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もう一生こども産まないと思った出産レポ
年末にこどもを爆誕させました。妊娠中からいろいろあったけど出産が一番大変だった。
よく「出産の痛みは気づいたら忘れちゃうんだよねー(アハハ」ってみんなが言ってるけど、私はこの痛みは絶対に忘れないし、絶対に後世に語り継ぐぞと思ったし、今後友人たちと会話する中でこの難産エピソードを語らずには子どものこと・出産のことを語れないと思っていて、でもいちいち話が長くなるので、そういうときに送りつけようと思ってここにまとめておくことにした。
ちなみに本来、無痛分娩予定でしたが、いろいろあってリスクあり妊婦になり、無痛分娩できないところに転院になったのでできませんでした。こどもの命最優先で後悔はない選択と思っていたので、複雑なお気持ち。
難産でした
分娩時間と言われる陣痛が始まって産まれるまでの時間が約17時間。初産婦の平均時間は12時間?15時間?らしいので、時間を言うと平均的だね、なんて言われる時間なので、時間だけ聞けば一般的には難産じゃないのかもしれない。
でも明らかに生まれたあと、医者・助産師の態度が「頑張ったね」「辛かったよね」って言われたのでまぁまぁ難産だったと信じている。(一応根拠があります、それは後ほど)
どのくらい痛かったか
痛みレベル:人生の中でのMAXの痛み
声が絶対に出る痛み。男性は、お腹を壊している時の腸にくる突き刺すような痛みMAXの瞬間を思い出してもらえたらそれが近い。流血したときのジンジンする痛みMAXの瞬間にも近い。「痛みMAX」と表現していることに注目してほしい。ジンジンした痛みというのは、「じーん、じーん」と合間に痛みの波があるということだと思う、痛みMAXは「じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」のときの絶頂の痛みのことです。
痛みの長さ:30秒〜1分続く
ジンジンした痛みって1秒とか数秒くらいですよね。30秒って短く感じるけど地味に長い。ゆっくりした深呼吸3回分くらい。耐えられるけど、長いから「いってぇええ」って声が出る。
痛みの間隔:2分〜10分間隔
陣痛は10分間隔で痛みがきたらと言われている。深夜2時に陣痛が始まったあと、10分間隔が長くなることはなかった。(つまり、10分に一度はくる痛みとの戦いの開始)
痛みの持続性:8時間〜17時間(私の場合)
これがいつまで続くか、それは産まれるまでである。
自分の場合、陣痛開始から産まれるまで約17時間。
痛みMAXに到達したときからは8時間近くだった。
まとめると、とにかくめちゃくちゃいてぇ痛みを8時間とかやって気が狂いまくって地獄だったという感じです。病気の治療で副作用がある闘病生活ってこんな感じかなとか思いました。
なぜこんなにも痛かったのか
赤ちゃんの頭がお腹側を向いている回旋異常だった
深夜1時から陣痛が始まって、朝の10時には痛みMAXの陣痛が始まり、昼過ぎになって心折れかけていたその時、赤ちゃんの向きがお腹側を向いていたことが判明した。赤ちゃんの顔が後ろを向いていないと、頭が落ちてこないらしいのと、骨盤にひっかかってしまって腰を圧迫して、痛みが増強するらしい。
超音波エコーで判明したのだけど、じゃあ早く調べてくれたらもっと早くわかったんじゃないの?と思って、痛みの訴えを無視し続けた助産師さんたちを少し恨んだ。
誘発剤使用リスク「過強陣痛」というのも起きていたっぽい
陣痛促進剤も使ったのだけど、促進剤には陣痛が強くなるリスクは説明されていたけどすっかり忘れていた。あとあと調べたら、過強陣痛のリスク要因として回旋異常があるって書いてあったのでこれじゃね?となった。悲しい。
声を大にして伝えたい
痛み具合は他人にはわからない
途中から本当にこの痛みがあと5時間も続くなら無理だな?と思ったけどいくら痛みを訴えても助産師も医師も、「これがみんな通るものよ、がんばろうね(笑顔)」という反応だった。これが産後含め入院中ほんとにきつかった。
またパートナーにも、私が静かに痛みに耐えるモードになったとき(痛みMAXは変わっておらずな状態)に、あまりに静かだから「痛みが楽になった?と思った」と言われた。痛みは他人にわからない。自分から何かがおかしいと思ったら積極的に伝えていかないといけないなと改めて思った。(意味あるかはさておき)
