生演奏と配信ライブの垣根について
今回、各公演で感じたことを綴りながら、改めて感じた生演奏と配信ライブについて書いてみる。
ほぼ備忘録的な内容になっているので、ご了承を。
私自身、学生時代から好きなアーティストのライブによく出向いていた。バイト代の使い道は大体ライブ代だった。
先に言っておくと、私はやはり生演奏が大好きだ。
その場でしか生まれない演者と観客の一体感や高揚感、感動は何物にも代え難い一生モノだからだ。
ただ、この環境下での配信ライブの良さも感じている。
特に配信ライブが増えてくる中、配信ライブは何より映像作品として楽しめると感じている。
ライブ中だったら見えない、演者の表情、指先、バンドメンバーとの目配せ、そういったものをすぐ近くで見ることができるのは配信ライブの良さだと感じている。
印象に残っている配信ライブだと、東京事変の無観客ライブ、そして藤井風の武道館ライブだった。
そして、先日坂本真綾のライブにも参加したためそれについても触れていく。
①東京事変「2O2O.7.24 閏Vision特番 ニュースフラッシュ」
中止になったニュースフラッシュの代わりとして実現された、配信及び映画館上映ライブ。完全無観客ライブの上映だったが、アプローチ方法は他アーティストと全く異なっていたと感じた。
この公演、実演も奇跡的に参加でき、細かい内容については別記事で書いているので細かい感想はそちらに。
今回のライブについて、個人的に一番良かったのは曲間をすべて余すことなく収録していたことだった。これにより、曲の切れ目に起こる楽器の持ち替えや衣装替えなど、そういった普段なら聞こえない物音がすべて聞こえてくるのだ。
私はこのライブを見て、ゲネプロに紛れ込んでいる感覚に陥った。
無観客の客席を映すことで、観客との一体感も演出しながら、先述したような普段見えない面も見えることで、配信ライブの良さを改めて実感した。
②藤井風「"NAN-NAN SHOW2020"HELP EVER HURT NEVER AT NIPPON BUDOKAN」
藤井風の初の武道館公演の配信ライブも素晴らしかった。
喚起を徹底するための休憩を挟むなど、この環境下での運営側の最大の配慮も感じた。
休憩前の時間はピアノ一台でカバー曲を存分に披露した藤井氏。1曲目でちびまる子ちゃんを歌う男性アーティストは彼だけだと思う。
楽曲の良さ、技術力の高さはもはや言うまでもない。
特にラストの曲で頭上から降り注ぐ羽の演出は非常に幻想的だった。臨場感あるカメラワークのお陰で自身がそこにいる錯覚にも陥った。
何より、配信ライブだからこそ見える藤井氏の表情や指使い、曲の表現が近くで見ることができこういった面が見れるのはライブでは限界があるので非常に嬉しかった。
さて、配信ライブについて触れてきたものの、やはり生演奏に勝るものなし。そう感じたライブの話を書いていく。
坂本真綾「IDS!presents Acoustic Live & Talk 2020」
この記事を書いている2020年11月現在は本ツアーが終わっていないため、ネタバレにならないように生演奏で感じたことを書いていく。
ZeppOsakaBaysideの公演に参加した。久々のZeppに行く前から高揚感が止まらなかった。そうだ。この行くまでの高揚感からすでにライブは始まっているのだと再認識。いや、もはやチケットが取れた瞬間からライブは始まっているのだ。
もはや当たり前になりつつ消毒や検温は済ませ、今回前方から4列目というかなりの良席に、ライブが始まる前から緊張が止まらなかった。
周りの方もそうなのか、ライブ前の周囲の方との謎の緊張感と一体感を感じることもできた。
そして始まる実演に、案の定涙が止まらなかった。何より、今回前方の席ということもあってか、真綾さんだけでなくバンドメンバーの表情も非常によく見えた。終始演奏する彼らの表情は音楽をする喜びで溢れていた。
ここまでのライブにするまでに、練習や打ち合わせを重ね、観客に今できる一番のパフォーマンスをする、プロ意識が痛いほど伝わってきた。
同時に、この熱量はやはり生に代え難いと感じた。
配信ライブも、もちろんたくさんのプロの仕事の結晶だ。ただ、生演奏はその日の公演によって、色が全く異なる。笑う場所も、泣く場所も、すべてその日の観客によって変わるのだ。
今まで当たり前のように行っていた、ライブがどれだけたくさんの人の仕事の元出来上がっていたのか。ステージにいる方々だけでなく、裏にいるすべての人に頭が上がらなかった。
というか、やはり真綾さんの声の力は偉大だ。今回の公演で何度涙したか分からない。
また書きたいことがあれば追記していく可能性もあるが、各公演で感じたことを簡単に書きながら終わりにしておく。
実は今週、KingGnuのライブも控えているためそちらのレポもするかもしれない。
早く、全アーティストが表現できる場所が整いますように。エンタメ業界が元気になりますように。
それまではいつまでも応援するアーティストに貢いでいこうと思うオタクだった。
やっぱりナマよ。ナマ。