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you+ 10年のスランプを超えたらものすごく絵が上達していた話
イラストレーターの宮澤美穂です。
「you+ 私を変えてくれたもの」
私のイラスト人生は、30歳を過ぎてから、イラストレーターのYさんとの出会いによって変わりました。
私は高校卒業後の約10年間、全く絵が描けないスランプの期間がありました。
きっかけは高校の先生(美術科)に自分の絵を否定されたことです。
5歳から絵を描いていたのですが、それから全く描けなくなりました。
会社員になってみるものの、生きがいを感じられない状態でした。
20代後半になって、やっぱり自分にとって絵を描くことはとても大事なのだと気づく瞬間がありました。
そこからまた頑張って描いてみるものの、先生から否定されたときの言葉は呪いのように頭の中に浮かんできます。
描いてみても、やっぱりダメだと思えてしまう。あれこれ余計なことを考えてしまい、描くことが楽しくない状況が続きました。
そこでYさんとの出会いがありました。
Yさんに教えてもらったことによって、かつての先生の呪いや余計なことを考えてしまう状態から、私は解放されました。
おかげで、何も考えずに自由に描けるようになりました。
これはYさんに出会って1年後、個展用に描いた作品です。
モデルはソビエト連邦時代のバレリーナ、タマラ・カルサヴィナ
「火の鳥」というバレエの演目の衣装とポーズです。
上のサイズで見ると写真みたいですが、筆の先端を使い、にじみを何度も重ねて描きました。
写真のように描こうと思ったのではなく、美しく描こうとしたらこうなりました。
実はこの絵は、高校生のときに描きたくて描けなかったものです。
こちらが高校の時に構想どまりだったもの。特に右側はポーズも同じです。このポーズがとても好きだったのです。
高校3年のときには、すでに、アイデアは出すけれど描けないという状態になっていて、本番を描きなさいと別の先生に怒られていました。
高校生の時に描けなかった好きな物のイラストを、スランプを経て、15年くらい経ってからやっと描き上げることができました。
感無量でした。
そして驚いたことに、スランプを経た後の方が絵が上手くなっていました。
Yさんのおかげで余計なことを考えなくなったからかもしれないし、絵の描けない辛い日々を送っている間に目の良さが鍛えられたのかもしれません。
この絵については10数年間の愛情が爆発したゆえにここまで細かく描けたのだと思っています。
今でも、あのとき先生の言葉をスルーしていれば良かった、そして好きなように絵を描き続けていれば良かったと思うことが何度もあります。
でも考えてもしょうがないので、このまま自由にずっと絵を描き続けていきたいなと思っています。