みんながみんな、このレベルの陣痛じゃない(らしい)のでどうぞ安心して
正直生まれた直後は、これが全員通っている出産なんだと思い、なんて人類は馬鹿げたことをしているのかと思ったのですが、友人に話を聴くとどうやらそんなことないらしかったので、今から出産する人はどうぞ安心してほしい。
ただ一定の割合でこのしんどい陣痛に当たった人は、一緒にあの地獄について飲み語らいましょうというお気持ちです。
無事生まれてよかった
あとあと調べたら、回旋異常だと母子ともに苦しくなって、緊急帝王切開になることも多いらしい。実際生まれてから赤ちゃんに脳性まひとか出たり、死んじゃったり、お母さんも子宮破裂したりするらしかった。ので、無事生まれてよかった。
(痛すぎて帝王切開してほしいと思ったし、「赤ちゃんは元気だからー!頑張ってー!」って言われるたびに、もうちょっと元気なさげにしてもよいのよ、って思っちゃったけど)
全夫よ、出産には立ち会え
立ち会い出産はみなしたほうがいいと思いました。ってパートナーは言ってます。正直この辛さは立ち会っていないと分かち合えないものでした。産後夫の何気ない言動でキレ散らかす理由がわかるなと思いました。立ち会ったら自然と言動所作が変わると思いますのでぜひ。役立たずでもいいのです、そこにいることが大事なのです。
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おまけ「陣痛から産まれるまでレポ」
自分が忘れないためのメモです。興味ある人は長いけどぜひ読んでください。なおこれを書くにあたり、あのときのことを思い出しているけど、辛くてまた涙してます。
予定日前の検診で、もし来週までに生まれなかったら、この日に誘発分娩で入院しましょうと言われていて、無事入院日を迎える。しかし立て込んでて明日誘発剤使えないかもと言われる。自然に陣痛くるといいねと言われながら内診されて、明日の出産はないかもなーと夕方に思っていたら、その日の夜中には陣痛が始まった。
1:00 陣痛開始「痛い(ぼそっ)」ってなる痛み
10分間隔になりかけ前。あれ、今日生まれそう?と思う。
4:00 「痛い(涙声)」という痛みになる
助産師呼んだら、「陣痛は始まっている。産まれるのは、初産だから15時くらいだね」と言われて絶望する。シャワー浴びたり、着替えたり、リラックスしときなと言われる。
8:00 LDR室(陣痛待機する部屋)に移動
パートナー合流して心細さ軽減、ちょっと安心する。
が痛いは痛い。
9:00 陣痛促進剤投与開始、少しずつさらに痛みが強まる
担当の先生が午後忙しいらしい。12時までに産もうという意志。(余裕で打ち砕かれる)
10:00 早くも痛みMAXレベルが到来、猛烈な腹痛or腰痛
なぜか腰にもくる痛み。めっっっちゃ痛い。よくさすってもらうとかテニスボールとかあるけど、あれはただ痛みをなんとなく誤魔化すためのものらしいということに気づく。(意識を分散させる的な)
内診、まだ子宮口5cmくらいと言われる。
お昼食べる気はすでにしていない。ちょいちょいトイレにいくが、もうすでに起き上がるのもフラフラ。
12:00 変わらず、痛みMAX、助産師への疑念が出始める
こんな痛いのに進まないのなぜ?ほんとうに痛い。もう2時間以上苦しんでる。モニターをつけているので助産師はそれをみて陣痛を確認しているらしいが、まだ弱いねーと言っている。「嘘だろ?くそいてぇぞ?は?」とキレそうになる。
2人ついてくれた助産師は1人は新人らしい。担当医がきて「内診いつする?呼んでね」と言っても返事がなくて怪しい。逆にこれは長丁場になるぞー休みながらがんばろうねーの雰囲気になるが、自分は休んでる余裕がもうない。
13:00 明らかにおかしい&長時間で精神がおかしくなり痛み訴えモード
こんなにも我慢して痛みMAXに4時間も耐えてるのに何も進まない。それでも笑顔で促進剤を増やしてくる新人助産師。自分がやばい気がして、痛みを訴えることにして、痛みMAX時に叫び始める。というか精神力が切れて耐える気力がなくなった。が新人助産師は無視、黙々とさするだけのロボットになる。
助産師にガンスルーされるので、辛すぎて泣き言独り言を言い始める。
「もう無理、痛すぎる」「なんで?こんな痛いの。無理なんだけど、私なんかした?」「つらい、きつい。まじ無理」
