで、今季は開幕当初から「投高打低」が指摘されていた。
さらに、ここまでシーズンを半分も消化していない時点で、ノーヒットノーランが頻発していることもあり、Twitterでも、一部のファンから「ノーヒットノーランの価値が下がった」という声がある。
ノーヒットノーランの多発は、その価値を減ずることになるのか?
NPBのセ・パ・リーグ別の平均打率推移
まずは、リーグ全体の打者のレベルを測るために、打率を例にとり、
2010年以降のセ・パ両リーグの平均打率と、シーズン毎のノーヒットノーランの達成回数を見てみよう。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80961746/picture_pc_bab09c09f8bf5b3c24b9d5595bbc04c0.png?width=1200)
NPBのセ・パ・リーグのシーズン本塁打数推移
続いて、両リーグごとのシーズン本塁打数の推移を見てみよう。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80956804/picture_pc_550d1cf07141e9e023f470e1ac292d17.png?width=1200)
2011年のシーズンは統一球に基準を超える低反発球が使用されていたことが発覚したが、明らかに平均打率は低下し、総本塁打数は減少した。
その年にノーヒットノーランは生まれず、その翌年の2012年、2006年以来となるノーヒットノーランを前田健太(広島)、杉内俊哉(巨人)、西勇輝(オリックス)の3人が達成した。
そうは言っても、ノーヒットノーランの達成回数は頻度が少ないため、リーグ平均打率との明確な因果関係を見出すことは難しい。
結論は「パ・リーグの投手のレベルが上昇している」
ただ、言えることは
・両リーグとも平均打率は2018年のシーズンをピークに、本塁打数は2019年シーズンをピークに低下傾向にある。
・しかも、面白いことに、2017年以降は、DH制を導入しているパ・リーグよりも、DH制無しのセ・リーグのほうがリーグ平均打率が高くなっている。
・また、本塁打数でみると2020年以降はセ・リーグがパ・リーグの本数を逆転している。
このことからどのような仮説が導き出せるのだろうか。
やはり、
「パ・リーグの投手のレベルが上昇している。」
ということだろう。
何故、パ・リーグの投手のレベルが向上していると言えるかは、2020年におけるメジャーリーガーのダルビッシュ有投手や、今年、ソフトバンクの千賀滉大投手らが指摘していることにヒントが隠されていると思うので、ここでは繰り返さない。
パリーグが強い理由はソフトバンクが関係しているってずっと思っています。
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) November 25, 2020
自分が今ここにいるのもソフトバンクがかなり関係していますし。
石川くん、千賀くん達にはすでに話していますがそのあたり近々話します。
投手有利だがノーヒットノーランの価値は下がっていない
野球において、打者と投手の実力は相対的に決まるものだが、投球を向上させるためのテクノロジーの進化や、選手間におけるノウハウの共有などにより少なくとも現時点では、投手が打者が有利な状況になりつつあるということだ。
一部のファンがTwitter等で言っている、「ノーヒットノーランの達成回数が増えることによって、その価値が下がっている」ということではないということは強調しておきたいと思う。