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大腸カメラを受けた話

切れ痔とは2人目の妊娠をきっかけに5年ほどお付き合いしている。

排便時、ペーパーに血がつくことには慣れていたが、
ふと「これ、ほんまに痔か?」と疑い始めた。

素人考えで鮮血=腸からの出血ではないと思い込んでいたが、
よく考えればこれが血便ではない確証は全くない。

それに、たまに腸の一定の部分が痛くなることがあることも気になった。

ちょっと痛いぐらいのレベルではなく、動けなくなり、
顔をしかめ、脂汗が滲む程度には痛い。

ちょうど内田春菊さんのすとまんが~がんまんが人工肛門編~
読んでいたこともあり、心配になった。

一度も胃腸の検査等はしたことがなかったし、
念のため受診することにした。

まさか大腸カメラを受ける羽目になる可能性なんて全く頭になく、
軽い気持ちで家族から勧められた内視鏡内科を訪れた。

その病院は、最初は普通の内科だったのだが
コロナ禍に発熱外来専門として舵を切り、
いつも外の道にもコロナ患者がうじゃうじゃと溢れ出していた。
熱があっても換気の問題により2時間前後外で待つと噂で聞いた。

そのうち、発熱患者を整理する警備員が雇われ、
大理石を使ったような豪華な分院が近所に2つ3つと建ち、
えらい儲かってはるんやなあと近所で話題になった。

その分院の1つが胃腸内科を専門としており、
胃や腸のカメラの検査をする際に
麻酔で眠らせて処置してくれるというので、
夫と母は会社の健康診断の時に
わざわざここを指名して通っているらしかった。

医師が「5年前から切れ痔?!」と驚くのでこちらまで驚いた。
切れ痔とは一度出合えば一生のお付き合いだと思い込んでいたが違うのか。
「うーん、まあ話聞く限り切れ痔やと思うけど、
一応カメラで検査しときましょか」
の一言でとんでもないことになったと気づいた。

帰ってから母に「大腸カメラするねんて…」と報告すると、
「え!私やったでこの前!
ポリープもあったら寝てる間についでにとってくれるでー!」と、
不安そうな私に教えられることができて嬉しそうだった。


検査前日

食事制限

大腸をカメラで綺麗に撮るには腸を空にする必要があり、
前日から準備として食事制限が科される。
食物繊維と脂肪はNGだったような。
あとタネとかも残りやすいから
トマトとかイチゴとかもやめてくださいって言われた。

私が実際食べたものはこれ。

朝→塩握り、しゃけ握り、とうふだけのみそしる
昼→とろ玉うどん大盛り。(ネギ天かす生姜抜き。)
間食→SUNAOクッキー、プリン、グリーンダカラ
夜→塩シャケ皮無しとごはん、具無し味噌汁、たまご豆腐

帝王切開後はじめての食事を思い出すラインナップ。
指示通り夜の8時までに食べ終えて水をたくさん飲み、
病院でもらった下剤を飲んで寝た。

私は夫と子供たちと同じベッドで寝ている。
明け方までに下痢を起こす人がいますって書いていたので
よもや人権を失うかと怯えていたけど、全く便意催さず、セーフ。

当日

起きてすぐトイレ。おしっこのみ。
朝から少し頭が痛い。
朝の支度をしている間に温かいお茶と水を飲む。

検査は14時だが腸を空にする作業があるため
10時に来院するよう言われる。
とにかく検査が終わる16時頃まで絶食。絶望。
水とお茶とスポドリはたくさん摂るよう指示がある。

