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シナリオ「家族の定義」 #07
○本屋(現在)
店内を歩いている客、ある所で足を止める。
そこは写真集の2012年新作特集のコーナー。
その真ん中には【2012年フォトコンテスト最優秀賞受賞・飯島絵美】と書かれたルビが巻かれた綺麗な夕日が照らしている川の写真が表紙の写真集。
それを手に取る男性客・谷淳平(36)
女の声「淳ちゃん」
振り向くとそこにいたのは、優しく微笑んでいる谷の妻・綾香(33)
マタニティー服を着ている綾香、目に見て分かるくらいお腹が膨らんでいる。
谷 「買ってもいい?」
頷く綾香。
綾 香「珍しいね、淳ちゃんが誰かの写真集買うなんて」
谷 「(笑顔で)買って損はない写真集だと思うんだ」
話しながらレジに向かう、しあわせそうな二人の後ろ姿。
○京都・円山公園
景色を写真を撮る女性。
カメラを下ろすと、少し大人びた顔立ちの絵美(27)
浩 二「絵美」
絵美が振り向いた先には浩二、そして優子。
浩二、時計を見ながら
浩 二「そろそろ行かんと、夕日見れんくなるわ」
絵 美「あ、ちょっと待って!写真撮ろう!」
絵美、カメラの三脚を建て、首から下げていたカメラを置き、ファインダーを覗き込む。
優子、浩二で並んでいる。
絵 美「お父さんもっとお母さんに寄って!」
ほんの少しだけ優子に寄り添う浩二。
優子、浩二を見て微笑む。照れる浩二。
セルフタイマーをセットする絵美。
絵 美「行くよー」
セルフタイマーが作動する音。
絵 美「10・9・8・7…」
カウントしながら、2人の元に走っていく絵美、
優子は中心に並ぶ。
カメラ目線の3人。幸せそうな笑顔。
絵 美「3、2、1」
カメラのシャッター音が響き渡る。
END