2019年もコミュニティが注目される理由は”リアルとネットの無限ループ”
2018年も残り少なくなってきましたが、今年はコミュニティマーケティングが特に注目された1年でした。そして、来る2019年もさらに注目される1年になると思います。
しかし、mixiコミュニティやFacebookなど何度かコミュニティが注目されてきましたが、「なぜ、いまコミュニティ」なのでしょう?
というわけで、CMC_Meetup による コミュニティマーケティング Advent Calendar 2018 の 23日目の投稿では、その理由を3大コミュニティブームの変遷から読み解いていきたいと思います。
「なぜ、今か?」を知ることで、2018年・2019年という時代にあったコミュニティ運営ができているかを確認する機会になると思います。
第1期(2002年~):mixiコミュニティブーム(オンラインコミュニティ化)
最初のコミュニティブームは2002年ごろのmixiを中心としたSNSブームにより起こりました。
mixiコミュニティはこれまで、リアルな対面のコミュニティしかなかった世界に、オンラインのコミュニティという新しい概念を持ち込みました。
同じドラマを見ているファン、アーティストのファン、趣味のコミュニティなどなんと270万個以上のコミュニティが作られました。リアルな対面コミュニティだけでは出会えなかった人同士が、オンライン上の「参加するボタン」を押すだけでつながれるコミュニティの仕組みで出会えるようになったのです。
オフ会などもありましたが、オンライン中心でリアルな体験/熱量よりはどんな興味テーマでも繋がり会える拡がりがありました。
第2期(2009~)Facebookブーム(リアルグラフのオンライン化とブランドコミュニティ)
次のコミュニティブームは2009年頃からのFacebookブームでした。
実名のFacebookはリアルな人間関係(リアルグラフ)をオンライン上に可視化して、高校の時の友達など過去に会ってきた人たち全てをつなぎました。
当時、SNSのコンサルティング会社に転職したてでしたが、「本当に日本で実名制のSNSが普及するのか?」をSNSの会社にいる自分たちも本気で議論していたし、普及すると考える人は半分ぐらいでした。
しかし、2009年後半頃から無印良品やUNIQLO、SUUMO、コカ・コーラなどが企業のFacebookページを立ち上げて、2010年のFacebookの映画公開もあり、一気に企業・個人利用が進みました。
時代が変わる瞬間は、それこそ巨大な音を立てて一気に壁が倒れるように、これほどダイナミックに変わるものかと思いました。
そして、企業がSNSで公式アカウントを作り、生活者と直接コミュニケーションを取ることが当たり前になりました。これも、第2期のFacebookブームがなし得たことでした。
第3期(2017~):SNSの日常化によって何が起こったか?(リアルとネットの無限ループ)
スマートフォンがほとんどの人の手のひらに握られ、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSで繋がり続けることが日常化しました。
そして、起こったことが「リアルとネットの無限ループ」です
これは、チームラボプラネッツTokyoの写真ですが、自分のSNS上で誰か友達のチームラボに行った時の写真を見たことがあると思います。
そして、「あぁ、楽しそうだなぁ。自分も行ってみたいなぁ」と思い、実際に行ってみて、自分も写真をSNSにUPする。そしてまた、自分の別の友達も行く。という無限ループが起こるようになりました。
「リアルとネットの無限ループ」を活かしたマーケティング手法といえば、InstagramarやYouTuberなど活用した、インフルエンサーマーケティングです。
また、2017年頃から増えたオンラインサロンも「リアルとネットの無限ループ」が有効に機能しています。
オンラインサロンという名前でも、リアルなイベントがあり、そのイベントに参加した人が、SNSで体験をシェアすることで、新メンバーを呼び込みます。また、さらにサロンの運営・企画に積極的にメンバーを巻き込むことで友人を勧誘する仕組みを作り、さらにサロンが大きくなります。
2018、2019年にコミュニティが注目された理由はこのオンラインサロンと似た仕組みをコミュニティも持っているからです。
「リアルとネットの無限ループ」を活かしたコミュニティ運営とは?
現代のコミュニティ運営に置いては、イベントなどのリアルだけでもなく、また、ネット(オンラインコミュニティ)だけではSNSでシェアするだけの熱量のある体験を作ることが難しいでしょう。
大切なことはリアルとネットが相互に関係しあってさらなる無限ループを生み出すことです。
CMC_meetupのオフラインファースト、アウトプットファースト、コンテキストファーストはうまくそれを仕組み化しています。
オフラインファースト:オフライン=F2Fな場でネットワークやコンテンツを作るのが先。オンラインで拡散するのはそれからの話。(ただし、SNSによってオンラインの拡散力が10年前より飛躍的に高まっていることは要注目)
アウトプットファースト:参加者ができるだけコミュニティを「自分ゴト」としてとらえられるように、情報発信(アウトプット)側に回れるようにする。LTやtwitterでリアルタイムに参加したり、事後にブログにまとめるところからでOK。「ブログ書くまでが勉強会」は真理。
コンテキストファースト:コミュニティ参加者の「興味の粒度」があっていることが重要。これが多様化してきたら、コミュニティの「株分け」や、「テーマ縛り」での開催も検討する段階。
実際に「オフラインファースト」、「アウトプットファースト」として、下記のようにリアルなイベントを実施し、イベントの中身はTogetterにまとめるように促しています。
イベントの体験をSNSなどでアウトプットすることを積極的に推奨することで、リアル→ネットのループが生み出されています。
2019年のコミュニティ運営には、リアルとネットの無限ループを取り入れた事例がさらに増えると思います。
それでは続きは、Twitterにて!