日記:Day1 雨に打たれて阿波入り
2週間ちょいに及ぶ阿波安芸スクーター旅をいよいよ始めた。
一昨日の9月10日の夜に東京を出てからを振り返ってみたい。
夜行寝台特急「サンライズ瀬戸」
今回、私は夜行寝台「サンライズ瀬戸」の雑魚寝席「ノビノビシート」を移動の手段とした。割安なのと、時間を有効に活用できる点からだ。
サンライズは、席・部屋のグレード別に料金が違う。個室も高いのだと狭めのビジネスホテルくらいのサイズ感だし、比較的安い個室だとカプセルホテルのカプセルサイズ。ノビノビシートは、区切り板で仕切られた雑魚寝スペースに雑魚寝ができる。
ノビノビシートには毛布が用意されている。冬は工夫しないと凍えるだろう。夏でもクーラーが効いてて羽織らないと風邪ひく。
問題は、カーペット状の床だ。一晩寝転がるには硬い。とても硬すぎて寝られないので、用意された毛布を敷布がわりにして、手持ちの上着などを掛布にするというのがオーソドックス。ちなみに枕もないから、手持ちのもので代替するしかない。
22時に東京駅の東海道線ホームを出発したあと、横浜・熱海・静岡…という具合に止まりつつ、寝静まる乗客を乗せてサンライズは西へひた走る。私も熱海を過ぎたあたりで、早々に寝入ってしまった。
夜中、ふと目が覚める。まだ外は暗い。時計は3時50分を指している。列車はどこかの駅に停車していた。眼鏡をつけて駅名に目を凝らすと、岐阜の大垣駅だった。
あれぇ、何でこんな駅に止まってるんだろう?まぁでもすぐ動き出すか、と思って待ってみたが、30分以上動かない。こんなにここで止まってて間に合うんだっけ?と不安に感じたが、夜中だし何のアナウンスもないので待つしかない。
ようやく4時半頃に大垣を出たのだが、後で車掌の説明を聞くと、サンライズの前を走る貨物列車が、岐阜の関ヶ原で鹿をはねたために止まっていたそうだ。
珍しいハプニングに遭遇して、旅路は2時間超遅れが生じた。しかしおかげで、夜中走るはずの区間も日が昇ってからしっかり見ることができたので、よかったとも言える。
本来高松に着いているはずの朝7時半過ぎ、列車は姫路あたりだった。二階建て車両の一階にいた私は、関西圏の通勤通学のホームの客に、動物園のオリの中のサルの如くしげしげと観察される羽目になった。
播磨灘の海を眺めたあと、列車は岡山へ。そこで「サンライズ出雲」との連結切り離しがあり、私の乗る瀬戸は瀬戸大橋を渡る。戻ってまいりました、瀬戸内、そして四国。
定刻の2時間遅れで、9時半過ぎに高松駅に到着。車内で飯が食えなかった(車内販売無し、ビュッフェ無しの素泊まり列車なのだ)ので、高徳線の次の汽車を待つ間にまずは腹ごしらえ。エキナカの連絡船うどんが、コロナ気にして相変わらず閉まっていたので(再開する日は来るのか?)、一旦改札を出て近くの「メリケンや」へ。
高松で相棒と再開、一路西阿波へ
高松駅前のメリケンやでは、季節限定のすだちコラボ商品が出ていたので、迷わず「すだち醤油うどん」を食す。コシのある麺とスダチの酸味に満足。
そして駅に戻り、高徳線で屋島まで行って、祖母宅に着く。10時半を回っていた。
祖母宅に着くと、先日定年を迎えた叔父(私の父の弟)がバイクで現れた。私のスクーターをちょいちょいメンテしてくれてたことに叔父にお礼を言いつつ、世間話をしてると、雨がポツポツ降ってきた。叔父と別れて相棒のスクーターにまたがり、さっそく西阿波を目指して西南へ。
最初ポツポツだった雨は、早々にしっかりとした雨に変わった。
雨中の山間走行、1時間でヘコたれる
香川県(四国の右上)から高知(四国の下)に抜ける、国道32号を高知方面に走る。香川と徳島の間にある阿讃の山々を峠越えする頃には、標高上がって気温も下がってきた。雨に打たれ続けて、レインコートも撥水しきれず浸水されて、下着までずぶ濡れに。
体温低下を感じつつ、白線やマンホールに前輪スリップだけはさせぬように、山道クネクネのワインディングを続ける。あー、雨中の二輪運転は、やっぱり気を張る。
走行して1時間ちょい、遂に吉野川沿いに出て、なんとか無事に、今日の目的地である徳島県三好市池田町に到着した。
打合せ、ご挨拶、宴会
宿のゲストハウス「heso camp」に着いた私は、濡れた服を脱ぎ冷え切った身体をシャワーで温めて、身支度を整え直す。そして、打合せ、ご挨拶、宴会を堪能させていただいた。
宴会では、市役所の役人でありながらジビエハンターでもあるりゅうじさんによる、鹿肉カツが出てマジ美味かった。まだ、給食向けにしか出してないそうだが、是非ネット通販に出して欲しい。アレは鹿肉に興味ない人も普通に旨うまだと思う。
用意して歓待してくださった方も、私の突然の来訪に応対したりワザワザ出てきてくださった方も、本当にありがとうございました!!
そして夜、お隣のつるぎ町の役場の方々と席を共にし、日曜に役場の課長さんが町を案内して下さる話の運びになった。恐縮です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?