日々是好日

樹木希林、黒木華、多部未華子。

樹木希林の映画を見たくて、内容を知らずに録画して見ると、お茶のお話だった。

普通の大学生の女の子(黒木華)がたまたま近所でお茶を習う、従兄弟(多部未華子)と一緒に。お茶の先生は樹木希林。従兄弟は就職を機にお茶はやめたけど、流されるままお茶に通い続け、社会人となり、就職や恋や裏切り、大事な人の死などを経験し成長していく。そこにはいつも日常にお茶がある。こう言ってしまえば、おもしろくないのだけど、見始めから、おもしろくて目が離せなくなってしまった。

お茶の世界は知らない世界。どんな世界か知りたい気持ちも手伝って。そうかぁ、これでおしまい、ってことがない世界なんだ。いろいろルールが細かすぎて大変だけど、1年ほどかかってやっとなんとか覚えれた。と思ったら、せっかく所作を覚えても、季節の変化に合わせてまた変わる。おんなじ日は1度もない。そのときの状況に合わせて体と心が感じることが全て。習うより慣れる。頭で意味を考えない。決まり事をそのとおりにする、そうするものなんだ。そう、これが人間には大事。若い頃はどうして?なぜ?と意味を求め反抗心も強い。けれどもそれをやり続けてほしい。お茶以外のことも。学校のことだって。

子供を自由にのびのびとした子に育てたい、という人。だから規律もなく自由な幼稚園や小学校に入れるという人をたくさんみてきた。
もちろん子供の性格にもよるしどう育てようが人の自由。けれど、子供時代に厳しい規律にあてはめられて、意味を問わずに頑張ってやりこなす、そういう子供時代を過ごした人が、成長して本当の自由を手に入れるのではないのかな・・。お茶の世界も厳しい規律がたくさんあるけど、やり続けていくことで、ひらめく瞬間がやってくる。気付きがあり素晴らしい人間に成長していく。内面が解放される。これはお茶に限ったことではないな。なんでも継続することが大事なんだ。継続することが一番難しいことなんだ。継続してるからこそ成功経験があるんだ。どんなときも。

音楽もほっこりしみじみ良かったなぁ。シーンに合わせてピアノや弦楽器のかわいい音やしんみり情景のしっとりした音などが流れる。

心に残る素晴らしい映画だった。樹木希林が公開前にお亡くなりになったのは残念で涙。

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