
世界各地のアーティストの肖像を撮影する中で、忘れられないエピソード、写真のこと、自宅マンションのバルコニーから、60鉢のバラ・果樹の季節の便りなどを綴ってみたいと思います。本・映…
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2020年7月の記事一覧
ニキ・ド・サンファル ~撮影ノオト~
パリ郊外の自宅にて。カラフルでエスプリあふれる女性像で知られるフランスの造形作家ニキ・ド・サンファル。彼女と初めて会ったのは1981年、パリ郊外の自宅を訪れた時だった。かつて宿屋だったという石造りの家の扉が開くと、女主人が出迎えてくれた。ダイナミックな作品とは対照的な、繊細で神秘的な雰囲気を漂わせた人だ。
居間に通されたとたん、その彩りの鮮やかさに思わず歓声を上げた。まさに作品世界そのもの。机、
ジェレミー・アイアンズ ~撮影ノオト~
舞台俳優ロンドンの北西に位置する、ストラトフォード・アポン・エイボン。ここはイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの生誕地として知られ、市内には今もその生家が16世紀から変わらぬ姿で残されている。この地を訪れた目的は、俳優のジェレミー・アイアンズを撮影することだった。
映画「ミッション」が日本で公開される直前の1987年のことで、インタヴューはその話題が中心だった。アイアンズは「フランス軍
ピナ・バウシュ ~撮影ノオト~
ピナ・バウシュの舞台「ブッパタール舞踊団」の舞台を初めて見たのは、1980年代のニューヨークだった。振付家のピナ・バウシュ率いる舞踊団は、ドイツのブッパタールを本拠地として、世界各地で公演を行っていた。「タンツテアター」(ダンス劇場)と名づけられたその舞台は、ダンスと演劇が融合した独特のもので、生きることそのものを主題として、踊り手たちが舞台上にさまざまな人生模様を描き出す。
それは時として、人