担当医(男)がきて「痛いよねぇ、がんばろうねぇ」とか子どもをあやす感じに言ってきたのでブチギレそうになる。
14:00 理不尽な痛みに、精神崩壊。泣く。
理不尽な痛み・助産師の「まだまだこれからよ!」のテンションに精神が限界にくる。めちゃくちゃ泣きながら訴え続ける。
「私生理痛救急車呼ぶくらい重いんですぅーー、それなのにその何倍も痛いんですーーー、おかしいですーー。こんなの耐えるのとか無理ですーー。ほんとにみんな耐えてるんですか?ありえない。もうこんなのできない」
このあたりからずっと目をつむって、なるべく外の情報をシャットダウンしてた。アル中の酔っ払いのときの視界って感じ。
このへんでやっとベテラン助産師が何かがおかしいかもみたいなスイッチが入って、新人どかしてモニターチェックし始める。どうやら陣痛の張りがモニターにわかりづらい感じに出ていて、私の痛みが伝わってなかった模様。
適度に血圧とか取られたり、お腹触られたり、赤ちゃんの心拍チェックされるけどまだまだ母子ともに元気なようで安心される。が、変わらずとにかく痛すぎて発狂する。
15:00 痛みの原因が判明、菩薩モードに入るがあいかわらず痛みMAX地獄
痛みMAXが5時間目で、赤ちゃんの頭が逆を向いていて、どう頑張っても赤ちゃんの頭が降りてこれない状態ということが判明。戻すために四つん這いになれと指示が入る。こんなしんどい状況で四つん這いとかふざけてんのか?って思ったけど、有効な解決策っぽいので耐えて頑張ろうと思った。
でも正直この時まじで精神極限だった。ほんとうに辛くて早く麻酔とか打たれたかったし、気を失って倒れたかった。思い出すとまた涙が出てくる。
ってか早くその検査しとけよ、遅いわくそ。って心の中でブチギレてた。
泣くのだけやめて、菩薩みたいに集中耐え忍ぶモードに変化。(もちろん痛みは相変わらずMAX)
※後日パートナーに、「静かすぎて痛みが落ち着いたのかと思ってた」と言われたのは、ほんとうに痛みは他人にはわからないんだなと思った。助産師には体力が限界なんじゃないかとこのときに一番心配されてたらしい。(つまり泣き喚いてたのは無駄だったのか)
16:30 子宮口全開・分娩室移動
内診してもう産まれるねとなり、分娩室行くよと言われる。え、この状態で移動するの?と思いつつ、と突っ込むほどの気力もない状態。
分娩室行く前に、トイレいってほしいが自分で行けるか導尿でとるかどちらがいいかと言われ、気力はないので導尿でお願いする。なお普通に痛かった。
17:00 いきむ=全身で踏ん張るのを1時間。もはや痛みではない。
いきむ=全身で踏ん張る=便秘で絶対に出ないであろう便を出すような感覚だった。もはや痛いという感じではなく、これまでの長時間の痛みの耐えで全身が疲れてる中、1回のいきみ&踏ん張り=全力疾走or全力筋トレって感じで疲労感しかない。
不思議と踏ん張るとお腹もぎゅぎゅぎゅーっと動く感じで、とにかく全身つかってた。力がすごすぎて声も漏れる。覚えてないけど、「うあああーぐあああー」みたいな。発作が起きてる感じ。まじ今の自分動物的だなと思った。
18:00 お子爆誕・地獄の痛みから解放
まず時計みて、いや、18時かよ。朝から激痛で解放されたのが夜かよ。嘘でしょ。と自分に突っ込んだ。
なお会陰は切られる瞬間わかったけど普通にちくんと痛かった。あと何ヶ所か切られた。縫われてる時間が30分以上あったのでたぶんめちゃくちゃ切られた方な気がする。局所麻酔してるらしいけどこれも痛かった。なお、陣痛の1/1000くらいの痛み。
お子が出てきた瞬間の感想は、「あーなんか出てきたな」「やっと終わったー」とにかく、あの地獄のような痛みから解放された喜びが強くて、「赤ちゃん生まれたね!」とか赤ちゃんのことなんか言われても、わりと、いまはどうでもよいです…休ませて…の気持ちだった。
これをいうと赤ちゃんへの愛情大丈夫か?と言われるがちゃんとその後かわいいと思えてるので安心してほしい。
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なおまつわるお子エピソードは山ほどあるので、ちょいちょい書こうと思う。いまのところのネタ↓
バリバリ仕事してたら切迫になりかけた話
お子が胎児死亡の可能性もあると言われた話
産後の身体のつらみがやばい話
母乳育児・混合育児を侮って痛い目みている話
生まれてから課金した/課金してよかったお子グッズ