ポートIN/OUTとARPU向上に向けた取り組み【2024年最新!通信キャリア実態調査からユーザーの流動性、ARPU、新プランの市場分析 Vol.2】
▼連載コラム
Vol.1 通信キャリア各社の戦略的展開と市場動向
Vol.2 ポートIN/OUTとARPU向上に向けた取り組み
それぞれどの通信キャリアから流入しているのか?
ここで、さらに詳細なデータとなりますが、契約キャリアの流入元と流出先の結果もご紹介します。
現在契約している通信キャリアを縦軸、以前使っていた通信キャリアを横軸にして表にまとめました。
例としてahamoをみると、元docomoユーザーが7割弱になっています。
このデータで特に注目すべきなのは右から2番目の、初めて契約したユーザーの割合です。docomoユーザーの7割は初めて契約してからずっとdocomoであることがわかります。
市場のリプレイスには、初めて契約する人を増やす必要があり、さらに初めて契約したユーザーがどこから流入してきたのかという部分をしっかりとらえること、春商戦でのファーストスマホ契約も特に重要となってきます。
では流出先はどうか?
これに対する流出先のデータもみていきましょう。
先ほどの図の縦軸と横軸を入れ替えたものになりますが、以前docomoを契約していた人の3割ほどがahamoに移行していることがわかります。
その他7割の人は他キャリアに流出しているという見方もできますので、定量的なデータを分析するだけではなく実際のユーザーの声を聞き、なぜこのような結果になっているのか、正しく理解するためのアプローチが非常に大切です。
各社が狙うARPU※の向上
こちらは契約容量と使用容量をキャリアごとにまとめたデータです。
各社大容量や無制限プランを打ち出し、推進する傾向にある中、ギガをトッピングで追加していくという形式のpovoは契約・利用容量が比較的リンクしています。新しい料金体系がユーザーにとって使い方とマッチしている、という見方もできますので、今後これが浸透していくのか、ユーザーにとってのメリットがどのように広がっていくのかという部分は注目です。
MNO・MVNOともに、大容量プランを推進しARPU向上に力を入れていますが、月々の通信料金について聞き平均値を出したデータがこちらです。
あくまでもアンケートで回答いただいた料金のため、参考値となりますが、auやSoftBankは5,000円を超えています。各社が無制限プランや大容量プランを打ち出していることに比例して全体的なARPUは高まっている印象です。
※ARPU:Average Revenue Per Useの略で、ユーザー1人あたりの売り上げ金額を示す指標
おわりに
セミナー終盤では、各社注力している法人事業に関連して、社用携帯調査のデータや、続々と打ち出されるポイ活プランについてもご紹介しました。コンシューマー向けの市場が頭打ちになりつつある中、どこに市場の伸びしろを見出していくのか、戦略的な施策が必要になってきます。
弊社は、データを見て現状を把握するだけではなく、その背後にある理由や変化に着目した上で仮説を立てる、ユーザーと直接対話して追加調査するというようなプラスアルファの動きが重要だと考えます。さまざまな企業様とのお取り組み事例も豊富にございますので、興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。
今回ご紹介したデータの関連調査は、MMD研究所にて公開しておりますので、ぜひご覧ください。
セミナーダイジェスト
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