ニキ・ド・サンファルの自宅を訪ねて~撮影ノオト
フランスの造形作家ニキ・ド・サンファル。私がパリ郊外のニキの自宅兼アトリエを訪ねたのは1981年6月だった。当時のパリ、ポンピドゥー・センター館長だったポンテュス・フルテン氏がニキに引き合わせてくれた。
ニキは1963年に、パートナーの彫刻家ジャン・ティンゲリーとともに、この家に移り住んでいる。それまで暮らしていたパリ市内のロンサン袋少路のアトリエが取り壊されることになったのがきっかけだという。かつては「白い馬」という名前のオーベルジュ(レストラン兼宿屋)だった石造りの建物。ドアの上には、「バー」や「ダンス」の文字が残されている。
ニキとティンゲリーは、この家で5年間を共に暮らした。やがてティンゲリーが別の女性とスイスに家を構え、ニキもまたイギリス人の若き詩人とともに暮らすというライフスタイルをとっている。私が訪ねた時は、ハンサムなその青年が昼食を用意してくれた。
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ニキ・ド・サンファルの映画は「ニキの映画を創る会」メンバーで製作しています。編集作業、完成に向けて、サポートしていただけたら嬉しいです。