The Hall of Vape 2022
The Hall of Vapeとは
The Hall of Vape(以下HOV)とはドイツのシュトゥットガルトで開催された、今回で5回目となる大型のVape Expoです。
そのExpoの一角に、世界中のコレクターから注目を集めるメーカーが約30組出展するModders Galleryというブースがあります。
彼の地のおとぎ話から夢を実現させる
私がこのExpoを知ったのは2018年だったかな。
MOOMODSを始める以前ですね。
錚々たるメーカーが一堂に会するバナーを見たときは物凄くワクワクしました。
コーチェラの出演者眺める様な感じ。
客としての目線で楽しそうだなぁと思ってました。
MOOMODSが始動して1年経つころに2019の開催やLive映像を見て、いつかMOOMODSとして参加するのが夢であり目標となりました。
そして2020の年末にホリ氏が海外の友人を伝って私とHOVの運営を繋げてくれました。
ブースにまだ空きがあるとの事で即参加の意思を伝えました。
多分このやり取りをしていた年始にはウィルスの感染がヤバいかもねと話してた。
案の定それはCovidとなって世界を変えてしまいました。
HOVも例外なく中止。
引き続き2021も中止。
確か2021は秋開催も模索してくれていましたが中止。
そして2021の年末にModder's Gallery参加候補者限定のFBグループで2022開催のアナウンスが投稿されました。
MOOMODSは即答で参加を決めました。
Covid感染の波を不安に見つめながら、出展用の作品作りのスタートです。
新作のNISHIKIだけで勝負をする
丁度、MOOMODSとしては年始にNISHIKIのプロトタイプが完成したので、NISHIKIのみを持っていく事に。
まだリリースしたてのModですが、IWASHIの後継機的デザインなので分かりやすいですよね。
今回は10台を用意したのですが、素材を選ぶ際にどうしても使いたい物がいくつありました。
しかしそれらはナイフハンドル用のサイズで売られており、NISHIKIを作るには少し小さいのです。
いままではそれで諦める事が多かったのですが、今回は小さいブロック用に設計をし直し3台を製作しています。
NISHIKIらしい下に向かって切り落とすラインの角度が少し浅くなるので、IWASHIっぽく見えるかもしれません。
幅3mm程度の違いなのにかなりコンパクトになる印象です。
自分的今回の目玉のG10
これはブロックを持った瞬間に苦戦を確信してしまう様な素材です。
グラスファイバーとエポキシの混合材で硬いし重い。
Mod内部の切削に使う木工用ドリルビットはすぐに先端が無くなりました。
ドリルを当てると分かるのですが、繊維の向きによって硬度やクセの出方が極端に違い凄く難しい。
さらに切削や研磨の熱で樹脂がゆがみ変形してしまう。
その様な素材なので、1工程1工程を丁寧に見極めながら慎重に製作していきます。そしてフォルムを削り出したときの感動。
ランダムな模様がNISHIKIのエッジで切り替りシンメトリーな素晴らしい絵を描いてくれます。
同じ様なModを見た事がない。
同じ素材を使ったとしてもこの模様の出方はNISHIKIにしか成し得ないでしょう。
めちゃくちゃカッコいいです。
そしてこのG10は特別なコラボも!
日本のVapeカルチャーで間違いなく最高の職人GRAM DriptipsのチカシくんがこのG10での作品作りに挑戦してくれました。
めちゃくちゃ苦戦したとの事、貴重な時間を使って作ってくださり、ありがとうございました!
NISHIKI10台を並べるとこんな感じ。
壮観。(この画像だと横長で小さく見えちゃいますね)
そしてドイツへ
旅をめちゃくちゃ楽しんでいますが、ここでは割愛。
MOOMODSのブースを訪れてくれるのは殆んどがFB上での友達や知り合い。
勿論会うのは初めてだけど、お互いを認識しているので、直ぐに打ち解けて凄く楽しい時間を共有できました。
シンプルな感想になっちゃうけど本当にそれだけだし、それが全てだった。
現時点のリアルなVapeシーン
Modders Gallery全体の印象としてはやはりAIOの波が大きいのとFrankieのカリスマっぷりが凄い。
自分達の様なBox Modメーカーはそんな逆風の中、MOOMODSのブースには絶えず見に来てくれる方がいてありがたかったです。
まさかのKARASU人気
ひとつ意外な反応があったのはKARASU。
KARASUは当時あまり人気がなかった。
その要因のひとつとして逆三角のフォルムに関すること。
Gepの作品に似ているかも…という指摘があり、プロトお披露目前に実はGepに直接動画と写真を見て確認してもらって、なにも問題ないし素晴らしい作品を作ったね!というやり取りがあった。
という話を当時あえて表に出さなかったから誤解があったのかもしれない。
今回、過去の作品としてホリ氏のIWASHI(Tomがこれを気に入ってずっとにぎにぎしてた)とKARASUのプロトを持って来ていました。
それを初めて触る人達に、これはこういう意図があってこういうデザインにしたと説明するとみんな目を丸くしていた。
KARASUのフォルムに関しては特に女性人気が高くお褒めの言葉を沢山いただきました。
作り手同士がリスペクトし会えるからこそ通じる世界
さらに嬉しかったのはModderやそれに関わるチームが見に来てくれて、とても熱心にコミュニケーションをとってくれた事。
自分が真剣に作品に向き合って作っていて、それを同じ様な信念を持った作り手も感じとってくれて素直に賞賛してくれる。
こんなに嬉しい事はない。
HOVに来た甲斐がここにあった。
今回の出展を支えてくれた友人に感謝
今回の出展に関し影でサポートをしてくれたフランソワ。
彼がいなければ無数の不安の中から抜け出せなかったかもしれない。
直接会ったことはなかったけど、彼が主宰するPlan BでのIWASHIリリースなどでコミニュケーションをよく取っていたので、信頼の出来る友人。
そして3PCSのホリさん。
直前までホリさんは行けるかわからない状況だったけど、参加が決定してからは色々な相談にのってもらったし的確なアドバイスもいただいた。
彼らが支えてくれたおかげでなんとか夢を叶えられました。
心から本当にありがとう!
HOVを終えて
ずーっと目標にしていたHOV出展を終え、全てのモチベーションが消えると覚悟していたけど、次に自分がやる事を見つけられました。
有名になるとかはもうどうでも良くて、自分が大切にしたい顧客と良い作品を生み出していく、それを続けていくのが大切だし自分がやらなくてはいけない事。
そしてそれが今の自分がやりたい事。
HOVでの出会いから今後の展開も面白くなっていきそうですよ。
お楽しみに。