新規事業開発から生まれた社内ベンチャー。デンタルドア株式会社が目指す姿
こんにちは!三菱マテリアル採用広報編集部です。
今回は、当社の新規事業活動から生まれた社内ベンチャー、デンタルドア株式会社(以下、デンタルドア)についてご紹介します。
デンタルドア代表取締役の國友新太さんに、デンタルドアのこれまでの歩みや新規事業の意義などについてお話を聞きました。
三菱マテリアルの新規事業にご興味がある方の参考となれば幸いです。
デンタルドア設立の背景と歩み
皆さんは虫歯などで歯医者さんを受診する際、治療方法の提案や説明がほとんどない、口の中を触られているにも関わらず全く様子が見えない、毎回の治療時間が短く何度も通院させられるなど、何らかの疑問や不満を抱いたことないでしょうか?
虫歯がひどくなる前に歯科健診を受診し、早期発見ができればお金も時間もセーブできるはず。このことをわかっていながら実際には歯科健診の受診率は高くありません。この問題の解決こそが当社の新規事業となりうると考え、新規事業開発がスタートしました。
どうしたら歯科健診を受診したくなるか?受診したくなる歯科健診とはどのようなものか?メンバーが一丸となって議論を重ね、得られた結論は「体験し、理解を深めること」。
問題を解決する手段として最新のデジタル技術を駆使したサービス「スマート歯科健診」を考案しました。トライアルを重ね、サービスやシステムの改善、経済性の評価を行い、本当に新規事業としてふさわしいかを問い続けました。
2023年7月6日、当社の新規事業として十分な事業性と将来性を持つと判断し「デンタルドア株式会社」を設立。デンタルドアは三菱マテリアルにとってヘルスケア分野における初めての本格的な取り組みです。
着想から3年。今では大手飲料メーカーをはじめ、いくつかの大企業に採用されるまでに成長しました。
事業内容と社会的意義
「スマート歯科健診」は、3次元デジタルスキャナでお口の中をデジタルデータ化する新しい歯科健診です。自分の歯の3Dモデルを触って観察し、状況を深く理解することで受診へ行動変容を起こさせます。
スマホやPC上で自身の歯や歯ぐきの3Dモデルを拡大・縮小・回転させ、これまで直接見ることが難しかった口の中を隅々まで確認できます。わかり易くて楽しくなる、誰もが受けたくなる歯科健診です。
最近では歯周病などの歯科疾患が全身の健康に大きく影響をあたえることが知られるようになりました。スマート歯科健診は受診率を高めるための仕組みです。スマート歯科健診を通じた早期の歯科疾患を発見・治療は、健康な歯で快適な生活を送ることができる社会の実現につながります。経済的な面においては、皆さんの生涯にわたる医療費だけでなく、社会保険料負担の低減に有用です。
また企業においては、従業員が健康な歯でおいしくものを食べ、楽しく働くことができるようになることで生産性や社員満足度が向上し、健康経営のひとつの軸になりえます。社会的意義の大きいサービスです。
企業理念「人と社会と地球のために」との関連性
社名である「デンタルドア」には、「おいしく食べ、楽しく話す。健康は口から始まる。デンタルから健康の扉を開く。」という想いを込めました。デンタルドアでは、スマート歯科健診を通じ、すべての人が健康な歯で快適な生活を送ることができる社会の実現を目指しています。
デンタルドアの設立は当社の掲げる企業理念を実現するための活動のひとつです。スマート歯科健診を皮切りにヘルスケア領域の事業を拡大することで、より豊かな社会の実現に貢献していきます。
既存事業とのシナジー
事業アイデアを実現するにあたり、はじめに当社の持つ技術や知見を活用し、既存事業とのシナジーを最大化することが重要と考えました。
当時、歯科では「デジタル歯科技工」という分野が立ち上がろうとしていた時期でした。デジタル歯科技工というのは、3DプリンターやCAD/CAMなどの機器を使用し、歯科技工データをデジタル化して利用する分野です。まさに高度な加工関連技術を持つ当社にぴったりの分野。この分野であれば、当社がすでに取り組んでいる3次元加工やクラウドなどのDX/デジタル技術が当社の得意が活かせます。
スマート歯科健診で使うクラウドシステムは当社の持つ技術や知見を最大限に活用し、使い易くてセキュアに仕上がりました。データはAWS(Amazon Wave Service)の三菱マテリアル専用領域に厳重に保管しています。
今後はスマート歯科健診で得られたデータをPHR(Personal Health Record)として、歯科技工分野など既存事業とのシナジーが生み出されるようにさらに新しい製品、サービスを作り、今までにない新たな価値を提供していきたいと考えています。
今後のビジョンと目標
デンタルドアは当社がヘルスケア分野で展開するための布石の会社として位置付け、医療機器製造業登録および高度管理医療機器等販売業貸与業許可を取得、また要配慮個人情報を適切に扱うためのプライバシーマークを取得し、医療やヘルスケアに関する様々な事業ができるように体制を整えてきました。
スマート歯科健診で得られた歯科データの利活用だけでなく、既存事業で扱う製品の販売、当社イノベーションセンターの研究開発から生まれた技術製品の製造販売、当社の得意分野である金属のリサイクルなど、これからの可能性は無限大です。
「ヘルスケアと言えば三菱マテリアル」と言われるよう、皆さんに喜ばれるサービスや製品の提供を続けていきます。
新規事業に取り組む意義
人や世の中は常に変化していきます。これに伴い、求められる製品やサービスも変化します。企業にとって新しいアイデアや技術の導入を通じてイノベーションを引き起こし、市場競争力を強化し、収益を上げ、リーダーシップを維持することはとても重要です。しかしながら既存の事業分野だけでは成長に限界があります。
ポートフォリオの点からも新たな事業分野へ展開することは必須です。未知の分野への挑戦はリスクもありますが、リスクを恐れずに前に進み続けなければなりません。たとえ、その挑戦が上手くいなくても、進む方向を変えることで上手くいくかもしれません。小さい挑戦(スモールスタート)から始めれば、その傷も小さくて済みます。何より大切なことは「挑戦し続けること」です。当社は創業から150年以上が経過、その間、いろいろなことに挑戦して事業を作ってきました。この精神を受け継ぐことが、当社の新たな未来を創ることだと信じています。
新規事業開発は、未開の地を進むアドベンチャーレースのようなもの。今まで誰も対面したことのない困難が常に待ち構えています。当社の持つリソースを結集させ、チーム一丸となって挑戦して、ひとつひとつを克服していく。困難を超えたときの充実感は言葉では表現しきれません。是非、あなたも三菱マテリアルで挑戦してみてください。
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