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vol.10『お着換えチャレンジ -衣装に模様を追加しよう-』

今回は、「モデルの衣装に模様を追加する方法」についてご紹介します。
本来は、ご質問いただいた内容なのでQ&Aで解答するものなんですが、なかなかのボリュームなのと、1つのコンテンツとして成り立つのでこちらでのご紹介になります。

いただいたご質問はこちら。

また今回の解説にあたり、モデラーのさるモドキさん(@modokitubuyaku)とフクxaiさん(@happy_dice)に多分にご助力いただきました!この場を借りて、お礼申し上げます。
いつもありがとうございます!



模様の追加とは

一口に模様の追加といっても、いくつかパターンがあると思います。
たとえば

① 水玉やストライプなどの全面に左右対称のパターンを追加するケース
② ワンポイントの刺繍など、左右の片面にだけパターンを追加するケース
③ 前面あるいは背面の左右にまたがる大きなプリントを施すケース

①であれば、テクスチャにそのまま模様を追加すればいいので、さほど難しいものではないんですが、②と③の場合、MMDモデルでは少し複雑な作業が必要になるため、今回はこちらをご紹介します。



おすすめプラグイン

作業に入る前に衣装の改造でいくつかおすすめのプラグインがあるので、ご紹介します。今びっくりしたんですが、すべてどるるさんですね。お世話になっております。

①UV展開図出力

②UVエディタ

③材質複製プラグイン

PMXeditorへのプラグインの導入方法はこちらをご覧ください。

また、UVエディタの細かい機能や使い方までは触れませんので、予めこちらの動画で予習をお願いします。



作業概要

今回ご紹介するのは、元の衣装を複製して、柄以外の部分を透明にしたテクスチャを上からステッカーのように貼り付ける方法です。
材質ごと複製して別ポリゴンにするので、柄の部分だけモーフにして、ON/OFF切り替えることも可能です。

透過テクスチャの貼り付け方法は、すでに他の方が解説されている特殊UVマッピングの方が断然簡単で楽なんですが、選択肢は多い方がいいので、自力でUVを合わせる方法をご紹介します。

特殊UVマッピングについては、こちらをご参考ください。

今回の解説には、さるモドキ式黒岩正義先生にアシスタントに入っていただきます。
解説の内容上、UV展開図などを用いる必要があったので、モデラーのさるモドキさんにお伺いしたところ、「我が美しき渾身の展開を見よ。」(※原文まま)と快諾していただきました!ご協力ありがとうございます!

それでは、こちらの黒岩先生のシャツを、プリントシャツにしてみたいと思います。

ワンポイント_1



STEPS

1)【PMX編集】編集 > プラグイン > user > UV展開図ワンポイント_2

2)【UV展開図】対象材質に模様を追加したい材質を選び、保存する。ワンポイント_3

3)【画像編集】出力したUV展開図に合わせて、模様を設置ワンポイント_4

4)【画像編集】模様とUVをセットで、模様が見切れない位置まで移動して仮テクスチャとして保存
ワンポイント_5

5)【PMX編集】模様を追加したい材質だけを選択し、材質複製するワンポイント_6

6)【PMXview】絞り込みを複製した材質だけ変更し、不要な頂点を削除するワンポイント_7

7)【PMX編集】複製した材質を仮テクスチャに差し替えワンポイント_8

8)【PMX編集】編集 > プラグイン > user > UVエディタワンポイント_9

9)【UVエディタ】材質のドロップダウンから複製した材質を選択ワンポイント_10

10)【UVエディタ】元のUVを仮テクスチャに合わせ、本体へモデル送信するワンポイント_11

11)【PMXview】模様が鏡面状態になってしまっている半面を選択ワンポイント_12

12)【PMXview】頂点を分離して新規材質に取り出すワンポイント_13

13)【PMXview】分離した新規材質のUVを反転するワンポイント_14

14)【UVエディタ】新規材質のUVを、仮テクスチャとつながるように移動してもモデル送信ワンポイント_15

15)【PMX編集】複製した材質と取り出した新規材質を結合ワンポイント_16

16)【画像編集】仮テクスチャから白背景とUV展開のワイヤーを除いて、透過画像として保存ワンポイント_17

17)【PMXview】View状態を更新して、新しいテクスチャを反映させるワンポイント_18

18)【PMX編集】結合した材質の、材質設定を修正ワンポイント_19

19)【PMXview】模様を入れた透過材質を、元の材質から少しだけ浮かすワンポイント_20

これで完成です。ワンポイント_21



Zファイティング対策

3Dでは面が同じ位置で重なり合うと、Zファイティングと呼ばれるチラつきが発生します。MMDでは頂点位置が完全一致しているなら、発生しないようですが、念のため少しだけ元の材質から浮かせてあげることで、対策します。
今回は0.01で設定していますが、もしチラつくようならこの値を少し大きく設定しなおしてあげてください。



オンオフモーフ

今回の方法では、模様だけが完全に別材質なので柄の材質に対して、透過モーフをや頂点モーフで表示のオンオフを切り替えることが可能です。モーフの作成はこちらをご覧ください。



Credit

Model : さるモドキ

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