いつもは無いうっすらとした便意を感じる
ひたすらお茶と水を飲む。

予約した時に「歩いてこられますか?」と聞かれ、
頷くと何分くらいかかりますか?と聞かれたので
15分ほどだと答えると微妙な顔をされた。

下剤を服用しているため、
長時間歩くと歩いている間に漏らしてしまう人が少なくないらしい。
でも麻酔をするので車や自転車は禁止、電車に乗るほどの距離でも無い。

ポリープの先人である母から
「紙おむつあるでー。履いていけば?」とラインが来ていた。
覚悟を決め、おむつなしで歩いて病院へ向かい、幸い問題なく辿り着けた。

持っていったものは
暇つぶし用のiPad、モバイルバッテリー、
タオル、漏らした時用の着替え、水500ml。
一泊旅行レベルの大荷物になった。

病院に到着

受付後、3階へ移動。
テレビの前のソファに座るよう言われ、説明を受けたあと
モビプレップというドリンク状の下剤を飲むよう言われる。

この容器に入ってるのがモビレップ。超冷たい上にまずい。自分でコップに注いで飲む。

苦しょっぱめのポカリっぽい。絶妙にまずい。
頭が痛くなるようなあまにがしょっぱくささ。
全部で1リットル、一杯を10〜15分かけて飲むらしい。
あまりの不味さに一気飲みしたくなる。

当日メモしていた内容があるのでこれからはそれを読んでほしい。

11:10

・味がだんだん嫌になってきた
・まずい
・便意ゼロ
・寒い

11:50

・一回目の便
・尻から水が出た感覚。
・固形ちょっととあとは水っぽい
・尻が痛い

12:00

・寒くてたまらずブランケットを借りた

12:10

・全量飲み終わった!!!!嬉しい!
・二回目のトイレ。
・Siriからシャーシャー水が出るがまだ色がついている
・色が透明になるまで看護師に水の写メを見せ続ける必要がある
・相当いろいろ飲んでいるので水は結構な量。
・尻が痛い。血も出たようす。

12:24

・テレビで料理番組をしててお腹が減る
・寒くてお湯飲もうと思ってたのに水入れてしまった鬱
・まだ便が透明にならないのでまずい下剤を追加された。
・私の便のことやのに謝られた辛い
・台湾行きたいなあ。
・台北着、台北から高雄まで旅して高雄発で帰るんもええなあ。
・韓国はソウルと釜山に行ってみたいな。

14:30

最後のメモから約2時間。
追加で5.6回トイレに行ったらやっと許可が出、着替えて2階へ。
生まれて初めて紙パンツを履いた。カサカサして硬くてソワソワした。
リクライニングチェアで点滴をして、15分ほど待って内視鏡室へ。
本人確認をして、寝転んで、血圧計と心電図、
指に酸素測るやつもつけて、
先生が来たら点滴に眠くなる薬を入れ、2〜3回深呼吸したら爆睡。


検査が終わる直前に意識が戻ってしまい、
「いたーい!」という自分の声で目が覚めた。
ちょっと笑った。

もう終わりますよ〜と言われ、すぐ終わり。
回復室で少し休んで、着替えて携帯見たら15:30頃やった。

母にめっちゃすぐ麻酔覚めたわーと言ったら、
「あんた寝てたからすぐやと思っただけで
絶対回復室でも爆睡してんで」と笑われた。たしかに。

その後医師の診察で
「ポリープ取ったのでお酒は一週間ほど控えてください」と言われた。
ポリープがあるかないかではだいぶ気持ちが違う。
私が入っている生命保険ではポリープを切除すれば
日帰り手術扱いになって保険金が降りるのだ。
やっぴー。

その後のメモ

下剤飲んでた部屋のウォーターサーバー、お茶とかレモンティ、梅昆布茶あったけど検査の方はお水だけですって書いててじゃあいつ誰が飲むねんあれは。飲みたかった。お腹ぐうぐう言うてる。

めちゃくちゃしょうもないこと気にしてて笑う。
結局ふらふらしたままお腹が空いたなあと彷徨いながら家まで帰った。
流石にドカ食いする勇気はなく、
しばらく胃腸に優しい食事を続け、毎日飲んでいたビールも控えた。
それだけでも検査のかいがあったかもしれない。

後日

ポリープの検査結果が出たので診察へ。
結果は良性。
診断は切れ痔だった。
特に薬も何も出ず、おだいじにーと言われて終わった。

次は3年後でいいですよと言われたが、できればもう経験したくない。

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